結城友奈はテイマーである   作:渚のグレイズ

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くめゆのドラマCD聞いたら書きたくなったので、とりあえずで序章を書いてみました。
まだほとんど決まってないんですけどね。
何も考えず、つらつらと見てって下さればありがたいです。


デジモンの応募はまだまだ受け付けておりますので、どしどしご応募下さい!


序章 -まるで孵化前の卵のように-
あるいはそれが事のはじまり


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神世紀303年 7月某日

 

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 「ここが・・・島根・・・」

 

 かつては人が住んでいたであろう、家々の残骸を横目に、私はこの辺り一帯の調査を始める。

 

 天の神との戦いが終わって二年の月日が流れた。

 

 私たち防人もそのお役目を終え、日常へと帰る・・・予定だった。

 

 しかし、私はこのまま帰るつもりはなかった。

 

 世界は未だ混沌の中。今までよすがとしていた神樹様はもういない。これからは、自分たちの足で歩いて行かなくてはならないんだ。

 

 だから何か、自分にできることをしたかった。

 

 仮面を外し、右目に眼帯をした、元防人達のお目付け役の女性神官にその事を話したら、「丁度良い任務がある」と言われ、この壁外調査隊を紹介された。

 

 話を聞いた時、正直、私にぴったりだと思った。

 

 だから、私はこうして壁の外の世界にいる。の、だが・・・

 

 「メブーメブー。ほんとにこの道で合ってるんだよね!?大丈夫だよね!?」

 

 「雀先輩。大丈夫ですよ。芽吹先輩を信じましょう」

 

 「・・・・・・雀は良いとして、なんで亜弥ちゃんまでいるのよ」

 

 「ひどいよメブー!私は良いってなんでよー!」

 

 「大丈夫?亜弥ちゃん。キャンプ地点で待っててもよかったのに・・・」

 

 「私のことを心配して下さって、ありがとうございます。ですが、大丈夫です!この二年で私もだいぶ力がついてきたので!」

 

 ふんす!と力こぶを作って見せる亜弥ちゃん。(ぜんぜんできてないけど)

 亜弥ちゃんと私たち防人は、この二年間、被災した人々たちと共に復興作業に取りかかっていた。

 そういう経験もあって、この壁外調査隊に志願した訳だが、何故か亜弥ちゃんもついてきた。

 雀に関してはいつも通り。というか、以前より私に泣きつく頻度が増えた気がする。

 

 「もう私はメブがいないと生きていけないんだよぉぉぉぉぉ!!」

 

 壁外調査隊に志願した時もそう言って私に泣きついてきた。公衆の面前で。

 それに対して亜弥ちゃんは、「バーテックスと戦うわけではありませんし、何より、みなさんのお手伝いができることが嬉しいんです!」と言っていた。

 

 「亜弥ちゃんの意思は尊重するわ。でも何かあったらいけないから、ちゃんと私について来てね」

 

 「はいっ!」

 

 「わぁすごーい。ものの見事に無視だぁ」

 

 と、その時、私のすぐ側の茂みでガサガサと何かが動く音がした。

 

 「ひぇっ!何何何!?何なのトラなの!?ライオンなの!?それとも新種の危険生物!?」

 

 「落ち着いて!!雀は亜弥ちゃんの護衛!何があっても対応できるように!」

 

 「芽吹先輩!あれ!」

 

 亜弥ちゃんの声に咄嗟に振り向いて身構える。先ほど物音がした茂みとは別の方向から、何か白い生き物(?)が現れたのだった。

 

 「クルぅ・・・なんとか逃げきれたクル?」

 

 「な・・・・・・」

 

 「ほわぁ・・・・・・」

 

 「し・・・しししししゃべったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!メブ!メブー!しゃべったよ!今、この白いの!しゃべったよね!メブも聞いたよね!ね!」

 

 確かに聞いた。あと雀うるさい。なんだ、この生物は?バーテックスとも違うようだけど・・・

 

 「クル!?人間だクル!捕まったら食べられちゃうでクルー!」

 

 「うえぇぇぇぇ!?食べないよ!むしろそっちが食べる側じゃあ!?」

 

 「クルモンは人間なんて食べないクル!失礼しちゃうでクル!」

 

