結城友奈はテイマーである   作:渚のグレイズ

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ゆゆテ!

園子様のUR
園子様のUR
園子様のURぅぅぅ・・・・・・・(爆死者のうめき声)


六六話 恐怖を乗り越え、辿り着く先 -後編-

ライラモン「あー!もう!!安請け合いするんじゃなかった~~~~!!!」

 

ディノビーモン「Grrrrrrrrrrrrrrr!!!!!!」

 

後ろに下がりながら『ライラシャワー』をディノビーモンに向けて撃つ。

ある程度の距離まで近付かれたら『ビューティースラップ』で怯ませて距離を取る。

先程からライラモンはずっと、そうやってディノビーモンの相手をし続けていた。

しかし、いい加減ライラモンにも疲れが見え始めていた。

 

ライラモン「言った手前、がんばるけ・ど・ねえ!!」

 

ここに来て、とうとうライラモンは『アン・ドゥ・ポラン』を使う事に決めた。

何故使わないでいたのかと言えば、素早いディノビーモンが相手では、踊っている間に襲われてしまう可能性が高いからだ。しかし、そうも言っていられなくなった。主にライラモン自身の体力の問題で。

 

ライラモン「よ~~し!そんじゃ・・・いっくよ~~~~!!!」

 

周囲に『ライラシャワー』をばら蒔きながらの『アン・ドゥ・ポラン』

ビームの弾幕を突っ切ってライラモンに接近したディノビーモンが、ライラモンに見向きもせず、そのまま別の場所に向かって攻撃を始めた。『アン・ドゥ・ポラン』の幻影に惑わされているのだ。

 

ライラモン「よし!このまま時間稼ぎを・・・・」

 

だが、事はそう簡単にはいかなかった。

自分が幻影を見せられている事に気付いたディノビーモンがライラモンに向かって突撃してきたのだ。

 

ディノビーモン「Graaaaaaaa!!!!!!」

 

ライラモン「ウッソ!?もう気付いたの!?」

 

『アン・ドゥ・ポラン』は継続させつつ、ディノビーモンの攻撃をギリギリで避けていく。

 

ディノビーモン「Grarararararararara!!!!!!」

 

ライラモン「ただのラッシュなんかに負けないんだから!!」

 

ディノビーモン「Graaaaaaaarararararararararararararararararararararararararararararararararararararararara!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

ライラモン「え・・・嘘・・・これって・・・・」

 

ライラモン本体を完全に捉えたディノビーモンは徐々に攻撃速度を早めていく。

残像すら出現する程の速度まで到達した時に、漸くこれがディノビーモンの必殺技『ヘルマスカレード』であることに気付いたが、時既に遅し。

 

ライラモン「きゃあああああああああ!!!!!!」

 

ライラモンはディノビーモンに切り刻まれてしまった。

が、致命傷だけはどうにか避ける事ができたので、まだ立っていられる。もっとも、立っているのがやっとではあるが………

 

ライラモン「はぁ・・・・はぁ・・・・本気でヤバ気だわ・・・・・」

 

ディノビーモン「Grrrrrrrr………………」

 

ディノビーモンに完全に追い詰められたライラモンは、自身の命の終わりを悟り、静かに瞳を閉じる。

と、その時だった。

 

 

 

 

 

???「勇者ぁ・・・・・キィィィィィィィィック!!!」

 

 

 

 

 

突如として、ディノビーモンの後ろから誰かが────否、友奈が飛び蹴りをその背中に喰らわせたのだった!

 

ライラモン「ゆ・・・・友奈!?あんた何をして・・・・」

 

ディノビーモン「Gr!?」

 

攻撃を受けたディノビーモンは、振り返り友奈に突撃する。急速に接近し、そのまま友奈は爪の餌食に────

 

 

 

 

 

ディノビーモン「・・・・・!!」ピタッ

 

 

 

 

 

なることは無く、友奈の眼前でディノビーモンの爪は停止した。

そのままディノビーモンはゆっくりと友奈に頭をすり寄せる。先程までの荒々しさは微塵も感じられない。

 

ディノビーモン「kyrrr──────」

 

今まで誰も聞いた事の無いような、甘えた声をだしながら、ディノビーモンは友奈に頬擦りをしている。

そんな状況に、ライラモンは呆気にとられていた。

 

ライラモン「────────どーなってんの?」

 

ドルグレモン「僕にもわからん」

 

ライラモン「ぅわっ!?いつの間に!?」

 

―――――――――――†――――――――――

 

友奈「・・・・ごめんね、ディノビーモン。ずっと、寂しかったよね・・・・・」

 

