結城友奈はテイマーである   作:渚のグレイズ

116 / 336
ゆゆテ!


第二章も、これを含めてあと二回といったところ。
重要な伏線がもりもり盛りだくさんなので、どうぞよろしく!


六八話 戦いの結末。そして……… -中編-

ブラックアウトした視界が正常に戻った時、友奈たちは見知らぬ場所にいた。

 

Mグラウモン「なにここ?どこー?」

 

芽吹「ここ・・・・まさか、あの地下施設!?破壊されたはずでは!?」

 

樹「と言うか、皆さんどこにいるんですか?声だけ聞こえてくるのに姿が見えないんですけど・・・?」ぷにぷに

 

夏凛「ひゃう!?い・・・・いいい樹!!変なとこ触らないでっ!!!」

 

樹「え?夏凛さん?そこに居るんですか?」さわさわ

 

夏凛「い!る!か!ら!!だからもう触るなぁ~~!!!」

 

夏凛に怒鳴られたので、動かしていた手を止める。

いったい何を触っていたのだろう・・・・

自身の手を見ようとした樹だったが、どういう訳か、全く何も見えない。

 

園子「う~ん・・・・・ねえドルるん、どう思う?」ぺしぺし

 

ドルグレモン「ふむ・・・・恐らくだが、僕らは何かの映像を見せられている様だね」

 

園子「映像?」さわさわ

 

ドルグレモン「此方の視覚にクラックし、直接映像を見せているのだろう・・・・なにか、大事なことでも伝えようとしているのかもしれない」

 

園子「なるほど・・・・だから、ドルるんの姿も見えない・・・・」もふっもふもふっ

 

ドルグレモン「──────さっきから何をしているんだい?僕の背中を叩いたり、モフったりして・・・」

 

園子「おお~~・・・やっぱりドルるんの背中、もっふもふなんよ~~♪見えないけど」

 

ドルグレモン「モフるのは構わないが、寝ないでくれよ?」

 

園子「zzz………zzz………」

 

ドルグレモン「なんと早い」

 

そんな事をしていると、映像に変化が訪れた。

目の前に表れたのは、ヴァンデモンとナノモンだった。

 

夏凛「ナノモン!?なんで生きて────あ、そうか。映像なんだっけ」

 

両者共、此方を見上げてなにかを話している。

 

ヴァンデモン『・・・・して、ナノモンよ。話とは?』

 

ナノモン『ヴァンデモン。貴方は()()()()()()()()()()()だと聞いた』

 

ヴァンデモン『ほう・・・!それで?よもやその真偽を確かめるだけとは言うまい?』

 

ナノモン『デスメラモンは、我々が進化出来ない理由を"センター・ツリー"だと言っているが・・・・ワタシは違う。もっと根源的な・・・・我々の始まりに由来するものだと、ワタシは考えている』

 

ヴァンデモン『─────それで?』

 

ナノモン『ヴァンデモン。貴方のデータを提供して欲しい』

 

ヴァンデモン『──────────』

 

ナノモン『貴方のデータと我々のデータを比較し、ワタシの考察を裏付けるものが得られたのなら・・・・』

 

ヴァンデモン『断る』

 

ナノモン『な・・・・!?何故!?』

 

ヴァンデモン『貴様が我輩のデータを得たとして、それで何が理解できる?()()()()()()()()()()()()()()()・・・』

 

ナノモン『──────なんだと?』

 

ヴァンデモン『()()()()()()()()()()()()()()()()()()。そう言っている』

 

ナノモン『ど・・・・どういう事なのだ!?』

 

ヴァンデモン『──────』

 

ヴァンデモンはナノモンの質問には答えず、何処かへ立ち去ってしまった。

 

ナノモン『待て、ヴァンデモン!ワタシの質問に答えろ!!ヴァンデモォォォォォォォォォォォォン!!!!!!』

 

映像はそこで一旦途切れ、別の場所に移る。

 

美森「────ここは」

 

園子「ゆーゆが結晶体になってた場所・・・・」

 

ナノモン『─────あのデジモンが完成すれば、ワタシは、この世界の始まりの時に至る事が出来る』

 

芽吹「始まりの時・・・?」

 

ナノモン『ワタシの可愛いデルタモンよ・・・・お前には、ワタシの夢を託したいのだ』

 

歌野「ドリーム?」

 

ナノモン『ワタシは知りたい。何故、我々は進化出来ないのか。いったい何故、センター・ツリー等という物が存在しているのか・・・・』

 

ナノモン『過去に・・・・この世界が造られた時代へと遡ることが出来たなら、きっと・・・・ワタシは・・・・!!』

 

そこで再び映像は途切れ、視界が完全に元に戻った。

 

Pドラモン「・・・・・今のは」

 

友奈「ナノモンの・・・・ううん。"彼"の記憶」

 

"彼"───即ち、ミレニアモンから出てきた結晶体は、友奈の指摘に応えるように、中に潜む影を揺らめかせる。

 

???『そうだ。今のはワタシが持つ最初の記憶と、二番目の記憶』

 

棗「誰だっ!?」

 

結晶体の影は、笑うように蠢く。

 

Mミレニアモン『我が名はムーンミレニアモン。ワタシは、我が産みの親たるナノモンの命に従い、過去へと跳躍する』

 

Mミレニアモン『しかし、その為にはエネルギーが足りぬ・・・・・よって、お前たち全てを取り込む事にした』

 

Mミレニアモン『総ては、我らの見果てぬ夢の為に・・・!』

 

一頻り語ったムーンミレニアモンから、暗黒の波動が放たれる。

その波動に当たった者たちは、どんどん力が抜けていった。

 

デュラモン→ズバイガーモン「ぬおお・・・!オレの力がぁぁ──────」

 

Sハックモン→バオハックモン「ぐっ・・・・このままじゃ・・・・!?」

 

Mグラウモン→グラウモン「うぇぇ・・・・気持ち悪ーい・・・・」

 

そしてそれは、デジモン達だけでなく───

 

風「な・・・なんで、私たちの力まで・・・!?」

 

夏凛「私の剣が・・・・!?」

 

芽吹「そんな・・・・これじゃあ戦えない!!」

 

Mミレニアモン『ハハハハ。さあ!"始まりの時"へ!!』

 

 

 

 

 

???「そのような美しく無い所業────流石に見過ごせ無いな」

 

 

 

 

 

バギンッ!!

突如として、ムーンミレニアモンの結晶体にヒビが入った。

それにより、ムーンミレニアモンから迸る暗黒の波動は止まった。

デジモン達のほとんどは、成長期まで退化してしまったが、どうにか無事だ。

 

銀「助かったぁ──────けど、いったい、何が起きたんだ?」

 

ムーンミレニアモンの方を見れば、そこには、金属光沢の輝きが目映い、パールピンク色の鎧を纏ったデジモンが居た。

 

ロードナイトモン「我が名はロードナイトモン。異端なるウイルス種でありながら、ロイヤルナイツが一騎にして、ナイトモン達の長である!!」

 

右腕のパイルバンカーをムーンミレニアモンから引き抜きながら、ロードナイトモンは高々と名乗りを挙げるのだった。

 




ゆゆテ!

実はここで登場させるつもりは、全く無かったロードナイトモン。
今後の展開的に、今しか登場させる場所が無さそうだったので、助っ人に来てもらいました。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。