結城友奈はテイマーである   作:渚のグレイズ

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劇場版の製作が思ったより捗らないので予定を変更し、今回は特別編です。
それと、来週の更新はお休みします。代わりに劇場版を完成させるのでご了承下さい。


挿話 この暗く閉じた私の世界から、君へ

思い出すのは、君との日々

楽しかった事も、悲しかった事も

その全てが、大切な思い出

だけど・・・・いつからだろうか

君の笑顔も、

楽しかった日々も、

いつしか、思い出せなくなっていた

 

 

―――――――――――†――――――――――

 

 

「──────────ここは」

 

目覚めた時、目の前には見知らぬ天井が広がっていた。

 

「気がつきましたか?」

「・・・・お前は」

 

傍らに居たのは、グランドラクモンに匿われていた少女───国土亜耶。しかし、彼女はダークエリアのグラン城にいるはず・・・・

 

「つい先程、私も此方に来たばかりなんです。そしたら、ヴァンデモンさんがここに入院されていると聞いて、お見舞に」

 

まぁ、良い。あんな場所に居るよりかはマシだろう。

 

「・・・・・なにか、良いことでもありましたか?」

「・・・・何故?」

「憑き物が、落ちたようなお顔をしていらっしゃったので」

 

憑き物が落ちた────そうかも知れない。

 

「─────────私は・・・・私だけが、否、私こそが、人々を導ける存在だと、そう信じて、今日まで戦ってきた・・・・だが」

 

それを、真っ向から否定され、打ち負かされた。

こうまでしてやられたのだ。怨む気持ちなど、微塵も無い。

 

「・・・・そうでしたか。良かった」

「良かっただと?」

「あ、すみません・・・・ただ、以前にお会いした時は、余裕の無さそうな雰囲気でしたので・・・・」

「─────────────そう、か」

 

確かに・・・・・かつての私は、あの日の悲劇を二度と起こさせんとする為に躍起になっていた。あの時に見た、彼女の最期の姿が脳裏に焼き付き、忘れたくとも忘れられずにいたころの話だ。

 

今も、それには変わり無い。だが、彼女の最期の姿よりも、今は笑顔でいる姿の方が、ずっと鮮明に思い出せるようになった。

 

「薄情だと、そう思うか?」

「いいえ。そんな風には思いません。誰だって覚えていてもらいたいのは、綺麗な時の姿でしょうから・・・」

「そうだろうか・・・・」

「そうですよ」

「─────そうか。そうなら、良いな」

 

未だ私は、あの日の悲劇を乗り越えることが出来ずにいる。しかし、いつかは乗り越えることが出来るようになるのだろうか・・・・

 

もし、その日が来たら、故郷へ帰ろうと思う。

そして、あの場所で再び、やり直そう。雪花達と共に。今度は、利用し合うだけの関係ではなく、喜びを分かち合う仲間として─────

 

 

 

 

 

♪~~♪~~

 

 

 

 

 

「なんだ?」

「なんでしょう・・・?」

 

謎の警報が鳴り響き、周囲が慌ただしくなってきた。

飛び込んできた看護婦の話によると、瀬戸内海に巨大なデジモンが出現したらしい。

恐らく、バルバモンの仕業だろう・・・・

 

「────────」

「ヴァンデモンさん!?何処へ・・・」

「決まっている。奴を止めに行く」

「そんなお身体で─────」

「お前は早く避難したまえ。そこの、頼んだ」

「ヴァンデモンさんっ!」

 

呼び止める国土亜耶を振り切って、私は駆け出す。

 

この手に握りしめるのは、アキの携帯から変化した、黒いデジヴァイス。

 

「アキ、私は今度こそ・・・・守ってみせるよ」

 

決意と共に、私は戦場へと飛び込む。

 

 

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