結城友奈はテイマーである   作:渚のグレイズ

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~ちょっとした報告~
Vテイマー、読破しました♪
いやぁ、近所の古本屋になかったからどうしようかと思いましたが、電子書籍であったんで、小生のポリシーたる『書籍は基本、紙媒体』をねじ曲げて、全巻大人買い、か~ら~の~・・・一日で読破!
アルカディモン、出す予定はなかったんですけど、ちょっと迷いが生じてしまってます(笑)
そんな今日この頃
以上、報告終わり!

↓ここから本編です

─前回までのあらすじ─

大赦からの依頼で、島根県までやって来た勇者部。
謎の声に導かれワープした先は、デジタルワールドのファイル島。
そこで、友奈はチビモン、樹はララモン、東郷と園子は銀と出会う。
一方その頃───


七話 ジャリモンと風。はじまりの町での出会い!

風「あー・・・・もう!みんなどこにいったのよ・・・・!」

 

樹たちが三兄弟から話を聞いていた頃、風は一人、森の中をさ迷っていた。

 

風「電話はノイズばっかりで使えないし、メールを飛ばしても帰って来るのは文字化けメール、SNSも───」

 

スマホを見る。そこには、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が並んでいた。

 

風「それで・・・・唯一使えるのが・・・・・」

 

ホーム画面に戻り、こちらに来たときに追加されたとおぼしきアプリ───勇者アプリを立ち上げる。

 

風「これ、勇者アプリにかなり似ているけど、全然別物ね・・・・」

 

風の言う通り、今インストールされているアプリと、かつて彼女たちが使用していた物とは、細かいところではあるが違いが存在する。

例えば、アイコン。(勇者に変身する時のボタン)

風のそれにはオキザリスの意匠のモノが使われていたのだが、今は謎の卵のようなものが描かれている。

例えば、機能。

SNSやマップに加えて、何かの図鑑のような機能等が追加されている。

 

風「なんなのかしらね・・・・・まぁ、これのおかげで樹たちの居場所がなんとなく把握できたから良いんだけど・・・・」

 

ぼやきながらも歩みを止めない。

森の中を樹たちのいるであろう場所に向かって突き進む。

 

その先に、運命が待っているとも知らずに───

 

―――――――――――†――――――――――

 

しばらく歩いていると────

 

風「─────あら、開けた場所に出たわね」

 

風「この先に友奈がいるみたいだけど・・・・・ここ?」

 

森を抜けた風の目の前には町があった。入り口の側には看板もある。

 

風「名前は────文字化けしてて読めないわね」

 

今の風は知る由も無いが、看板にはデジ文字で"はじまりの町"と書かれている。

 

風「────もしかして、これ。()()()()()()()()()()()()?」

 

惜しい、デジ文字である。

 

風「東郷───は絶対知らないわね。外国語だし。園子だったら読めるのかしら?」

 

この時、園子が小さくくしゃみをしたとか、してないとか。

 

風「マップをみれば樹たちと一緒に、こっちに向かっているみたいだし、友奈探して一緒に待つとしますか!」

 

うん!とうなずいてはじまりの町に入る。そんな風の視界に写ったのは───

 

風「あら、意外と殺風景」

 

そこは、町と呼ぶにはあまりにも何も無さすぎた。

唯一沢山あるのは────

 

風「なんで()()()()()()()()が───?それもこんなにたくさん」

 

ふと、風の足元に卵が一つ転がってきた。

まるで、風に引き寄せられているみたいに・・・・

 

風「あら、あんた迷子?お母さんは?」

 

その卵を拾い上げ、自身の目線の高さまで掲げる。

風の呼び掛けに答える様に、卵がことこと、動く。

 

風「そっかー、わたしもそうなのよ~」

 

卵に尚も語りかける。そろそろ自分が奇行を行っていることを理解したまえ。

 

風「─────なんでわたし、卵に話しかけてるのよ・・・・遂にここまで狂ったかぁ」

 

ようやく自分の行いに気付いた風。若干遅いような気がしないでもない。

 

風「孤独は人を駄目にするのね・・・・!早いとこ友奈見つけよう」

 

と、その時───

風のスマホが鳴動した。

 

風「あら、メッセージ?」

 

見れば、デジ文字で『なでて』とメッセージが

 

風「────誰かのイタズラ?」

 

しかし風には伝わらない。

かと思いきや

 

風「────まさか、あんたが?」

 

抱えている卵に語りかける風。卵が『そうだよ』と言わんばかりに再度ことこと、動く。

 

風「─────────なるほど」

 

何を察したのか、風はその場に胡座をかき、自身の膝に卵を載せ、それに抱き付いたのだった。

 

風「・・・・・・・・卵の暖め方って、これで良いのかしら・・・・?」

 

鳥類か

 

???「───違うよ。暖める必要は無いんだ」

 

風「え!?誰っ!」

 

顔を上げる風。声のした先には、ミノモンにレイと呼ばれた少年がいた。

 

レイ「デジタマを孵すには、ただ、撫でてあげれば良い。優しく、想いを込めて・・・ね」

 

風「─────あんた、誰よ」

 

レイ「私は『御神楽レイ』この町の、管理者代理・・・とでも言うべき存在・・・・かしら?」

 

風「・・・・・・・・・・」

 

レイ「警戒するのは理解できるよ。でも安心して。私は貴女の敵じゃない。そのデジタマが反応したから、様子を見に来ただけだよ」

 

レイは穏やかに微笑むのみ。その様子を見て、風はレイを警戒しつつ、卵を撫でる。

すると───

 

風「な・・・・なんですとぉぉぉぉぉぉ!?!?!?!?!?」

 

デジタマが輝きを放った!そして中からデジモンが産まれる。

 

???「バブー!!」

 

風「な・・・・なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?!?!?」

 

レイ「へぇ・・・・ジャリモンじゃない。おめでとう。その子は貴女のパートナーだよ」

 

ジャリモン「あぷぷー」

 

風「ふへ・・・?ジャリモン?パートナー?」

 

┌─────┐

ジャリモン

└─────┘

スライム型デジモン

個体数が少なく、非常に希少なデジモン。見た目では分からないが、口の中にはびっしりと細かい牙が生えており、力強い竜系のデジモンに成長することを予見させる。非力ではあるが、自分より体の大きなものに向かっていく性質をもっているぞ。必殺技は、高熱の体内で温められた『熱気を帯びた泡』

 

ジャリモン「ぷりぷりー」

 

風「な・・・・なんか良くわかんないけど、よろしくね?」

 

ジャリモン「よろちくぷりぷりー♪」

 

風「あんた実は喋れるでしょ?」

 

ジャリモン「ちょんわーちょんわー」

 

風「ぜったいしゃべってる!?」

 

レイ「ふふふ・・・」

 

レイ(まさか、()()()()()()からジャリモンが産まれるとはね・・・・()()()()()()()()()()()()()も、どうやらパートナーを見つけて孵化したみたいだし・・・・・・これは・・・・・)

 

風とじゃれあうジャリモンを優しげに見つめながら、レイは呟く。

 

レイ「なかなか、面白いことになりそうね・・・」




~次回予告~

一人、浜辺を探索する夏凜。
そんな彼女の前に『未来のロイヤルナイツ』を名乗るハックモンが現れる!
合わない意見。食い違う心。ついにはケンカが勃発してしまう!?

次回『浜辺のハックモン。衝突!完成型と未来の勇者!』

今、新たな冒険の扉が開かれる………

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