結城友奈はテイマーである   作:渚のグレイズ

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ゆゆゆい十二話に出てきた彼女が衝撃的過ぎて、思わず衝動書き。

でも出てくるのはほんのちょっち。ゴメンしてね?


白銀の魂はここに在り

「これが!人間サマの!!“たましい“ってやつよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 手にした斧で目の前の敵を果敢に攻める。

 

 右腕の感覚は既に無く、自分の意識すらも薄れつつある。

 

 それでも、アタシは闘い続けた。

 

 何のために?決まっている。

 

 

 “護るために“だ・・・

 

 

 やがて、三体の敵がいなくなると、アタシの意識はついに途切れた。

 

 「(ダメだ、みんなのところに、帰らないと、いけない、のに・・・)」

 

 身体の感覚が消えていく中、最後に思ったのは二人の親友と、家族のことだった。

 

 

 

______________/\/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

???

 

 

 ̄ ̄ ̄\/\________________

 

「んぅ・・・あれ?ここは・・・」

 

気が付くとアタシは全く知らない場所に寝ていた。

樹海の中でも、香川のどこかでもない、フシギな場所。

上を見れば、テレビで見てるみたいな感じのする青い空と白い雲。

辺りを見れば、木々の間に電信柱や信号機が生えている。

地面はコンクリートで固められていなくて、生き物が踏み固めた地面そのもの。

 

「なんなんだ、ここ」

 

困惑していると、突然、遠くから声が聞こえてきた。

誰かいるのだろうか。声のした方に向かおうとしてアタシはようやく気づいた。

 

 

自分の右腕が、元に戻っていることに。

 

 

それどころか、あれだけ負っていたダメージも全快していた。

 

「いつの間に?」

 

疑問は尽きないけど、今はともかく人に会いたかったから、声がした方に向かって歩き出した。

 

―――――――――――†――――――――――

 

 

「ここは今からこの俺様のナワバリ(シマ)だぁ!」

 

「なにあれ・・・・・・」

 

たどり着いた先にいたのは、黄色い恐竜だった。

人の姿はどこにもない。

恐竜の周りにはイモ虫みたいなのとか、鳥みたいな生き物とか、どっからどうみても岩な奴とか、ともかく見たことのない生き物たちが倒れている。

 

「なんというか、昔近所にいたガキ大将みたいだなぁ」

 

「だれだあ!そこにいるのは!」

 

おっと、どうやら見つかったみたい。

ここはおとなしく出ていって様子を見るとしよう。

 

「アタシだ!」ババーン!

 

カッコいいポーズをとって恐竜の前に出る。

 

「に・・・ニンゲンだとお!」

 

アタシの姿を見た恐竜はなぜかすごいびっくりしていた。

 

「うわあ!ニンゲンだあ!」

 

「逃げよう!早く早く~!」

 

「うわあん!まってよ~!」

 

さっきまでそこに倒れていた生き物たちもアタシを見て、はしって逃げていってしまった。

 

「・・・えーっと、なんだかよくわかんないけど、弱いものイジメなんてやめなよ、カッコ悪ィ」

 

「なんだと!ニンゲンのクセにナマイキなやつ!」

 

アタシが注意すると、恐竜はぷりぷり怒りだした。

 

「お前なんかこうだ!『ベビーフレイム』!」

 

「うおっ!あぶなっ!」

 

突然恐竜が口から炎を吐き出して攻撃してきたので、さすがのアタシもびっくりだ。バーテックスの攻撃よりは小さくて避け易かったのであっさり避けたけど。

 

「お・・・俺様の『ベビーフレイム』を避けた!」

 

「へへん♪この程度、屁でもないね!」

 

「ぐぬぬ・・・こうなったら・・・!」

 

今度は両手のツメで切りかかってきた。

アタシはとっさにスマホを取り出して――――

 

「あれ!?アタシの端末は!?」

 

「よそ見してんじゃねー!」

 

「うわぁ!」

 

恐竜の攻撃を転がって避ける。

なんで端末がないのかわからないけど、もうこうなったら仕方ない・・・!

 

「やってやる、勇者になれなくっても!」

 

「やるじゃねーか、ニンゲンのクセに!」

 

「あったり前だ!勇者をなめんな!」

 

「おもしれえやつだ!気に入った!ここから先はオトコ同士のタイマン勝負だ!」

 

「おと・・・!アタシは女の子だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

こうして、アタシと恐竜のガチンコバトルが幕を開けたのだった。

 

―――――――――――†――――――――――

 

「ぜはー・・・ぜはー・・・」

 

「ひぃー・・・ひぃー・・・」

 

アタシと恐竜の殴り合いは夕方まで続いた。

どっちも疲れ果てて動けない。

 

「はぁー・・・はぁー・・・オレの負けだあ・・・」

 

「ひぃー・・・ひぃー・・・なぁに言ってんだ。引き分けだろ、誰がどうみても」

 

「いいや、オレの負けだよ。あんた、ニンゲンのクセにやるなあ!」

 

恐竜が体を起こしてそんなことを言った。

 

「へへっ、なんたって勇者だからな!」

 

「ゆーしゃってなんだ?うまいのか?」

 

そんなのんきな発言にアタシは思わずズッコケた。

 

「オレ、アグモン。これからよろしくな!アネキ!」

 

「アタシは三ノ輪 銀!・・・って、アネキ?」

 

「ギンのアネキはオレにタイマンで勝った!それにニンゲンなのにオレの必殺技を見ても全然驚かなかった!そんなオトコ気溢れるアネキに惚れたから、今日からオレはアネキの子分だ!」

 

「なんだか良くわかんないけど、そっか。よろしくな、アグモン!」

 

「おう!」

 

アタシと恐竜―――アグモンは夕焼けに照らされて、固く握手を交わしたのだった。

 

その時、アタシのお腹が「ぐぅぅぅ~」と鳴った。

 

「あ・・・あはは・・・そういえばなんにも食べてなかったっけ」

 

「オレも腹へったなあ~。じゃあアネキ、これからオレがいつも行ってる肉畑に招待するよ!」

 

「え、肉畑?なにそれ?」

 

アグモンに連れられて、アタシは行く。

わからないことだらけのこの世界だけど、アグモンと一緒なら、なんとかなるかもしれない。

なんとなくだけど、アタシはそう思ったのだった。

 

―――――――――――†――――――――――

 

銀がアグモンと一緒に去って行った後―――

 

「ふわ・・・あー、やっと終わったー」

 

「結局あの子、アイツのテイマーになったんだー」

 

ピピピピ・・・ピピピピ・・・

 

「ん、はぁい。―――そっかー、見つかったんだ。じゃあ彼らに――――え?言わなくていいの?」

 

「ふぅん。ゲートが閉じたままなんだー。じゃあ、仕方ないかー」

 

「うん。わかったよー。他でもない貴方の言うことだもん。従うよ」

 

「それじゃ、またねー」

 

ピッ

 

「さて、アレが向こう側に行っていた訳なんだけど・・・」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「ふふふ、ちょっと調べてみるのも、楽しいかもねー」

 

人影は、人知れず二人とは反対方向に向かって消えて行ったのだった。

 

 




謎の人影、一体何処嶺さんちの何奈ちゃんなんだ・・・

まだゆゆゆい本編にも出てきたばっかりなので、登場は少な目に。

彼女が言ったアレとは、まぁ、分かる人には分かりますよねー。

今回のお話、思い付いてから五時間程度で完成しちゃった、雑オブ雑な出来栄えですが、いかがでしたか?

感想頂けるとすごく嬉しいです。

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