なるべくなら、分割もあまりやらない方が良いのだろうなぁ・・・・
努力します。
友奈「おぉーい!!迷子のちびちゃんやーい!」
ブイモン「何処だぁー!居たら返事してくれぇー!」
森の中をはぐれたデジモンを探して走り廻る友奈とブイモン。
ブイモン「・・・・なあ、友奈。さっきも思ったんだけどさ・・・・・バーテックス、出て来なかったな・・・・・」
友奈「?うん。そうだね・・・・たぶん、風先輩と夏凜ちゃんが、頑張ってくれてるおかげだと思うな」
ブイモン「・・・・そうだと、いいけど・・・」
と、その時───
ガサガサッ、と友奈たちの背後の茂みが揺れた。
ブイモン「!?だれだ!!」
ミノモン「ひっ」
そこにいたのは、レイの小屋にいたミノモンであった。
友奈「あ、よかったぁ~!無事だったんだね!」
ミノモン「あ・・・・うん」
友奈はミノモンを抱き抱え、よしよし、とあやす様にミノモンの頭を撫でる。
友奈「もう・・・ダメだよ?ちゃんとついて来なくちゃ」
ミノモン「あう・・・・ごめんなさい・・・・」
友奈「うん。それじゃ、みんなのところに戻ろう」
ミノモン「うん」
ブイモン「──────なんだ?イヤな予感がする・・・・」
友奈「ブイモン?」
ブイモン「友奈。早く戻ろう!」
友奈「え?う・・・・うん」
ブイモンに促されるまま、友奈はミノモンを抱き抱えて農場へと走って行った。
―――――――――――†――――――――――
友奈「ただい・・・ま・・・・?」
ブイモン「・・・・ウソ、だろ・・・・?」
農場を囲う柵の外、そこに樹たちはいた。
それだけなら良かった。
農場は、バーテックスによって囲まれていた。
それだけではない。
見知らぬデジモンが、サンフラウモンと戦っていた。
────否、
サンフラウモン「う・・・・あ・・・・」
樹「サンフラウモン!!」
???「ぐるるるぅ」
あまりにも一方的過ぎて、サンフラウモンは手も足も出ないでいたのだった。
友奈「ブイモン!!!」
ブイモン「『ブイモンヘッド』!!!」
それを見て、黙っていられないのが友奈たち。
サンフラウモンを助けるべく、ブイモンは攻撃を仕掛ける。
???「ぐる?」
樹「友奈さん・・・!」
ブイモン「こいつ・・・・全然効いてない!?」
???「グオオ!!」
ブイモン「うわ!!」
友奈「ブイモン!!!」
ミノモン「あ・・・・ああ・・・・あ・・・・」
ブイモン「くっそ・・・・なんだよ、こいつは・・・・」
???「ぐるるる・・・」
友奈「樹ちゃん!」
樹「友奈さん・・・・・気をつけてください。このデジモン・・・・・」
その時、ふしゅー、と謎のデジモンから黒い煙が噴出した。
その煙はみるみる固まっていき────
友奈「うそ・・・・・
樹「ああやって、
友奈「そんな・・・・・なんでデジモンがバーテックスを・・・・」
ブイモン「うわぁぁぁぁ!!!」
友奈「!?!?ブイモン!!!」
見れば、謎のデジモンの腕にブイモンは鷲掴みされており、脱出しようと必死にもがいていた。
サンフラウモン「く・・・・ブイモンを離せぇぇぇ!!!」
サンフラウモンが『カクタステイル』を放つが、謎のデジモンはそれを片手で受け止め、そのままサンフラウモンを放り投げてしまった!
サンフラウモン「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
樹「サンフラウモン!!!」
ミノモン「・・・・・・デクス」
友奈「え?」
ミノモン「デクス・・・・・・ドルガモン・・・・・」
震える声で、ミノモンはそれだけ呟いた。
┌────────┐
│デクスドルガモン│
└────────┘
アンデッド型デジモン
さらなる進化を求めて実験されたデジモンの原型『プロトタイプデジモン』“ドルシリーズ”の、実験当時の成熟期の姿に酷似しているというアンデッド型デジモン。他のデジモンのデジコア(電脳核)を捕食し続けることで、死んだ状態でありながら活動し、進化しようとしている。必殺技は『キャノンボール』と、鋼鉄の腕で敵を貫きデジコアをむしり取る『メタルキャスト』だ!