 「クルモンさん、とおっしゃるのですね。私は国土亜弥です。よろしくお願いします。クルモンさん!」

 

 雀と白い生物が漫才をやってる間に、亜弥ちゃんがそいつに近付いていった。

 

 「注意して亜弥ちゃん!」

 

 声をかける。けど、止めようとはしない。無論、何が起きても対応できるように警戒は怠らないが。

 

 「!!クルっ!」

 

 「ああっ。逃げられてしまいました・・・・・・」

 

 白い生物は近付いてきた亜弥ちゃんに驚き、逃げてしまった。が、物陰からこちらを伺っている。アイツはうまく隠れているつもりだろうが、私からは丸見えだ。

 

 「亜弥ちゃん・・・あそこ・・・」

 

 悟られないよう、小声で亜弥ちゃんにアイツの居場所を伝える。すると、亜弥ちゃんは顔をほころばせ、手招きしだした。

 

 「だいじょうぶですよ~。こわくな~い、こわくな~い」

 

 「・・・・・・クルぅ?」

 

 両手を広げ、笑顔でおいでおいでする亜弥ちゃんはとてもかわいい。その上、これを受けて寄って来なかった猫は一匹もいないくらいの威力がある。

 

 「・・・・・・クルモン、いぢめない?」

 

 「そんなかわいそうなことはしません」

 

 亜弥ちゃんに笑顔でそんなことを言われては、きっとテロリストでさえ投降するだろう。この笑顔には、それだけの力がある。

 

 「メブって、あややのこと好き過ぎる気がする」

 

 「雀、帰ったら特別メニューの訓練よ」

 

 「ひどい!」

 

 「・・・・・・・・・クルっ♪」

 

 「えへへ、よしよし」

 

 どうやら今回も亜弥ちゃんの勝利らしい。むしろ亜弥ちゃんが負けることがあるのだろうか。いや、ない。

 

 「芽吹先輩、雀先輩。この子、どうしましょうか」

 

 「とりあえず報告ね。対応はそのあとで」

 

 「クルぅ・・・」

 

 「だいじょうぶですよ。あなたは私たちがちゃんとお友達のところに返してあげます」

 

 「というか、君は何なの?」

 

 「クルモンはクルモンでクル!」

 

 「いや名前を聞いているんじゃなくて」

 

 「デジモンを知らないでクルか?」

 

 「「でじもん?」」

 

 と、その時だった。

 

 「ミツケタゾ、ワレラノキボウ」

 

 「え?」

 

 「クルっ!」

 

 黒い影が先ほどの茂みから現れ、亜弥ちゃんを・・・違う、()()()()()()()白い生物を連れ去った!

 

 「亜弥ちゃん!」

 

 「あああ!大変だよメブー!あややが拐われた!」

 

 「見ればわかる!追うわよ!」

 

 パニックに陥った雀を一喝し、影を追いかける。

 

 「まってよメブ!おいてかないで!私を一人にしないで!じゃないと死んじゃう!私、死んじゃうからぁぁぁぁ!」

 

 こんなところで死なないでしょ・・・。と心で突っ込みながらも、私と雀で影を追う。

 

 元人里を離れ、木々がうっそうと茂った森の中へ突入する。

 

 突入した、と思った。

 

 「え?何!?なんで私浮いてるの!というかここどこ!?」

 

 「こ・・・れは・・・!?」

 

 森に入った瞬間、唐突に視界がねじれ、身体が重力を無視して浮かんでいった。何かが起きている。それだけはわかったが、どうすることもできない。

 

 

 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!メブー!!助けてメーブー!!」

 

 

 遠退く意識の最中、最後に聞こえたのは、雀の泣き叫ぶ声だった。

 

 




亜弥ちゃんは天使。異論なんてないよね♪
そんな天使な亜弥ちゃんとクルモンが合わさることで、もはや七大魔王も陳謝するレベルのアークエンジェルが爆☆誕するのですよ!




とまぁ、こんな感じで気が向いたら更新していこうかなぁ、と思っております。

本格的に本編をやるのは、八月一日から。
それまではこうやって序章とか、設定とかを気ままに投稿していく予定です。

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