ピノッキモン「・・・・ちくしょう・・・・ちくしょう!!!」
両腕を失くしたピノッキモンが、ベッドの上で憤っていた。
ピノッキモン「ピエモンがあいつをつれてったってことは、ボクよりもあいつの方が“使える”って判断したからだろ─────ふざけやがって!!!!!!」
その時、ピノッキモンの胸から
ピノッキモン「思い知らせてやる・・・・あんな旧型なんかよりも・・・・ボクの方が優秀だってこと!!!」
そのリングを、ピノッキモンは、躊躇うことなく、噛み砕いたのだった。
ピノッキモン黒「“ シ ュ バ ル ツ シ ル ト ” ボ ク た ち 、 シ ュ バ ル ツ リ ッ タ ー ズ に の み 与 え ら れ た 最 期 の 手 段」
夕海子「シュバルツシルト!?とても強そうですわね・・・・気をつけなさい、アルフレッド!」
アルフレッド「イエス、マスター!」
究極体へ進化したアルフレッドが、黒いピノッキモンへと必殺の『ゲイルクロー』を放つ。が────
ピノッキモン黒「無 駄 だ よ !」
アルフレッド「何!?」
夕海子「黒いもやもやに弾かれましたわ!?」
ダリア「黒い瘴気・・・・我々の知らない、未知の技術!?」
ピノッキモン黒「ハ ハ ハ ハ ハ ハ ! ! ! ど う だ ! ボ ク は こ ん な に も 強 い ぞ ! ! !」
両腕から出ている瘴気が、ハンマーの形状をとり、周囲をやたらめったに破壊し始める!
ピノッキモン黒「シ ュ バ ル ツ リ ッ タ ー ズ の 一 員 な ん だ ぞ !? あ ん な ぼ ろ っ ち い 試 作 品 な ん か よ り も 、 ボ ク の 方 が ず っ と す ご い ん だ ぞ ! ! !」
アルフレッド「まずい・・・・こんなにも暴れられては、手がだせない・・・・」
ダリア「オマケにあの瘴気のおかげで、こちらの攻撃は一切通用しない様子・・・・万事休す、というやつなのです」
夕海子「何か・・・・何か手があるはずです!どこかに隙が─────国土さん?」
手をこまねいていると、暴れるピノッキモンに向かって、亜耶が歩み寄ろうとしていた。
アルフレッド「危険です!戻って!!!」
ダリア「────────」
亜耶「・・・・・・」
トコモン「へいきだよ。アヤはぼくが守る」
亜耶「・・・・うん」
ピノッキモン黒「ノ コ ノ コ 出 て き て 潰 さ れ に で も 来 た の か い ! ! !」
言うや否や、瘴気のハンマーで亜耶を叩き潰した!
夕海子「国土さんっ!!!」
アルフレッド「そんな────」
誰もが亜耶は潰されたと思っていた。が────
ピノッキモン黒「・ ・ ・ ・ ?」
瘴気の中から光が溢れ出し、ピノッキモンごと、吹き飛ばしてみせた!
ピノッキモン「なっ!?うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?!?」
亜耶「・・・・・」
夕海子「国土さん・・・・良かった、ご無事ですわね!」
トコモン?「言ったでしょ?亜耶はぼくが守るって!」
ダリア「ふむ・・・・パタモンですか。進化したのですね」
┌────┐
│パタモン│
└────┘
哺乳類型デジモン
ピノッキモン「くそっ・・・くそっ・・・!なんで・・・どうして誰も認めないんだよ!!ボクは強いんだ・・・最強なんだぞ!!なのになんで・・・・なんでだよぉぉぉ!!!!!!」
倒れ伏すピノッキモンが、喚き散らして暴れる。その姿は、駄々を捏ねる子供のようだった。
亜耶「・・・・」
ピノッキモン「・・・なんだよ。もうボクには戦う力なんて残ってないよ。シュバルツシルトを使ったが最後、そのデジモンは滅びるんだ。デジタマにも還れずにさ」
ダリア「馬鹿な!?そんな事、あるはずが────」
ピノッキモン「知らないよ・・・・もう、どうでもいい・・・」
今度は不貞腐れた態度をとるピノッキモンに、亜耶が更に近寄る。
パタモン「亜耶」
亜耶「大丈夫だよ」
パタモン「・・・・うん」
そして─────
ピノッキモン「──────は?」
ピノッキモンを、優しく、抱き締めてあげた。
ピノッキモン「───────なにしてんの?」
亜耶「・・・・きみはすごいね。強くなるために、こんなに頑張って」
ピノッキモン「・・・・・」
亜耶「こんなに頑張っても、誰にも褒められないのは、さみしいよね・・・・悲しいよね・・・・」
ピノッキモン「だから・・・・なにさ。別に、あんたに認めてもらっても、嬉しく・・・なん・・・て・・・・あれ?」
ピノッキモンは、泣いていた。気付かぬうちに、大粒の涙を流していたのだ。
亜耶「これでもう、人に嫌なこと、しちゃダメだよ?」
ピノッキモン「ふん・・・そんなの、知らないよ・・・・でも、そっか」
ピノッキモンの身体が、ぼろぼろと崩れだす。もう、限界のようだった。
ピノッキモン「ボクは・・・・誰かに・・・・褒めて・・・ほし、かっ・・・た・・・・」
くしゃり、と音を立てて、ピノッキモンは崩れ去った。後に残ったのは、
ダリア「っ!?アヤ、ちょっとそこを退くのです!」
亜耶「え?は・・・はい」
夕海子「なんですの?」
ダリアが、そのリングをそっと拾いあげ、観察し始める。
ダリア「馬鹿な・・・・あり得ない・・・・本当に本物のイービルリングが存在するなんて・・・・!?」
夕海子「イービル・・・リング・・・?芽吹さんが仰っていた、デジモンを操るという、あの?」
ダリア「yes,ボクも半信半疑でしたが・・・・これは間違いなく、本物です。あの時のは、良く似た別の何かかと思ってましたが・・・・」
アルフレッド「それが・・・シュバルツシルトの正体・・・?」
ダリア「解析してみないことには、何とも」
夕海子「では早速、調べてみましょう!」
─次回予告─
入手したイービルリングを解析した結果、恐ろしい事実が判明した。
このことを伝えるべく、亜耶は現実世界へと帰還する。
一方その頃、友奈は────
次回『境界での邂逅』
今、新たな冒険の扉が開かれる………