今更だけど、章タイトルにもある"ボレロ"って何かと言うと、モーリス・ラヴェル氏作曲のバレエ曲のことです。デジモンアドベンチャーシリーズにとっても、無くてはならないあの曲です。
たぶん、知ってる人の方が多いとは思いますが、念のため・・・
それではどうぞ、御堪能ください。
実はあの曲が"ボレロ"という名前だと知ったのはつい最近。それを知った時、「だから夕方クインテットでボレボレ言ってたのか・・・」と、納得した小生だったのでした(笑)
そして、時は来た────
神世紀302年一月十八日。
大赦本庁では今日、神の手を離れ人類が自らの力で歩いて行く事を、再度誓う為の催し物を執り行っている。
春信「─────はぁ」
エリスモン「おっ祭り、おっ祭り~♪」
エリスモンを入れたリュックを背負い、春信は本庁に来ていた。
春信は今日は非番である為、自宅でのんびりしようと思っていたのだが・・・・
エリスモン「ねぇねぇ、春信。今日は大赦本庁ってところでお祭りがあるんだって!」
春信「・・・・・・・へぇ」
エリスモン「・・・・・・・お祭り」
春信「─────────」
エリスモン「おーまーつーりー!」
春信「────────行きたいの?」
エリスモン「行きたい!!」
春信「────────────────はぁ・・・・仕方ないなぁ」
と、そんな事があって、現在春信は本庁に来ている。
春信「のんびりしようと思っていたんだがなぁ・・・・」
エリスモン「とか言って、春信は気付いたら筋トレか資料作成しかしてないよね。たまには息抜きも必要だよ」
春信「・・・・・・・それもそうだね」
エリスモンに言われて春信は、自分が最近働き詰めだったのを思い出す。
良い機会だ。日々の疲れを癒していくのも悪くない・・・・そう思う春信だった。
―――――――――――†――――――――――
エリスモンの興味の赴くままに、屋台を買い込んでいたら、財布の中身が空になっていた。
仕方がないので、煮干しやサプリメント、それに生活費以外で減る事のない為にかなりの額が貯まっている銀行口座から、しばらくぶりにお金を下ろしていると、何やら辺りが騒がしくなってきた。
春信「なんだ?」
エリスモン「───────この、感じ・・・・!」
春信「・・・・・行ってみるか」
リュックからデジヴァイスを取り出し、頭に装着しながら、喧騒の中心へと向かう。
そこには、数人の男たちに蹴られている鉄の玉が。
男A「こいつ!!いい加減出て来やがれ!!」
男B「あれだけの口を叩いておいて!!」
男C「オンドリャア!テメエ!!勝負しやがれや!!このヤロウ!!」
春信「・・・・・なにやってんだ?あれ」
鉄の玉「クハハハハハハ!!ソンナンデ、コノ鎧が壊セルワケネーダローガー!!トウッ!!!」
突然、鉄の玉がしゃべったと思いきや、男たちを吹き飛ばしつつ変形した。
鉄の玉「コノ"シンドゥーラモン"様ノ鎧ハ、ワレワレ十二神ノ装備ノ中デモ、最モ硬イノダ!!人間如キノ蹴リデハビクトモセンワー!!クハハハハハハ!!!」
┌────────┐
│シンドゥーラモン│
└────────┘
聖鳥型デジモン
春信「・・・・あれも、デジモン?」
エリスモン「うん。シンドゥーラモンっていう、完全体のデジモンだよ」
春信「完全体・・・・確か、エリスモンよりも二段階上の世代・・・・だったか」
デジヴァイスを手に入れた春信は、直ぐにそれを解析。それにより、デジモンに関する様々な情報を獲得できたのだ。
しかし、デジヴァイス内のデータで解析出来たのはおよそ六割弱。残りはスペック不足なのか、文字化けしてしまい解析は不可能だった。
それでも解析出来た情報を元に、春信は新しい機能を造り上げたのであった。
春信「やるよ!エリスモン。ぶっつけ本番で申し訳ないけど!」
エリスモン「いいよ!バッチ来いだよ!!」
シンドゥーラモン「???」
シンドゥーラモンの前に躍り出ると、春信は自身の端末を取り出して、新しく追加したとあるアプリを立ち上げる。
春信「
ブン・・・・!と音を立て、端末からデジタル信号が迸ると、春信たちとシンドゥーラモンの周囲を包み込んでいった。
シンドゥーラモン「ナ・・・・ナンダァ!?!?」
シンドゥーラモンが気づいた時には、周囲に人影は全く存在せず、そもそも周辺の物体全てがデジタル化していたのだった。
これぞ、春信が解析した"デジタライズ及びリアライズ"に関するデータから着想を得て製作したアプリ。
その名も────
春信「『デジタライズポインター』だ!!」
エリスモン「これで思う存分闘える!行こう、春信!」
春信「ああ!進化だ、エリスモン!」
別のアプリを立ち上げた春信は、今度はエリスモンに端末を向ける。すると、端末から光が迸り、エリスモンへと降り注ぐ!
┌─────┐
│フィルモン│
└─────┘
獣人型デジモン
必殺技は、敵を針毛で串刺しにし、エネルギーを流し込みデータを破壊する「ライトニングスティンガー」と、両手の爪で斬撃を途切れなく繰り出す「クリムゾンスラッシュ」だ!
シンドゥーラモン「クケ!?進化ダト!!シカーーシ!!」
フィルモン「『クリムゾンスラッシュ』!!」
両手の爪による連撃を繰り出すフィルモンだったが、シンドゥーラモンはそれを鎧の中に入ってガードする。
フィルモン「攻撃が通らない!?」
春信「隙間を狙え!『ライトニングスティンガー』だ!」
フィルモン「成る程!」
シンドゥーラモン「何度ヤッテモ無駄無駄無駄ァ!!」
フィルモンが再び攻撃してくる気配を察知して、シンドゥーラモンは鎧の中で高みの見物。しかし、その慢心こそがシンドゥーラモンの敗因となるのだった。
フィルモン「『ライトニング──────」
シンドゥーラモン「ひょ?」
フィルモンの肘の針毛が、シンドゥーラモンの鎧の隙間に突き刺さる。
シンドゥーラモンに刺さった針毛から、エネルギーがどんどん流れ込んでいき、最期には───────
シンドゥーラモン「え、ちょ、ま・・・・・・・・・・あべし!!!」
空気を入れすぎた風船の如く、パァン!と弾けてシンドゥーラモンは消滅した。
フィルモン「よし!シンドゥーラモン討ち取ったり!!」
春信「─────別にいいけど、案外エグい技だね」
苦笑いする春信と満面の笑みを浮かべるフィルモン。
安全を確認し、端末を操作して結界を解こうとした。その時だった!
バキバキバキィ!!!
突如として、空間に亀裂が走る。
フィルモン「あれ?こんな感じで解けるんだっけ?」
春信「いや違う・・・・これは!?」
亀裂はどんどん広がっていき、そして────
春信「誰かが外から、この空間を破壊しているんだ!!」
ガラスが砕け散るような音を立てて、結界は崩れさるのだった………
"四"という数字は縁起が悪いし、話が長くなりそうなので五話目を本日中に投稿予定。
お楽しみに~♪
あと、皇帝龍パラディンモード陛下お迎えできました~♪
ついでに善のケルビモンも。