前回ラストのメガログラウモンの状態は、日和って少しぼかしましたが、旧エヴァ劇場版の鳥葬されるアイツ状態でした。
気がつけば、周囲がセピア色に染まっていて、時間が止まっていた。
襲い掛かってくるデクスドルゴラモンの様子をつぶさに観察できるし、その向こうにいる樹達が、必死の形相でアタシ達に向かって来ている様子も見れた。
風「いったい何が──────」
ふと、目の前をシャボン玉が横切った。
出所を目で追いかけると、そこには、ギルモンの姿が。
風「ギルモン!・・・・・・・?」
だけど、何かヘンだ。ギルモンってば、あんなにピカピカ光ってたかしら?
風「ねえ、ギルモン?・・・・・ギルモンってば!!」
呼び掛けながら近付く。が、ギルモンは答えない処か遠ざかっていってしまう。
風「え!?ちょっ・・・・ギルモン!!何処行くのよ!!」
慌てて追いかけるも、全然追い付かない。それどころか、どんどん遠退いて行ってしまう!
風「待って、ギルモン!待ちなさーーーーーーーーい!!!!」
追い付きたくて、必死になって手を伸ばした、その瞬間、
アタシの手に、シャボン玉が触れて──────
気が付いた時には、地面に寝転んでいた。
風「───────え?」
周囲には、デクスドルガモンの群れがいて、
風「───────なに?」
その中の一体が、空に向かって吠えると、
風「───────────ひっ!?」
アタシ(?)の身体に、一斉に群がってきた。
風「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?──────────あれ」
目覚めた時には、何もない、真っ暗な空間にいた。さっきのはいったい・・・・誰かの記憶・・・・?もしかして・・・・・
『あれは、私が“私”であった時の、最期の記憶だ』
聞き覚えのあるような、だけど、何処か大人びたような声がして、声の方へ向き直る。
そこにいたのは、カオスデュークモン。
だけど・・・・色が違う?
色違いCデュークモン『初めまして、“おいら”のテイマー。私はデュークモン。イグドラシルの命により、この世界の監視を担うモノだ』
┌──────┐
│デュークモン│
└──────┘
聖騎士型デジモン
風「デュークモン・・・・イグドラシルって、確かアレよね。デジタルワールドの神様みたいな存在」
デュークモン『概ねその認識で構わないよ』
風「で、さっきのは何?アタシの身体、大丈夫よね?」
デュークモン『安心して良い。私の記憶を追体験してしまっただけだからね』
風「追体験・・・・って、なんでそんな・・・・」
デュークモン『うーむ・・・・何故こうなったのかはわからないが、どうやら私達は意識レベルで融合している状況にあるらしい』
風「はい?どゆこと?」
デュークモン『真のマトリクスエヴォリューション────つまり、身も心も一つになることで起きる究極進化、その一歩手前状態にある。ということだよ』
風「ふーん・・・・・なるほどね」
なんだかよくわからないけれど、つまりアタシ達は一つに合体しようとしているらしい。そういえば、銀がそんな感じの進化してたって聞いたわネ・・・・
デュークモン『キミも見たあの時の出来事は、私が“おいら”となっても消えぬエラーとして、“おいら”を苛み続けてきた』
風「デクスドルゴラモン相手に吼えてたのはそのせいなのね」
デュークモン『私一人では、きっとまた、同じ過ちを繰り返してしまうだろう・・・・・』
周囲の景色が切り替わる。
朱く爛れた大地と、灼熱の焔に包まれるデクスドルガモンの群れ。そして、その中心には、メギドラモンの姿が─────
恐らくこれは、さっき追体験したやつの後に起こった出来事。そして、あのメギドラモンは、怒りと恐怖で変状してしまったデュークモンだ。
デュークモン『だから、頼む。私と共に戦ってくれ、風・・・・!』
槍を何処かにしまって、デュークモンは右手をアタシに向かって差し出した。
そんなことしなくても答えは決まってる。
風「当然でしょ!アタシはあんたのパートナーなんだから!!」
デュークモン『風・・・・!』
アタシも右手を差し出して、デュークモンに握手を────
風「あ、でも一つだけ訂正」
デュークモン『え!?』
しようとしてひょいっと回避してしまったので、デュークモンが転けた。
風「ちょっと、大丈夫?」
デュークモン『風が急に避けるからだろ!?で、何?』
風「アタシ達が一つになって戦うよりも、二人一緒に、背中合わせで戦った方が無敵よ!!」
デュークモン『っ!!──────ふふ、うん。そうだね、キミはそういう人だった!』
ギルモンの頃と変わらない、くりっくりの瞳を見開いたあと、デュークモンは静かに笑った。
デュークモン『分かった』
ギルモン「二人で、一緒に戦おう!!」
いつの間にか、デュークモンの姿から変わったギルモンが、改めて右手を差し出してきた。アタシは迷わず、その手を握り返す。
握りあった手と手から光が溢れ、周囲を満たす。
風「行くわよ!ギルモン!!」
ギルモン「うん!二人でなら乗り越えられるっ!!」
風「さあ!アタシ達の女子力、見せつけてやりましょ!」
デュークモン「ああ、やろう!女子力とやらはよくわからないがね!!」
ゆゆテ!!
重ねてきた時間の粒が、キセキの扉を開く