第二章も、これを含めてあと二回といったところ。
重要な伏線がもりもり盛りだくさんなので、どうぞよろしく!
ブラックアウトした視界が正常に戻った時、友奈たちは見知らぬ場所にいた。
Mグラウモン「なにここ?どこー?」
芽吹「ここ・・・・まさか、あの地下施設!?破壊されたはずでは!?」
樹「と言うか、皆さんどこにいるんですか?声だけ聞こえてくるのに姿が見えないんですけど・・・?」ぷにぷに
夏凛「ひゃう!?い・・・・いいい樹!!変なとこ触らないでっ!!!」
樹「え?夏凛さん?そこに居るんですか?」さわさわ
夏凛「い!る!か!ら!!だからもう触るなぁ~~!!!」
夏凛に怒鳴られたので、動かしていた手を止める。
いったい何を触っていたのだろう・・・・
自身の手を見ようとした樹だったが、どういう訳か、全く何も見えない。
園子「う~ん・・・・・ねえドルるん、どう思う?」ぺしぺし
ドルグレモン「ふむ・・・・恐らくだが、僕らは何かの映像を見せられている様だね」
園子「映像?」さわさわ
ドルグレモン「此方の視覚にクラックし、直接映像を見せているのだろう・・・・なにか、大事なことでも伝えようとしているのかもしれない」
園子「なるほど・・・・だから、ドルるんの姿も見えない・・・・」もふっもふもふっ
ドルグレモン「──────さっきから何をしているんだい?僕の背中を叩いたり、モフったりして・・・」
園子「おお~~・・・やっぱりドルるんの背中、もっふもふなんよ~~♪見えないけど」
ドルグレモン「モフるのは構わないが、寝ないでくれよ?」
園子「zzz………zzz………」
ドルグレモン「なんと早い」
そんな事をしていると、映像に変化が訪れた。
目の前に表れたのは、ヴァンデモンとナノモンだった。
夏凛「ナノモン!?なんで生きて────あ、そうか。映像なんだっけ」
両者共、此方を見上げてなにかを話している。
ヴァンデモン『・・・・して、ナノモンよ。話とは?』
ナノモン『ヴァンデモン。貴方は
ヴァンデモン『ほう・・・!それで?よもやその真偽を確かめるだけとは言うまい?』
ナノモン『デスメラモンは、我々が進化出来ない理由を"センター・ツリー"だと言っているが・・・・ワタシは違う。もっと根源的な・・・・我々の始まりに由来するものだと、ワタシは考えている』
ヴァンデモン『─────それで?』
ナノモン『ヴァンデモン。貴方のデータを提供して欲しい』
ヴァンデモン『──────────』
ナノモン『貴方のデータと我々のデータを比較し、ワタシの考察を裏付けるものが得られたのなら・・・・』
ヴァンデモン『断る』
ナノモン『な・・・・!?何故!?』
ヴァンデモン『貴様が我輩のデータを得たとして、それで何が理解できる?
ナノモン『──────なんだと?』
ヴァンデモン『
ナノモン『ど・・・・どういう事なのだ!?』
ヴァンデモン『──────』
ヴァンデモンはナノモンの質問には答えず、何処かへ立ち去ってしまった。
ナノモン『待て、ヴァンデモン!ワタシの質問に答えろ!!ヴァンデモォォォォォォォォォォォォン!!!!!!』
映像はそこで一旦途切れ、別の場所に移る。
美森「────ここは」
園子「ゆーゆが結晶体になってた場所・・・・」
ナノモン『─────あのデジモンが完成すれば、ワタシは、この世界の始まりの時に至る事が出来る』
芽吹「始まりの時・・・?」
ナノモン『ワタシの可愛いデルタモンよ・・・・お前には、ワタシの夢を託したいのだ』
歌野「ドリーム?」
ナノモン『ワタシは知りたい。何故、我々は進化出来ないのか。いったい何故、センター・ツリー等という物が存在しているのか・・・・』
ナノモン『過去に・・・・この世界が造られた時代へと遡ることが出来たなら、きっと・・・・ワタシは・・・・!!』
そこで再び映像は途切れ、視界が完全に元に戻った。
Pドラモン「・・・・・今のは」
友奈「ナノモンの・・・・ううん。"彼"の記憶」
"彼"───即ち、ミレニアモンから出てきた結晶体は、友奈の指摘に応えるように、中に潜む影を揺らめかせる。
???『そうだ。今のはワタシが持つ最初の記憶と、二番目の記憶』
棗「誰だっ!?」
結晶体の影は、笑うように蠢く。
Mミレニアモン『我が名はムーンミレニアモン。ワタシは、我が産みの親たるナノモンの命に従い、過去へと跳躍する』
Mミレニアモン『しかし、その為にはエネルギーが足りぬ・・・・・よって、お前たち全てを取り込む事にした』
Mミレニアモン『総ては、我らの見果てぬ夢の為に・・・!』
一頻り語ったムーンミレニアモンから、暗黒の波動が放たれる。
その波動に当たった者たちは、どんどん力が抜けていった。
デュラモン→ズバイガーモン「ぬおお・・・!オレの力がぁぁ──────」
Sハックモン→バオハックモン「ぐっ・・・・このままじゃ・・・・!?」
Mグラウモン→グラウモン「うぇぇ・・・・気持ち悪ーい・・・・」
そしてそれは、デジモン達だけでなく───
風「な・・・なんで、私たちの力まで・・・!?」
夏凛「私の剣が・・・・!?」
芽吹「そんな・・・・これじゃあ戦えない!!」
Mミレニアモン『ハハハハ。さあ!"始まりの時"へ!!』
???「そのような美しく無い所業────流石に見過ごせ無いな」
バギンッ!!
突如として、ムーンミレニアモンの結晶体にヒビが入った。
それにより、ムーンミレニアモンから迸る暗黒の波動は止まった。
デジモン達のほとんどは、成長期まで退化してしまったが、どうにか無事だ。
銀「助かったぁ──────けど、いったい、何が起きたんだ?」
ムーンミレニアモンの方を見れば、そこには、金属光沢の輝きが目映い、パールピンク色の鎧を纏ったデジモンが居た。
ロードナイトモン「我が名はロードナイトモン。異端なるウイルス種でありながら、ロイヤルナイツが一騎にして、ナイトモン達の長である!!」
右腕のパイルバンカーをムーンミレニアモンから引き抜きながら、ロードナイトモンは高々と名乗りを挙げるのだった。
ゆゆテ!
実はここで登場させるつもりは、全く無かったロードナイトモン。
今後の展開的に、今しか登場させる場所が無さそうだったので、助っ人に来てもらいました。