ディノビーモン「kuuuuuuuu……nn…」

 

ディノビーモンが暴れていた理由。

それは、友奈から発生した黒いデジソウルにある。

黒いデジソウルに包まれる前まで、ワームモンとブイモンは、友奈をどうやって助けるかを考えていた。

そこに、黒いデジソウルが悪影響を及ぼしたのだ。

 

その結果、進化したディノビーモンは

『友奈を救う為に強敵を排除する』事を理由に、今までずっと暴走していたのだ。

 

ちなみに、エテモンの歌はそもそも聞こえていなかった。ディノビーモンの羽ばたきが周囲の音を書き消していたからである。

しかし、それももう無い。ディノビーモンは羽ばたく事を止め、友奈の下へと帰ったから。

 

美森「友奈ちゃんには、わかっていたのね。あの子がどうして暴れているのか・・・・」

 

園子「・・・・・・やっぱり、ゆーゆとあの子たちは、特別なのかな・・・・?」

 

気がつけばディノビーモンの姿は消えており、チビモンとミノモンが友奈の胸に抱かれていた。

 

チビモン「ごめんね、ユーナ・・・すぐに助けに行けなくて・・・・」

 

ミノモン「ほんとはね、あの姿の時もぼくらの意識はあったんだ・・・・でも、黒い力が邪魔をして・・・・」

 

友奈「そうだったんだね・・・・だったら、私のせいでもあるね。ごめんね・・・」

 

チビモン「ユーナは悪くない!」

 

ミノモン「ユーちゃんは悪くないよ!」

 

謝罪する友奈に、間髪入れずに「違う」と言う二人。

 

友奈「・・・・・・」

 

チビモン「・・・・・・」

 

ミノモン「・・・・・・・」

 

友奈「・・・・・・」

 

チビモン「・・・・・・」

 

ミノモン「・・・・・・・ぷっ」

 

三人「あははははははははっ♪」

 

しばらくにらみ合って、ミノモンが吹き出したのをきっかけに三人が笑いあう。

しかし、これですべてが解決した訳では無い。

 

ライラモン「和んでいるとこ悪いけど、解決したなら樹たちのところに加勢しに行かないと・・・!」

 

ドルグレモン「──────確かに、かなり危険な気配を感じるね。あれはいったい・・・?」

 

ライラモン「ミレニアモンよ。ナノモンが操る究極体デジモン」

 

タオモン「ミレニアモン?ムゲンドラモンではなかったのか?」

 

ライラモン「私が知る訳ないでしょ。ともかく、かなりヤバイ奴なんだから!早く助けに行かないt────あいたたた」

 

ディノビーモンにやられた傷が痛むのか、ライラモンはその場で蹲ってしまう。

 

チビモン「ユーナ」

 

ミノモン「ユーちゃん」

 

友奈「うん。わかってる!」

 

三人が視線を交わし合い、頷き合う。

 

友奈「そのちゃん、お願いしても良い?」

 

園子「もうここまで来たら、タクシー屋さんに徹底してあげるんよ~~!」

 

ドルグレモン「この面子で飛行できるの、僕だけだからね」

 

美森「なら、私はこの子をなんとかしてから行くわ。そのっち、友奈ちゃんのこと・・・・」

 

園子「任せて~♪」

 

友奈「先に行ってるね、東郷さん」

 

美森「私も、後から絶対行くからね!」

 

タオモン「ここからだと、球子殿のキャンプ地が近いな・・・・そこへ運ぼう」

 

ライラモン「うぅ・・・・樹ぃ・・・・私が戻るまで、死ぬんじゃないわよ・・・・・」

 

美森「風先輩が着いているから、その心配は無いと思うわ」

 

会話をしながら、東郷たちは歩きだした。

 

園子「じゃ、ゆーゆ。こっちも行こう!」

 

友奈「うん!」

 

チビモン→ブイモン「オレ達ならやれる!!」

 

ミノモン→ワームモン「ユーちゃんが一緒なら!!」

 

友奈「うん、一緒に行こう!!」

 

 

 

 

 

そうして、友奈たちはドルグレモンに乗って、戦場へと向かったのだった………




─次回予告─

ミレニアモンを圧していく友奈とパイルドラモン。
しかし、圧倒的過ぎるミレニアモンのパワーは、それだけでは覆せない。
完全に膠着状態に陥ったその時、ひなたと杏による『対ミレニアモン用兵器』が作動する!

次回『発動!封印の儀』

今、新たな冒険の扉が開かれる………

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