結城友奈はテイマーである   作:渚のグレイズ

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ゆゆテ

胸糞たいむ、始まります


百十二話 きおく乃かけら

ヴァンデモン「避難所での暮らしは、質素ながらもそれなりに充足はしていた。()が町へ出向いて追加の食糧を探して持ってきていたからな」

 

しかし、と前置いて、ヴァンデモンは次のシャボン玉を割る。

 

ヴァンデモン「その日、大量の食糧を抱えて帰還した私は、見張りが居なくなっていることに気付き、急いで館内へ向かった」

 

公民館へ向かって駆けるデビモンが映し出される。

 

『アキ・・・・!無事でいてくれよ・・・・』

 

祈るように、デビモンは正面入口の扉を開ける。その先にあったものは──────

 

ヴァンデモン「正面扉を開け、フロントに入った私が見たものは、夥しい数の死体だった」

 

友奈「ひどい・・・・」

 

ブイモン「・・・・いったい、なにが」

 

『なんだ・・・?いったい何があったんだ!?』

 

ブイモンと同じ事を、デビモンも呟きつつ、慎重に、奥の大講堂へ・・・・

 

『!?!?!?ぁ・・・・え・・・・?』

 

ヴァンデモン「言い忘れていたが・・・この公民館の近くには教会があって、そこにも、避難している人々がいた。が、そこの人々は私のことを敵視していたのだ・・・・私は、いつか彼らとも分かり合えると信じ、毎日話し合いに向かっていた・・・・だが結果は、()()()()()()

 

友奈達は、何も言わない。否、言えなかった。

 

 

 

 

 

大講堂では、修道服を着た数人の男女が、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

『─────────ぁにを、している・・・・?』

 

デビモンが、絞り出すように、一言呟く。しかし、祈る修道士達には聞こえない。

 

『・・・・おや、悪魔がようやくお帰りですか?』

 

『神父・・・・』

 

修道士達の向こう、神父と呼ばれた一人の老人が、ゆっくりとデビモンの方へ振り向く。その手に持っているのは──────

 

『ぁ・・・・・ぁぁ・・・・・あ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ア・・・・キ・・・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恐怖に歪んだ、アキの、()()()()()()()()()だった。

 

『おや?おやおやおや・・・・悪魔の癖に絶望なんてするんですねぇ?ああ、そうか。せっかく貴方が手塩にかけて誑かした住民達を、我々が浄化して差し上げましたからねぇぇ・・・・』

 

狂った笑みを浮かべ、神父は嗤う。

 

ヴァンデモン「彼は元々、優しい人だった・・・ピコデビモンだった頃の私にも、良くしてくれたのだ・・・・だが、狂った。狂ってしまった・・・・バーテックスによって、数多の人々が殺されてから・・・・」

 

『・・・・・なんで、こん・・・な・・・事』

 

ヴァンデモン「彼らにも、食糧や生活用品は分け与えていた。足りなくなるようなことの無いように、均等に・・・・」

 

スティングモン「それなのに・・・・何故・・・・彼らはこんな事を・・・・?」

 

ヴァンデモン「今となっては分からん。なにせ、この後───」

 

『────────誰が悪魔だ』

 

『・・・・奇妙ですねぇ?まさか、自分は悪魔ではない、と?そう仰りたい?いいえ、貴方は悪魔ですよ・・・・力無き人々を救えるたけの力があるのに、救わず、ただ只管に飼い殺す!!そうして緩やかに滅びるのを待つだけ!!!自分が悪魔で無いと言うならば!我々に与えるべきは停滞の為の延命措置ではなく─────』

 

『お前達の方が・・・・こんな酷い事をする、お前達の方がっ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よっぽど、悪魔じゃないか!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこから先の光景は、『凄惨』の一言に尽きた。

 

神父に飛び付き、その頭を鷲掴みにしたデビモンは、脊椎と背骨ごと、頭を身体から引き抜き、握り潰した。

 

友奈「あ・・・・あぁ・・・・」

 

スティングモン「ゆーちゃんは見るな、こんなもの・・・・見ない方が良い」

 

ヴァンデモン「いいや、見てもらう。そして、知れ。これこそ、我が罪。業の所業!!」

 

ざわめく修道士達の一人を掴み上げ、その手足を切り落とす。達磨となった修道士を投げつけ、それに驚いている間に別の修道士の心臓を抉り取る。

果敢にも、デビモンに立ち向かって来た修道士は、頭を食べられ絶命した。

助けを乞う修道士は、彼らの掲げていた十字架で滅多刺しにされた。

そうして、全ての命が消えた公民館を、返り血で赤く染まったデビモンは、燃やした。

 

『アキ・・・・ごめんな・・・・守って、やれなくて・・・・・ゲンナイ・・・約束、果たせなかったよ・・・・・』

 

その時、燃え盛る公民館から、黒く輝く何かが、デビモンの元に来た。

それを手にした時、デビモンはヴァンデモンへと進化した。

 

『────────これは、アキの・・・』

 

気付けばヴァンデモンの手の中には、アキのスマホがあった。

 

『・・・“我輩”は決意した。決意したぞ!』

 

ヴァンデモン「『もう二度と、こんな悲劇は起こさせない』・・・と。理解したか?故に私は、人類を管理するのだ。統一された意志の下、人類は永久の安寧を得る・・・・これが、これこそが、()()()()!!あの日、私が守れなかった人々と、殺()()()()()()()()への!!!!!!」

 

ブイモン「・・・・ヴァンデモン、お前」

 

ヴァンデモン「同情は要らぬ。感銘も必要ない・・・・お前達はただ、私の為す事を見届けておれば良い」

 

友奈「───────それでも」

 

ヴァンデモン「・・・・」

 

友奈「それでも、私は、貴方を止める」

 

ヴァンデモン「・・・・ほぅ」

 

友奈「ブイモン、スティングモン。力を貸して」

 

ブイモン「・・・・・ああ!」

 

スティングモン「分かった」

 

 




─次回予告─

ヴァンデモンVSパイルドラモン
その戦いは、狭間の世界に“人類”の記憶を再生させる……

次回『戦いの歴史』

今、新たな冒険の扉が開かれる………
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