樹「デクスドルガモン・・・・・」
友奈「ミノモン?どうしたの?ミノモン!」
友奈の呼び掛けに、ミノモンは答えない。
否、答えられない。
ここで少し、このミノモンの過去について話そう。
ミノモンは、かつて、レイが来訪する前の"はじまりの町"にいた。
当時の町は、れっきとした"町"で有り、現在のようにレイの小屋が一軒あるだけの、名前ばかりの町ではなかった。
町の長たるジジモンの下、みんな仲良く、平和に暮らしていた。
そんなある日────
デクスドルガモンの群れが町を強襲。ジジモンを含めた住民たちのほぼ全てを、喰らい尽くしていったのだった。
唯一、ジジモン宅の地下に避難させられていたミノモンだけが生き残り、あとは何も残らなかったのだ。
ミノモン「う・・・・ああ・・・・」
ミノモンの中で、その時の恐怖が渦巻く。
同時に、デクスドルガモンになぶられ続けるブイモンとサンフラウモンを見て『護らなきゃ』という感情と、デクスドルガモンを『許せない』という怒りが、身体の奥底から沸き上がる。
その沸き上がる感情のエネルギーを、あろうことか、ミノモンが
ミノモン「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
友奈「ミノモン!?」
樹「こんどはなにー!?」
ミノモン進化───!
ワームモン!!!
┌─────┐
│ワームモン│
└─────┘
幼虫型デジモン
ブイモン等と同じ古代種族の末裔で、特殊なアーマー進化をすることができるが、単体でのワームモンは非力で、大型のデジモンには到底かなわない。しかし、デジメンタルの力でアーマー進化することで、信じられないようなパワーを発揮することができる。また、脆弱な幼虫が力強い成虫に成長するように、ワームモンもいつの日かパワー溢れる成熟期へと進化すると言われている。まさに未来への可能性を秘めているデジモンなのである。必殺技は粘着力の強い網状の糸を吐出し相手の動きを封じこめてしまう「ネバネバネット」と、絹糸のように細いが先端が尖った針の様に硬質な糸を吐出す『シルクスレッド』だ!
ワームモン「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ワームモンが『シルクスレッド』を放ち、ブイモンを掴むデクスドルガモンの腕を攻撃。力が緩んだその隙に、ブイモンは脱出を果たした。
しかし、ワームモンの攻撃は終わらない。
ワームモン「ジジモンと・・・・はじまりの町のみんなの・・・・」
ワームモン「仇討ちだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
しかし、デクスドルガモンには、ワームモンの攻撃などまったく効いておらず───
Dドルガモン「ガウ!」
ワームモン「ぐは・・・・!」
友奈「ミノモン!!!」
ワームモン「ぐうぅぅぅぅぅぅ・・・・・もっと・・・・」
友奈「う・・・・!」
ワームモンの猛りに地面に落ちたままの友奈の端末が反応して、友奈のデジソウルが膨張する。
樹「友奈さん!?どうしたんですか!?」
友奈「わかんない・・・胸が・・・・苦しい・・・・」
ワームモン「もっと・・・・僕に力を・・・・・!」
ブイモン「ダメだ・・・・それ以上いけない!!」
ワームモン「僕に、力をぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」
友奈「うあ・・・・ぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
友奈が地面に倒れる。同時に、そのすぐ傍に、ツノの生えた卵のような形の赤い物体が表れた。
樹「友奈さん!」
サンフラウモン「あれ・・・・は・・・・」
ブイモン「・・・・・・・デジメンタル」
デジメンタルと呼ばれたそれは、ワームモンの下へと飛んでいき、そして───
ワームモン!ア%マーq化─r─!!
燃え尽きぬ蛮勇!シェイドラモン!!!
シェイドラモン「ぐるわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
復讐鬼と化したワームモンの雄叫びが、辺り一面に響き渡った・・・・
~次回予告~
復讐の炎を燃やし、デクスドルガモンに対峙するシェイドラモン。
互いの命を削りあう、文字通りの"死合い"の果てにあるものは────
次回『哀しき死闘。シェイドラモンVSデクスドルガモン』
今、新たな冒険の扉が開かれる………