春信「─────なるほど。事の次第は理解しました。それで、ヴァンデモンの容態は?」
職員A「現在、大赦系列の病院にて療養中です。意識は回復しておりませんが、生命に別状はないとのこと」
春信「分かりました。何かあったら、また報告を」
職員A「はっ!」
部屋から出ていく職員を見送って、僕は傍らのエリスモンに問いかける。
春信「報告だと、ヴァンデモンとパイルドラモンが此方に転移してきた時、進化したらしいけれど・・・・これはいったいどういう理屈なんだい?」
エリスモン「うーん・・・・・ぼくには、よくわかんないなぁ」
春信「そうか・・・・」
エリスモン「あ、でもガンクゥモンが言ってたよ。『デジタルワールドと此方への往来は、本来ならばゲート無しには不可能な事!!そのような事をすれば、人間、デジモンを問わず肉体が上手く変換されず、崩壊してしまうだろう。にも関わらず転移できたのだとすれば、その者はきっと強靭な、新たな力を得られるはずだッ!!!』・・・ってさ」
春信「強靭な・・・新たな力・・・・それが、あの究極進化か・・・・」
いや、それだけではない。
その憶測が正しければ、此方に来てしまったデジモンの殆どが、ゼヴォリューションしている事にも説明がつく。若干こじつけ気味ではあるが・・・・
春信「─────ん?待てよ・・・・その理屈からすると、友奈さんの身体にも変化が・・・・?」
慌てて報告書に再び目を通す。が、友奈さんの身体には異常が見られなかった、とある。
春信「・・・・・申告漏れ、ではないと思いたいが」
エリスモン「本人が平気って言ってるんだし、大丈夫じゃない?」
春信「そうだと良いんだが・・・・」
エリスモン「身体が変っていったらさ。初めて会ったとき、あの娘の身体、すけすけだったよね~」
春信「・・・・そういえば、あの時の彼女はアストラル体だったな。そうか、あの時もう既に変化は起きていたのか・・・・」
そこから更に変質するのかどうかは分からないが、もし、二度目の変質で元の身体に戻ったのであれば─────
エリスモン「それより、あの銀って娘の身体は?あのあと、どうなったの?」
春信「ああ、それなら心配ない。戦いの後で、元の身体に戻れたそうだ」
その報告書なら・・・・・あった。これだ。
春信「どうやら、パートナーと合体分離した事で、混ざっていたデジモンとしてのデータが抜け落ちたらしい。しかし・・・・何故デジモンのデータが混入したんだ・・・?」
エリスモン「それこそ、変質の影響じゃないの?」
春信「デジタルゲートを通ってきたのにか?まがりなりにも正規の手順のはずだぞ?」
エリスモン「そういえば・・・・・うーん、なんでだろ?
そのエリスモンの一言に、報告にあった“デジモン化した神樹様”の事を連想し、そして、ある一つの空想に思い至ってしまった。
春信「────────────まさか、そんな・・・あり得ない、だろ」
そうだ。あり得ないはずだ。よもや、
と、その時だった。
♪~~♪~~
突如として鳴り響く警報。これは・・・・第一種警戒警報!?
エリスモン「春信!」
春信「強力なデジモンが現れでもしたか・・・?とにかく、行こう!」
エリスモン「うん!」
─次回予告─
瀬戸内海に降り注ぐクラモンの雨。
積もり積もって現れたるは、黒いデジタマ。
今ここに、最恐の存在が爆誕する。その名は──────
次回『バルバモンの逆襲』
今、新たな冒険の扉が開かれる………