「フン・・・・・・フンッ・・・・・!」
家主のいない春信宅で、筋骨粒々の大男が、ベンチプレスをしている。
「フンッ・・・・・フンッ!!・・・・・む?」
と、その時大男から迸るエネルギーが竜のような形を成して現れる。
エネルギーの竜は、近くに置いてあった端末を掴むと、大男にその画面を見せる。
「むぅ・・・・・春信殿からの連絡か・・・・どれ」
ベンチプレスを止め、大男は端末を操作する。
「─────────ふむ。なるほど・・・・・」
それだけ呟くと、大男は身支度を整え、直ぐ様家を出立したのだった………
友奈「と言う訳で、私は今病院まで来ていまーす」
ブイモン「誰に話しているんだ、友奈?」
春信「検査の結果が出たよ」
あの後、春信さんに連れられて大赦系列の病院に来た私たちは、身体の検査をしてもらった。
春信さんが造ったという、でぃめんしょんふぃーるど?とかいう装置で、どうして私がアストラル体(って大赦では呼んでるらしい)になっていたのか、その理由を調べるため。
春信「結論から言うと・・・・どうやら君の身体は、限りなくデジモンに近い状態になっているようだ」
友奈「えぇ!?私デジモンになっちゃったんですか!?!?」
春信「厳密に言えば、限りなく電脳体に近い身体・・・・といった感じだね。敢えて名前を付けるなら、『半電脳体』・・・・かな」
"半電脳体"・・・・なるほどー?
春信「電脳式樹海化結界装置は、指定した範囲内を電脳空間化させる装置。それに巻き込まれた君の身体がアストラル体となったのは、おそらくだが、電脳化の際に表面テクスチャが剥がされたのが理由だと推測している」
友奈「????????」
春信「───────まぁ、今すぐ身体に不調が出る訳じゃないから、特に気にする必要はないよ。尤も、いつまでもその常態が維持できるとは思えないがね・・・・・」
友奈「そうですかー(棒)」
ブイモン「ユーナ、全然理解してないだろ・・・・」
う゛っ!?ソンナコトナイヨー
ワームモン「なんで目反らしてんのー?」
友奈「うぅっ・・・・・だって~~・・・」
エリスモン「───────」
さっきからじーっと、エリスモンが私たちを見つめている。
友奈「・・・・・えっと、どうしたの?」
エリスモン「ねえねえ、どうしてパートナーが二体もいるの?」
友奈「え?」
エリスモン「普通、テイマー一人に対してパートナーデジモンは一体。なんだけど、友奈は二体いるね?」
友奈「・・・・・えっと、それは」
ブイモン「簡単さ。オレは元々別の奴がパートナーだった。が、訳あって今は、ユーナのパートナーデジモンになっているんだ」
友奈「ブイモン・・・・・」
エリスモン「へぇ~、よくわかんないや!」
ずこーっ!?
ワームモン「聞いといてそれは無いんじゃない!?」
エリスモン「えー?そう?」
春信「──────────────なんというか、済まない」
友奈「あー、いえ・・・・気にしないで下さい・・・・」
―――――――――――†――――――――――
春信「さて、そっちの事情は理解できた。今から約三時間後に、島根でそんな事が起こるとは・・・・」
友奈「どうにか島根のみんなと連絡できないんですか?」
春信「──────止めておいた方が良い」
友奈「え?どうして・・・・」
春信「"タイムパラドックス"、という言葉を知ってるかい?」
友奈「タイムパラドックス・・・・」
聞いたことならあるけど・・・・なんだっけ?
春信「『何らかの方法で過去を改竄した結果、未来が変わってしまう』、という奴だ」
友奈「・・・・・つまり、今、島根のみんなに連絡したら」
春信「君はここに居ないかも知れない。もっと言えば、君たちがデジタルワールドに行った事も無かったことになるかも知れない」
ワームモン「えぇ!じゃ、僕らゆーちゃんに会えなくなっちゃうのー!?」
ブイモン「それどころか、"会った"という事実さえ消えてしまうかも知れないってわけか・・・・」
春信「ま、そういう事だ。だから向こうと連絡を取ろうとするのは、あまりオススメできない」
友奈「・・・・・・分かりました」
と、その時だった。
バァーーーーーーーン!!!!!!
???「春信殿ォ!!来てやったぞ!!!」
友奈「ぅぴゃあぁ!?!?」
突然、病院の待合室の扉が勢い良く開かれ、筋肉モリモリマッチョマンなおじさんが現れた!?
春信「・・・・・・・病院では静かにして下さい。前にも言ったはずですよ?」
???「む、そうであったな。失敬失敬!」
おじさんはがっはっはっ!と大笑い。
えーと・・・・誰?
ブイモン「───────な、なんでここに?」
???「────フフ、気配こそ弱々しくなった物だが、久しいなアルフォースブイドラモンよ」
え?ブイモンの知り合い?
ブイモン「───────────ガンクゥモン」
友奈「ガンクゥモンって・・・・ハックモンの師匠の!?」
意外な場所で、私は意外な人(?)と出会ったのでした。
─次回予告─
ワシが刓空者流師範代!ガンクゥモンである!!
久々に会った戦友が、よもや彼処まで弱体化しておるとはな・・・・・
しかし!!ワシが来たからには嘗てのような立派なロイヤルナイツに─────なに?必要ない?
次回!『ワシが刓空者流師範代、ガンクゥモンである!!』
今!新たなる冒険の扉を抉じ開ける!!