結城友奈はテイマーである   作:渚のグレイズ

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ボレロ・DE・8/1計画最終回!

最早語る言葉はありません。

どうぞ、御堪能ください!


EX.五話 激闘-のりこえるべきはじぶん-

結界が砕けた後には、半壊した大赦本庁しか残っていなかった。

 

春信「な・・・・・に?」

 

フィルモン「これは・・・・いったい何が!?」

 

 

 

 

 

ブモォォーーーーーーーーーー!!!!!!

 

 

 

 

 

その時、困惑する春信たちの背後から、けたたましい鳴き声が聞こえてきた。

振り返れば、そこには巨大な猪。

 

???「ふん!シンドゥーラモンを倒したか・・・・・大した奴だな」

 

猪の上から声が聞こえて来た。見れば、そこには犬のような姿のデジモン。

 

春信「!?お前か!本庁をこんなにしたのは!!」

 

フィルモン「・・・・・その姿。チャツラモンだな?」

 

チャツラモン「ほう・・・・人間界で産まれたにしては、詳しいな・・・・・その通りだ!!」

 

┌──────┐

チャツラモン

└──────┘

聖獣型デジモン

十二神(デーヴァ)デジモン」の1体で、狗に似た姿の完全体デジモン。四聖獣デジモンであるバイフーモンの配下で、同じ配下のマクラモンとシンドゥーラモンを弟のように思い面倒を見ている(二人は、それほど恩義に感じてはいない様子)。正義感が強く、何事も白黒ハッキリさせないと気が済まない。仲間の争いごとの際は、議長、裁判長を務める事があり、自らを巨大な鎚である宝鎚(パオツェイ)に変化させ、有罪無罪の判決を下す。必殺技は宝鎚で地面を打つことによって衝撃波を伴う大地震を起こす『シュヴァボージャナ』だ!

 

 

ブモォォォォォ!!!ブモォォーーーーーーーーーー!!!!!!

 

チャツラモン「そして御奴はヴィカラーラモン。我らはデジタルワールドを守護せし四聖獣の忠実なる僕、『十二神(デーヴァ)』也!!」

 

┌────────┐

ヴィカラーラモン

└────────┘

聖獣型デジモン

十二神(デーヴァ)デジモン」の1体で、猪に似た姿の完全体デジモン。四聖獣デジモンであるシェンウーモンの配下で、いつもニヤニヤ笑いを絶やさずに物事を外から眺めている傍観者タイプ。目を開いたまま眠るのが特技だが、強烈ないびきと歯ぎしりで眠っているのが、すぐばれてしまう。口から吐く光の輪は宝輪(パオラン)と呼ばれ、その色によって効能が違い、青の宝輪は敵を捕らえる、黄の宝輪は円盤状になって物を乗せることができる、緑の宝輪をくぐると一瞬にして傷がいやされる等、様々なバリエーションがある。必殺技は赤の宝輪で敵をぶちぬく『スーカラ』

 

 

チャツラモンが高らかに名乗りをあげる。

 

春信「なぜこんな事を!!お前たちの目的は何だ!!破壊なのか!?」

 

チャツラモン「いやいや、そんなモノには興味は無い。我らの目的は只一つ!我らのデジタルワールドを救う為の希望の光。それを探し、持ち帰る事だ!!」

 

フィルモン「それとこの有り様に何の関係がある!!」

 

ヴィカラーラモンから降りたチャツラモンが、真面目に答える。

 

チャツラモン「我らが此処に到着したのは、つい今しがた。その時、人間共は我らを見て何と言ったと思う?」

 

春信「・・・・・・え?」

 

チャツラモン「バケモノ。彼奴等はそう叫び、我らに武器を向けたのだ。故に我らは抵抗した。まあ当然の報いだな」

 

フィルモン「─────そんな」

 

春信「・・・・・・・だとしても、これはやり過ぎだ。それに、そんな巨体でこんな場所に来たら、誰だって驚くに決まっているだろう!」

 

チャツラモン「そんな人間共の道理は知らん」

 

フィルモン「勝手な事を言う!」

 

フィルモンは激怒した。

かの邪恥暴虐なデジモンたちを、なんとしても倒さねばならぬと決意した。

 

フィルモン「喰らえ!『クリムゾンスラッシュ』!!」

 

 

ブモォォーーーーーーーーーー!!!!!!

