だれも、いない
楠も、加賀城も、弥勒も、他のみんなも・・・・シズクもいない。
本当に、私一人だけ。暗闇の中で佇んでいる。
「みんな・・・・どこ・・・・?」
独りぼっちは・・・・いやだ。
寂しいよ・・・・怖いよ・・・・
「だれか・・・・シズク・・・・」
『そうやって、いつまでも俺に頼るつもりかよ』
「っ!」
目の前に白い人影が出てきて、シズクの声で、そんなことを言った。
『知ってるか?俺は確かにお前から生まれた存在だが・・・・いつまでも居るワケじゃねーんだぜ?』
「──────────ぅ」
『楠も、加賀城も、弥勒も、東郷も、乃木も、結城も三好も犬吠埼の姉妹も、いつかはお前から離れて行っちまう・・・・お前、そのままで耐えられんのか?』
「それは・・・・・」
『耐えられねえってんならさ・・・・・』
白い影が近寄ってきて、耳元で囁く。
『その身体、俺に寄越せよ』
「!?」
なんで・・・・
『俺なら、上手いことやって行ける。お前よりも、ずっと・・・・今更どっちが主人格とか、んな話する意味もないだろ』
「──────────────」
『ほら、分かったらとっとと──────』
「──────────────いやだ」
『あぁ?』
「──────────────いや、だ!」
影を突き飛ばす。
よろめいた影は、顔が分からないけれども驚いているみたいだった。
『─────────俺を、拒絶しようってのか?』
「すこし、違う」
『じゃあ何だってんだよ』
「私は・・・・私だから」
『は?』
「ひとりは、怖い・・・・・でも、私はひとりじゃないから」
『何言ってんだ?独りぼっちだろ』
「心で・・・・みんなと繋がってる・・・・それは、私が“私”だったから・・・・・シズクだって、そうでしょ?」
『知らねえな』
────────そっか。この影は・・・・
「───────偽物」
『気付いたところで、お前に何が出来る?』
「──────────」
深く息を吸って、吐き出す。
ゆっくりと影に近寄りながら、右手を強く握り締めて────
「やあ!!」
『ごふっ!?』
おもいっきり、殴る。
シズクにできることなら、私にだってできること。そう信じれば、私は大丈夫。
「もう、大丈夫だよ」
『─────────一番、容易く絆せると思っていたが・・・・』
影が捨て台詞を置いて消える。その途端、周りが光って景色が変わる。
ここ・・・・どこ?森?
シズク「しずく!?無事だったか!」
しずく「シズク・・・・本物?」
シズク「あ?何言ってんだよ。俺が他に何人も居るワケねーだろ」
しずく「────────うん。本物っぽい」
テイルモン「しずくーーーー!」
しずく「テイルモン・・・・!よかった・・・・」
Lデビモン「状況は良くないわよ。他の連中と引き離されちゃってるし、何より・・・・・」
レディーデビモンが指差した先には、ネオデビモンの群れ。
しずく「───────うわぁ」
テイルモン「例の泥でできてるっぽいのよね」
シズク「だが、俺達が揃ったんならあんなザコ、秒で蹴散らせるだろ」
しずく「うん。やれる・・・!」
デジヴァイスを構えて、テイルモンを進化させる。
マスティモン「さて・・・お仕置きの時間よ♪」
次回でこの空間もラストにします。
最後を飾るのはもちろん─────