胸糞たいむ、始まります
ヴァンデモン「避難所での暮らしは、質素ながらもそれなりに充足はしていた。
しかし、と前置いて、ヴァンデモンは次のシャボン玉を割る。
ヴァンデモン「その日、大量の食糧を抱えて帰還した私は、見張りが居なくなっていることに気付き、急いで館内へ向かった」
公民館へ向かって駆けるデビモンが映し出される。
『アキ・・・・!無事でいてくれよ・・・・』
祈るように、デビモンは正面入口の扉を開ける。その先にあったものは──────
ヴァンデモン「正面扉を開け、フロントに入った私が見たものは、夥しい数の死体だった」
友奈「ひどい・・・・」
ブイモン「・・・・いったい、なにが」
『なんだ・・・?いったい何があったんだ!?』
ブイモンと同じ事を、デビモンも呟きつつ、慎重に、奥の大講堂へ・・・・
『!?!?!?ぁ・・・・え・・・・?』
ヴァンデモン「言い忘れていたが・・・この公民館の近くには教会があって、そこにも、避難している人々がいた。が、そこの人々は私のことを敵視していたのだ・・・・私は、いつか彼らとも分かり合えると信じ、毎日話し合いに向かっていた・・・・だが結果は、
友奈達は、何も言わない。否、言えなかった。
大講堂では、修道服を着た数人の男女が、
『─────────ぁにを、している・・・・?』
デビモンが、絞り出すように、一言呟く。しかし、祈る修道士達には聞こえない。
『・・・・おや、悪魔がようやくお帰りですか?』
『神父・・・・』
修道士達の向こう、神父と呼ばれた一人の老人が、ゆっくりとデビモンの方へ振り向く。その手に持っているのは──────
『ぁ・・・・・ぁぁ・・・・・あ』
『ア・・・・キ・・・・・』
恐怖に歪んだ、アキの、
『おや?おやおやおや・・・・悪魔の癖に絶望なんてするんですねぇ?ああ、そうか。せっかく貴方が手塩にかけて誑かした住民達を、我々が浄化して差し上げましたからねぇぇ・・・・』
狂った笑みを浮かべ、神父は嗤う。
ヴァンデモン「彼は元々、優しい人だった・・・ピコデビモンだった頃の私にも、良くしてくれたのだ・・・・だが、狂った。狂ってしまった・・・・バーテックスによって、数多の人々が殺されてから・・・・」
『・・・・・なんで、こん・・・な・・・事』
ヴァンデモン「彼らにも、食糧や生活用品は分け与えていた。足りなくなるようなことの無いように、均等に・・・・」
スティングモン「それなのに・・・・何故・・・・彼らはこんな事を・・・・?」
ヴァンデモン「今となっては分からん。なにせ、この後───」
『────────誰が悪魔だ』
『・・・・奇妙ですねぇ?まさか、自分は悪魔ではない、と?そう仰りたい?いいえ、貴方は悪魔ですよ・・・・力無き人々を救えるたけの力があるのに、救わず、ただ只管に飼い殺す!!そうして緩やかに滅びるのを待つだけ!!!自分が悪魔で無いと言うならば!我々に与えるべきは停滞の為の延命措置ではなく─────』
『お前達の方が・・・・こんな酷い事をする、お前達の方がっ!』
『よっぽど、悪魔じゃないか!!!!!!』
そこから先の光景は、『凄惨』の一言に尽きた。
神父に飛び付き、その頭を鷲掴みにしたデビモンは、脊椎と背骨ごと、頭を身体から引き抜き、握り潰した。
友奈「あ・・・・あぁ・・・・」
スティングモン「ゆーちゃんは見るな、こんなもの・・・・見ない方が良い」
ヴァンデモン「いいや、見てもらう。そして、知れ。これこそ、我が罪。業の所業!!」
ざわめく修道士達の一人を掴み上げ、その手足を切り落とす。達磨となった修道士を投げつけ、それに驚いている間に別の修道士の心臓を抉り取る。
果敢にも、デビモンに立ち向かって来た修道士は、頭を食べられ絶命した。
助けを乞う修道士は、彼らの掲げていた十字架で滅多刺しにされた。
そうして、全ての命が消えた公民館を、返り血で赤く染まったデビモンは、燃やした。
『アキ・・・・ごめんな・・・・守って、やれなくて・・・・・ゲンナイ・・・約束、果たせなかったよ・・・・・』
その時、燃え盛る公民館から、黒く輝く何かが、デビモンの元に来た。
それを手にした時、デビモンはヴァンデモンへと進化した。
『────────これは、アキの・・・』
気付けばヴァンデモンの手の中には、アキのスマホがあった。
『・・・“我輩”は決意した。決意したぞ!』
ヴァンデモン「『もう二度と、こんな悲劇は起こさせない』・・・と。理解したか?故に私は、人類を管理するのだ。統一された意志の下、人類は永久の安寧を得る・・・・これが、これこそが、
ブイモン「・・・・ヴァンデモン、お前」
ヴァンデモン「同情は要らぬ。感銘も必要ない・・・・お前達はただ、私の為す事を見届けておれば良い」
友奈「───────それでも」
ヴァンデモン「・・・・」
友奈「それでも、私は、貴方を止める」
ヴァンデモン「・・・・ほぅ」
友奈「ブイモン、スティングモン。力を貸して」
ブイモン「・・・・・ああ!」
スティングモン「分かった」
─次回予告─
ヴァンデモンVSパイルドラモン
その戦いは、狭間の世界に“人類”の記憶を再生させる……
次回『戦いの歴史』
今、新たな冒険の扉が開かれる………