結城友奈はテイマーである   作:渚のグレイズ

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ゆゆテ

いよいよ、決着


百十四話 MY FATE ー決着ー

インペリアルドラモンと友奈のコンビネーションに、ヴェノムヴァンデモンは防戦一方だった。

 

Vヴァンデモン「ええい!ちょこまかと・・・・なんだ!?」

 

Iドラモン「何だ?下から何か飛んできて────」

 

友奈「紙飛行機・・・?」

 

それは、紙飛行機。東郷の祈りをサクヤモンが具現化した物。

 

美森「あの娘達の想いを・・・・今も哭き続けている彼に!!」

 

サクヤモン「届け・・・・!」

 

友奈「あ、東郷さん!─────と、誰?」

 

Iドラモン「シャイングレイモン?となると・・・・銀とアグモンか?」

 

Vヴァンデモン「どうでもよい・・・貴様達も、邪魔伊達するならば────────」

 

 

 

 

 

『あのね、デビモン──────』

 

 

 

 

 

Vヴァンデモン「っ!?」

 

『いままで、ありがとうね』

 

Vヴァンデモン「ぁ・・・・ア・・・キ・・・・」

 

『わたしたちをまもってくれたこと、たべものをとりにあぶないところにいってくれたこと・・・ぜんぶぜんぶ、かんしゃしてるよ』

 

Vヴァンデモン「やめてくれ・・・・君に、そんな事を言ってもらう資格は・・・・もう・・・・」

 

友奈「そんなことないよ!!」

 

Vヴァンデモン「!?」

 

Iドラモン「状況は良く分からんが・・・・この紙飛行機は、お前に対する感謝の念から出来ているようだな。それを、お前は否定するのか?」

 

Vヴァンデモン「わ・・・・私、は・・・・私はああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

 

とうとうヴェノムヴァンデモンは頭を抱えて呻き始めた。

 

Vヴァンデモン「私は・・・ただ・・・・アキと、いっしょに・・・・」

 

『違ウダロォ?オ前ノ目的ハ世界ヲ導ク事ノ筈ダ』

 

と、その時だった。突然、ヴェノムヴァンデモンの腹が開き、しゃべり始めたのだった。

 

Vヴァンデモン「私・・・の・・・私・・・は・・・」

 

『無念ノママ死ンダ、アイツ等ノ事ヲ思ウナラヨォ・・・人間ナンカニ任セテチャア、イケナイヨナァ』

 

Vヴァンデモン「う・・・・うぅぅぅ・・・・・」

 

声に呑み込まれつつあるヴェノムヴァンデモンに、無数の紙飛行機が寄り添うように飛び交う。

 

友奈「───────インペリアルドラモン!」

 

Iドラモン「ああ。動く前に、終わらせる!!」

 

友奈の呼び掛けにうなずくと、両者はヴェノムヴァンデモンへと組み付く。友奈は前から、インペリアルドラモンは背後から。

 

Iドラモン「ヴァンデモン。俺達はお前を消去(デリート)しない」

 

組み付かれたヴェノムヴァンデモンは抵抗し、友奈に向かって『ヴェノムインフューズ』を放つ。

 

美森「友奈ちゃん!?」

 

直撃コース。外れる訳が無い。東郷達はそう思っていた。

 

Iドラモン「お前のその無念────いや、怨念だけを消去する!そうだろう、友奈!!!」

 

インペリアルドラモンが上空を見上げて叫ぶ。そこに、友奈は居た。背部アームを切り離し、『ヴェノムインフューズ』を躱したのだ!

 

 

友奈「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!

 

 

ヴェノムヴァンデモンは動けない。そのまま友奈の一撃を食らうのみ!

 

 

友奈「勇者・・・パンチ!」

 

 

友奈の渾身の一撃は、見事ヴェノムヴァンデモンの頭に命中し、その肉体を真っ二つに割った。

二つに割れたヴェノムヴァンデモンの身体は、ボロボロに朽ち果て、風に流れて消え去り逝く。その中から、ヴァンデモンが現れ、そのまま地上へと落下していく。

 

Iドラモン「よっ・・・と」

 

友奈「ヴァンデモンさん・・・・」

 

Iドラモン「気を失ってるだけだな・・・」

 

友奈「良かった・・・」

 

こうして、戦いは終わった。

 

 

 

 

 

その上空で、戦いの行く末を見ていたバルバモンを残して………

 




─次回予告─


戦いは終わった。しかし、未だ陰謀は渦巻いたまま・・・・
それでも少女達は、一時の休息に、その身を預ける。

次回『break time』

今、新たな冒険の扉が開かれる………

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