夏凜「はぁ!?こんなときに誰よ!!」
右手の剣を端末に戻し画面を見ると、
夏凜「え・・・・兄貴?」
周囲の者に少し下がる旨を伝え、電話に出る。
夏凜「兄貴!そっちの状況は!?こっちはデクスドルゴラモンが大量に現れて─────」
春信『落ち着いてくれ夏凜。デクスドルゴラモンなら、こっちにも現れた。空から落ちてきた泥から産まれて暴れ回っている』
夏凜「そっちもなのね──────え?泥?」
春信『ああ泥だ。この泥に、職員が呑み込まれた後、デクスドルゴラモンが現れたんだ』
夏凜「────────何か、関係がある?」
春信『現状ではわからない。だから、これから空を覆う泥を調べようと思う』
夏凜「え!?大丈夫なの!?」
春信『どうかな・・・・努力はしてみるけれど。もし、駄目だったら・・・・その時は・・・・』
夏凜「ふざけないで。アンタの尻拭いなんかゴメンだわ」
春信『う・・・・・そうか』
夏凜「だから・・・・・」
春信『え?』
夏凜「ちゃんと、帰ってきなさい・・・・良い!?」
春信『夏凜・・・・・・!』
夏凜「ああもう!!要件はそれだけ?じゃ、切るわよ!」
春信『あ、待ってくれ。あと一つだけ』
夏凜「何よ」
春信『例の新しい支援ユニットが完成したんだ。そのデータを送るから、そちらでリアライズしてくれ』
夏凜「は?新しい支援ユニットって何よ?」
ジエスモン『まさか!師匠と共に開発していたという、あの!?』
夏凜「え?どれ?」
美森『そのっちが開発に協力したという、あれね!』
夏凜「だから、どれよ!?」
春信『それじゃ、あとは頼む』
夏凜「え!?あ、ちょ!───────切れた」
通話の切れた画面を見ていると、何かのデータファイルが送られてきた。
夏凜「──────────ああ、もう!リアライズすれば良いんでしょ!!まったく、なんだってのよ!もう!!」
そうして夏凜は、送られてきたファイルをデジヴァイスアプリを使ってリアライズさせた。
夏凜「っ!これは───────」
そこに現れたのは───────
大剣を叩き付ける度、メガログラウモンの記憶が流れ込んでくる。
暴れる野良デジモンから、幼年期の子達を守った瞬間。
成長期のデジモン達と共に、楽しそうに遊ぶ瞬間。
成熟期デジモン達に、稽古を付けてあげている瞬間。
そして─────────
『やめろ・・・・・やめろーーーーーーーー!!!!』
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!』
そんな幸せな時間が、蹂躙されていく、瞬間。
風「───────ぁ」
ジエスモン「風!」
咄嗟にジエスモンが割り込んでいなかったら、アタシはデクスドルゴラモンに踏み潰されていた・・・・危なかった。
風「ありがと・・・・」
ジエスモン「さっきからどうした?──────
風「───────たぶん、あの子の過去」
ジエスモン「・・・・・なるほどな。デジヴァイスを通じて、見えたの、か!!」
会話をしながらも、ジエスモンはデクスドルゴラモン達をいなしていく。
てか、さっきから思ってたけど・・・・
風「デクスドルゴラモン増え過ぎじゃない!?」
樹「今更気付いたの!?」
そうだ・・・・メガログラウモンは────────
Mグラウモン「ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!
風「メガログラウモン!?」
デクスドルゴラモンの群れの向こうから、メガログラウモンの悲鳴が聞こえてきた!いったい何が───────
風「考えてる暇なんかないっ!!どーーーーーーーーけーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」
大剣を振り回し、デクスドルゴラモンを蹴散らしつつメガログラウモンの下へと向かう。
風「メガログラウモン!大丈──────」
そこにいたのは、身体がぐちゃぐちゃになって、メガログラウモンなのかグラウモンなのか、わからない位になってしまった、アタシの大事なパートナーの姿が───────
風「─────────────────っ!!!!」
大剣を巨大化させて、周囲のデクスドルゴラモン共をぶっ飛ばす。
風「────────よくも」
息も絶え絶えなメガログラウモンの頭を抱き、更に増えたらしいデクスドルゴラモン共を睨み付ける。
風「よくも、アタシのパートナーを──────!!」
だから、アタシは気付かなかった。
樹「お姉ちゃんの剣が・・・・・」
ジエスモン「なんだ?光が・・・・・」
アタシの大剣─────端末から、光が溢れ出ていることに。そして、
風「お前ら全員、ぶっ飛ばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁす!!!!!!!!!!!!」
アタシの怒りが爆発した瞬間に、その光が膨張。アタシとメガログラウモンを巻き込んで、周囲に広がっていったのだった。
ゆゆテ。
光を放つ身体が、融け合うMATRIXEVOLUTION