結城友奈はテイマーである   作:渚のグレイズ

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数分前


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ピノッキモン「・・・・ちくしょう・・・・ちくしょう!!!」

両腕を失くしたピノッキモンが、ベッドの上で憤っていた。

ピノッキモン「ピエモンがあいつをつれてったってことは、ボクよりもあいつの方が“使える”って判断したからだろ─────ふざけやがって!!!!!!」

その時、ピノッキモンの胸から()()()()()が現れた!

ピノッキモン「思い知らせてやる・・・・あんな旧型なんかよりも・・・・ボクの方が優秀だってこと!!!」

そのリングを、ピノッキモンは、躊躇うことなく、噛み砕いたのだった。


百十話 黒を纏う覚悟ー後編ー

ピノッキモン黒「“ シ ュ バ ル ツ シ ル ト ” ボ ク た ち 、 シ ュ バ ル ツ リ ッ タ  ー ズ に の み 与 え ら れ た 最 期 の 手 段

 

夕海子「シュバルツシルト!?とても強そうですわね・・・・気をつけなさい、アルフレッド!」

 

アルフレッド「イエス、マスター!」

 

究極体へ進化したアルフレッドが、黒いピノッキモンへと必殺の『ゲイルクロー』を放つ。が────

 

 

ピノッキモン黒「無 駄 だ よ !

 

アルフレッド「何!?」

 

夕海子「黒いもやもやに弾かれましたわ!?」

 

ダリア「黒い瘴気・・・・我々の知らない、未知の技術!?」

 

ピノッキモン黒「ハ ハ ハ ハ ハ ハ ! ! ! ど う だ ! ボ ク は こ ん な に も 強 い ぞ ! ! !

 

両腕から出ている瘴気が、ハンマーの形状をとり、周囲をやたらめったに破壊し始める!

 

ピノッキモン黒「シ ュ バ ル ツ リ ッ タ ー ズ の 一 員 な ん だ ぞ !? あ ん な ぼ ろ っ ち い 試 作 品 な ん か よ り も 、 ボ ク の 方 が ず っ と す ご い ん だ ぞ ! ! !

 

アルフレッド「まずい・・・・こんなにも暴れられては、手がだせない・・・・」

 

ダリア「オマケにあの瘴気のおかげで、こちらの攻撃は一切通用しない様子・・・・万事休す、というやつなのです」

 

夕海子「何か・・・・何か手があるはずです!どこかに隙が─────国土さん?」

 

手をこまねいていると、暴れるピノッキモンに向かって、亜耶が歩み寄ろうとしていた。

 

アルフレッド「危険です!戻って!!!」

 

ダリア「────────」

 

亜耶「・・・・・・」

 

トコモン「へいきだよ。アヤはぼくが守る」

 

亜耶「・・・・うん」

 

ピノッキモン黒「ノ コ ノ コ 出 て き て 潰 さ れ に で も 来 た の か い ! ! !

 

言うや否や、瘴気のハンマーで亜耶を叩き潰した!

 

夕海子「国土さんっ!!!」

 

アルフレッド「そんな────」

 

誰もが亜耶は潰されたと思っていた。が────

 

ピノッキモン黒「・ ・ ・ ・ ?

 

瘴気の中から光が溢れ出し、ピノッキモンごと、吹き飛ばしてみせた!

 

ピノッキモン「なっ!?うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?!?」

 

亜耶「・・・・・」

 

夕海子「国土さん・・・・良かった、ご無事ですわね!」

 

トコモン?「言ったでしょ?亜耶はぼくが守るって!」

 

ダリア「ふむ・・・・パタモンですか。進化したのですね」

 

 

┌────┐

パタモン

└────┘

哺乳類型デジモン

大きな耳が特徴的な哺乳類型デジモン。この大きな羽を使って空を飛ぶことができるが、時速1kmのスピードしか出ないため、歩いたほうが断然に早いと言われている。しかし、必死になって飛んでいる姿が可愛いので人気は高い*1。とても素直な性格で教えたことはよく守る。またパタモンはホーリーリングを身に着けなくても、秘められた聖なる力を発揮することができる、古代種デジモンの遺伝子を受け継いでいるらしい。必殺技は空気を吸い込んで一気に空気弾を吐き出す『エアショット』と大きな両耳で敵を叩く『ハネビンタ』だ!

 

ピノッキモン「くそっ・・・くそっ・・・!なんで・・・どうして誰も認めないんだよ!!ボクは強いんだ・・・最強なんだぞ!!なのになんで・・・・なんでだよぉぉぉ!!!!!!」

 

倒れ伏すピノッキモンが、喚き散らして暴れる。その姿は、駄々を捏ねる子供のようだった。

 

亜耶「・・・・」

 

ピノッキモン「・・・なんだよ。もうボクには戦う力なんて残ってないよ。シュバルツシルトを使ったが最後、そのデジモンは滅びるんだ。デジタマにも還れずにさ」

 

ダリア「馬鹿な!?そんな事、あるはずが────」

 

ピノッキモン「知らないよ・・・・もう、どうでもいい・・・」

 

今度は不貞腐れた態度をとるピノッキモンに、亜耶が更に近寄る。

 

パタモン「亜耶」

 

亜耶「大丈夫だよ」

 

パタモン「・・・・うん」

 

そして─────

 

ピノッキモン「──────は?」

 

ピノッキモンを、優しく、抱き締めてあげた。

 

ピノッキモン「───────なにしてんの?」

 

亜耶「・・・・きみはすごいね。強くなるために、こんなに頑張って」

 

ピノッキモン「・・・・・」

 

亜耶「こんなに頑張っても、誰にも褒められないのは、さみしいよね・・・・悲しいよね・・・・」

 

ピノッキモン「だから・・・・なにさ。別に、あんたに認めてもらっても、嬉しく・・・なん・・・て・・・・あれ?」

 

ピノッキモンは、泣いていた。気付かぬうちに、大粒の涙を流していたのだ。

 

亜耶「これでもう、人に嫌なこと、しちゃダメだよ?」

 

ピノッキモン「ふん・・・そんなの、知らないよ・・・・でも、そっか」

 

ピノッキモンの身体が、ぼろぼろと崩れだす。もう、限界のようだった。

 

ピノッキモン「ボクは・・・・誰かに・・・・褒めて・・・ほし、かっ・・・た・・・・」

 

くしゃり、と音を立てて、ピノッキモンは崩れ去った。後に残ったのは、()()()()()のみ。

 

ダリア「っ!?アヤ、ちょっとそこを退くのです!」

 

亜耶「え?は・・・はい」

 

夕海子「なんですの?」

 

ダリアが、そのリングをそっと拾いあげ、観察し始める。

 

ダリア「馬鹿な・・・・あり得ない・・・・本当に本物のイービルリングが存在するなんて・・・・!?」

 

夕海子「イービル・・・リング・・・?芽吹さんが仰っていた、デジモンを操るという、あの?」

 

ダリア「yes,ボクも半信半疑でしたが・・・・これは間違いなく、本物です。あの時のは、良く似た別の何かかと思ってましたが・・・・」

 

アルフレッド「それが・・・シュバルツシルトの正体・・・?」

 

ダリア「解析してみないことには、何とも」

 

夕海子「では早速、調べてみましょう!」

 

 

 

*1
本人は納得していないらしい




─次回予告─


入手したイービルリングを解析した結果、恐ろしい事実が判明した。
このことを伝えるべく、亜耶は現実世界へと帰還する。
一方その頃、友奈は────

次回『境界での邂逅』

今、新たな冒険の扉が開かれる………
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