 

しかし、ヴィカラーラモンには傷一つ付けられない。

 

フィルモン「そん─────がはっ!?」

 

チャツラモン「トロいな。それでよくシンドゥーラモンを倒せたものよ・・・尤も、彼奴はよく敵を侮り過ぎる。油断したその隙を狙われて───というのが話のオチであろうよ」

 

フィルモンに向けてチャツラモンが攻撃する。小突くかのような軽い一撃。馬鹿にされたように感じたフィルモンは更に激怒する。

 

フィルモン「ぬうううううう!!!!!!」

 

春信「フィルモン落ち着け!冷静に対処するんだ!!」

 

フィルモン「春信・・・・・・・ああ、分かった!」

 

チャツラモン「ほう・・・・」

 

春信の一言にフィルモンがすぐに落ち着いたのを見て、チャツラモンは認識を改める。『シンドゥーラモンが敗北したのも無理は無い』、と。

 

チャツラモン「ヴィカラーラモン。全力で挑むぞ。それだけの力量があると見た!」

 

ブモォォーーーーーーーーーー!!!!!!

 

ヴィカラーラモンの口から赤い宝輪が吐き出される。

 

フィルモン「不味い!春信逃げろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 

 

 

 

 

カッ

 

 

 

 

 

咆哮のような紅い閃光が迸り、ヴィカラーラモンの正面に位置していた瓦礫は一瞬にして消滅した。

 

春信「はあ・・・・はあ・・・・なん・・・だ、あれは」

 

フィルモン「春信!平気か!?」

 

春信「なんとかな・・・・・」

 

フィルモンの警告がもう一手遅ければ、回避は間に合わなかったかも知れない。そう思うと、春信は冷や汗が止まらなかった。

 

フィルモン「────────」

 

春信「しかし、僕たちなら・・・・・勝てない相手じゃないな」

 

フィルモン「!?・・・春信は、怖くないのか?」

 

春信「怖いよ。でも、僕にはフィルモンが・・・・相棒がついてる。だから平気さ!」

 

フィルモン「春信・・・・・ありがとう!」

 

二人は立ち上がり、チャツラモンとヴィカラーラモンに向かって対峙する。

 

春信「行くぞ!フィルモン!!」

 

フィルモン「ああ!」

 

 

 

HYPEREVOLUTION

 

 

フィルモン超進化───

 

 

 

 

 

スティフィルモン!!!

 

 

 

┌────────┐

スティフィルモン

└────────┘

獣人型デジモン

フィルモンの中でも、針毛を極限にまで鍛えた一部の者しか到達できない完全体デジモン。全身の毛の硬度はレッドデジゾイドに匹敵するとも言われ、身を守る盾であると同時に無類の攻撃力を誇る矛になっている。両手の『ハリケンナックル』も、抜け落ちた自身の毛を超高密度に圧縮した自慢の武器だ。ライバル視しているワーガルルモンといつか手合わせする日を夢見て日々精進している。必殺技は、高速できりもみ回転しながら突進し、逆立てた針毛とハリケンナックルで敵を滅多斬りにする「ギガクリムゾンダイブ」と、全身からドリル状の赤い槍を伸ばし複数の敵を一気に殲滅する「ヴァーミリオンボルテックス」だ!

 

 

チャツラモン「なんだと!?」

 

スティフィルモン「ハァァァァ!!!」

 

素早い動きでチャツラモンの目を撹乱しつつ、ヴィカラーラモンの懐に入り込む。

 

スティフィルモン「『ヴァーミリオンボルテックス』!!」

 

ブモォォォォァァァァァァァァァ!?!?!?!?!?

 

全身を串刺しにされて、ヴィカラーラモンは消滅した。

ビル並みの巨体に無数の針を槍のようにして突き刺されれば、いくら十二神と言えど只では済まない。

 

チャツラモン「むむむ・・・・これ程とは──────まさか!?」

 

春信「余所見とは余裕だな」

 

チャツラモン「!?しま────」

 

スティフィルモン「『ギガァ、クリムゾン・・・・ダァァァァァァァァァイブ』!!!!!!」

 

チャツラモン「ぬぁぁ!!馬鹿な・・・・馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?」

 

渾身の『ギガクリムゾンダイブ』がチャツラモンに直撃し、断末魔を残してチャツラモンは消滅した。

 

春信「はは、あっけないなあ。十二神とやらも大したことないじゃないか」

 

スティフィルモン「おいおい、調子に乗ってると足下を掬われるゼ?」

 

春信「おっと、一本取られたか」

 

二人の笑い声が、半壊した本庁に響きわたる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の事件の被害は、主に建物等だけで、怪我人や重傷者等は居たものの、死者は居なかった。

後にこの事件は『本庁爆破テロ事件』として、取り沙汰される事となったが、それも一時のみであった。

 

 

 

 

 

そして、神世紀303年。運命が動きだす………




以上!ボレロ・DE・8/1計画終わりっ!!

春信さんとエリスモンペアが、今後本編に絡むかどうかはまったくの不明。
でも、ここまでやったからには絡ませたいなあ。


ちなみにの話、今回の章は『劇場版デジモンアドベンチャー』を見てて思い付いた話。勿論、アニメの一日前にやってた前日譚の方。
パロットモン。成熟期に負ける完全体の面汚しめ・・・(愉悦)
あんなんでも完全体なんですよねえ。

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