それと、来週の更新はお休みします。代わりに劇場版を完成させるのでご了承下さい。
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「──────────ここは」
目覚めた時、目の前には見知らぬ天井が広がっていた。
「気がつきましたか?」
「・・・・お前は」
傍らに居たのは、グランドラクモンに匿われていた少女───国土亜耶。しかし、彼女はダークエリアのグラン城にいるはず・・・・
「つい先程、私も此方に来たばかりなんです。そしたら、ヴァンデモンさんがここに入院されていると聞いて、お見舞に」
まぁ、良い。あんな場所に居るよりかはマシだろう。
「・・・・・なにか、良いことでもありましたか?」
「・・・・何故?」
「憑き物が、落ちたようなお顔をしていらっしゃったので」
憑き物が落ちた────そうかも知れない。
「─────────私は・・・・私だけが、否、私こそが、人々を導ける存在だと、そう信じて、今日まで戦ってきた・・・・だが」
それを、真っ向から否定され、打ち負かされた。
こうまでしてやられたのだ。怨む気持ちなど、微塵も無い。
「・・・・そうでしたか。良かった」
「良かっただと?」
「あ、すみません・・・・ただ、以前にお会いした時は、余裕の無さそうな雰囲気でしたので・・・・」
「─────────────そう、か」
確かに・・・・・かつての私は、あの日の悲劇を二度と起こさせんとする為に躍起になっていた。あの時に見た、彼女の最期の姿が脳裏に焼き付き、忘れたくとも忘れられずにいたころの話だ。
今も、それには変わり無い。だが、彼女の最期の姿よりも、今は笑顔でいる姿の方が、ずっと鮮明に思い出せるようになった。
「薄情だと、そう思うか?」
「いいえ。そんな風には思いません。誰だって覚えていてもらいたいのは、綺麗な時の姿でしょうから・・・」
「そうだろうか・・・・」
「そうですよ」
「─────そうか。そうなら、良いな」
未だ私は、あの日の悲劇を乗り越えることが出来ずにいる。しかし、いつかは乗り越えることが出来るようになるのだろうか・・・・
もし、その日が来たら、故郷へ帰ろうと思う。
そして、あの場所で再び、やり直そう。雪花達と共に。今度は、利用し合うだけの関係ではなく、喜びを分かち合う仲間として─────
♪~~♪~~
「なんだ?」
「なんでしょう・・・?」
謎の警報が鳴り響き、周囲が慌ただしくなってきた。
飛び込んできた看護婦の話によると、瀬戸内海に巨大なデジモンが出現したらしい。
恐らく、バルバモンの仕業だろう・・・・
「────────」
「ヴァンデモンさん!?何処へ・・・」
「決まっている。奴を止めに行く」
「そんなお身体で─────」
「お前は早く避難したまえ。そこの、頼んだ」
「ヴァンデモンさんっ!」
呼び止める国土亜耶を振り切って、私は駆け出す。
この手に握りしめるのは、アキの携帯から変化した、黒いデジヴァイス。
「アキ、私は今度こそ・・・・守ってみせるよ」
決意と共に、私は戦場へと飛び込む。