ついでにSRしずくも。しずくかわいいよしずく。
~前回までのあらすじ~
デクスドルガモンによって、産み出されたバーテックスを対処するため、歌野と銀は鬼人三兄弟の内、歌野はフーガモンを、銀はヒョーガモンを連れて、二手に別れたのだった。(ちなみにオーガモンは非戦闘員たちの護衛)
シェイドラモンが現れた後、それまで減ることを知らなかったバーテックスの数が段々と減り始めた。
歌野「チャーンス!トゲモン!一気にフィニッシュよ!!」
トゲモン「フーガモン!」
フーガモン「あいや、しばらく!」
トゲモンの声に、フーガモンがしゃがむ。
トゲモン「『チクチクバンバン』!!」
トゲモンの必殺技により、バーテックスは一掃された。
歌野「さて、私は銀くんの方に行くから、フーガモンはオーガモンの方に!」
フーガモン「うむ、心得た・・・・・む?」
そこに、東郷が走ってくる。
美森「はぁ・・・・はぁ・・・・」
歌野「東郷さん?ホワイ?なにかあったの?」
美森「歌野さん!そのっちを見ませんでしたか!?」
今の東郷は、誰の目から見ても解るほど、取り乱していた。
フーガモン「む・・・どうしたで御座るトーゴウ。何時もの貴殿らしくもない」
歌野「そうよ。落ち着いてくれなくちゃ、まともにトークだってできないわ」
美森「・・・・・ごめんなさい。ちょっと、取り乱してしまって・・・」
フーガモン「それで、ソノコがどうしたと言うで御座るか?」
美森「それが・・・・よくわからないのだけど、そのっちが勝手に何処かへ行ってしまって・・・・多分、こっちの方向に向かったのだと思うけど・・・・」
フーガモン「???どういうことで御座る?」
歌野「うーん・・・・なんだか気になるわね・・・・アイシー!フーガモンは辺りを見回ってきて!私と東郷さんは他の場所に行くわ!」
フーガモン「御意。無限に増え続けなければあのような雑魚、赤子の手を捻るよりも簡単で御座る!」
歌野「頼むわね!行きましょう、東郷さん!」
美森「はい!」
銀「いよっし!これであらかた倒したかな・・・?」
ヒョーガモン「みてぇだな。しっかし!数ばっかで大したことのないヤツらだったゼ!」
ジオグレイモン「油断大敵だぞ、ヒョーガモン。ウタノの話だとあのバーテックスとかいうヤツら。合体して強くなるらしい」
ヒョーガモン「ゲー!マジかよ!それってアレか?伝説に名高い"ジョグレス進化"ってヤツか!?」
ジオグレイモン「さぁな・・・・うん?」
銀「どうかした?ジオグレイモン」
ジオグレイモン「あそこにいるの・・・・ソノコじゃないか?」
銀「え?・・・・・ホントだ。おーい!園子ー!!」
しかし聞こえていないのか、どこか覚束無い足取りで、何処かへと歩く園子。
銀「園子?・・・・なんか、様子が変だ・・・ヒョーガモンは先に戻ってて」
ヒョーガモン「まだ敵が残ってるかもな。ちょっと見回ってから戻るゼ」
銀「お願いね。おーい!!園子ー!!!」
近付き、再び声をかける。
園子「・・・・・・ぁ、ミノさん」
今度は聞こえたようだ。
銀「どうしたんだ?こんなところで。須美はどうした?」
園子「・・・・・自分でも、よくわかんない・・・・なんか、向こうから、呼ばれた気がして・・・」
銀「・・・・・・向こうに、なにがあるんだ?」
園子「わかんない・・・・」
銀「んじゃ、確かめに行こう」
ジオグレイモン「良いのか?」
銀「園子が向かっている方向、樹と友奈がいる方向だろ?だったらアタシたちも向かうべきだよ」
園子「ミノさん・・・・!」
ジオグレイモン「確かに、アイツらの様子を確認しに行かなくちゃだったしな・・・・よし!ソノコ、オレの肩に乗りな!」
園子「え!?良いの~?」
銀「ジオグレイモン。園子のこと、しっかりな!」
ジオグレイモン「任せろ姉御!さあ、乗りな!」
園子「ありがと~、グレちん♪」
ジオグレイモン「え?グレちん?」
―――――――――――†――――――――――
もう少しで樹たちのもとにたどり着く。という地点で、東郷たちと園子たちは合流した。
園子「あ、わっしー!」
美森「そのっち!もう、勝手に居なくなって!心配したんだから・・・」
園子「えへへ~、ごめんなさ~い・・・」
歌野「ジオグレイモン、銀くんは?」
ジオグレイモン「後から来る。で?ソノコ、お前を呼んでるのは誰だ?」
美森「呼んでる・・・・?」
園子「えっと・・・・・あ、あの・・・子・・・」
園子が指差した先にいたのは───
互いに、ボロボロになりながらも、それでも、戦うことを止めない、シェイドラモンとデクスドルガモンだった。
歌野「トゲモン!!」
トゲモン「がってん!」
園子「グレちん!!」
ジオグレイモン「お前オレのパートナーじゃないだろ!?」
突っ込みしつつも、トゲモンと同時にジオグレイモンも飛び出した。
隙を見つけて、トゲモンがDドルガモンを捕まえ、ジオグレイモンはシェイドラモンを地面に抑えつけた。
銀「良いぞ!ジオグレイモン!そのままそいつを抑えつけるんだ!」
歌野「ファイトよ!トゲモン!なるべく傷付けないようにね!!」
遅れてやって来た銀だったが、雰囲気で何かしらを察したのか、そのままジオグレイモンへ指示を送る。
その隙に、園子はジオグレイモンから降りて、Dドルガモンのもとへと向かう。
園子「・・・・・呼んでいたのは・・・あなただね・・・?」
Dドルガモン「ぐるる・・・・・!!」
トゲモン「ちょっとソノコ!?危ないから離れてて!!」
トゲモンの忠告を無視して、園子は更に歩を進める。
その時───!
Dドルガモン「グガァ!!」
トゲモン「しまっ・・・!うわぁ!!」
一瞬の隙をついて、トゲモンの拘束から逃れたDドルガモン。そのまま園子へと大口を開けて突っ込んでいき───
園子の右肩に、噛みついた。
彼女の身体から、
全員が叫ぶ。しかし、園子にその声は届いていない。
園子「──────大丈夫」
ぽん、と自身の肉体に噛みつくDドルガモンの頭を撫でる。
園子「判るよ・・・・こんなにぼろぼろになって・・・・痛かったよね・・・・辛かったよね・・・・でも、もう大丈夫」
撫でる手は優しく、抱き締める腕は暖かく、Dドルガモンの全身に、園子の温度が染み渡っていく。
園子「私が一緒にいてあげる。だから、もう、寂しくないよ・・・?」
Dドルガモン「ぐ・・・・・ぁぁ・・・・」
Dドルガモンの口が開き、園子から離れていく。園子についた噛み後は、まるでノイズが走ったようになっていた。
園子「痛ぅ───」
美森「そのっち!!」
銀「園子!!」
東郷と銀が、あわてて園子に駆け寄る。
園子「・・・・・まだだよ」
しかし、園子はDドルガモンへ近付き、優しく、その頭を撫でた。
園子「そういえば~、私、あなたの名前、知らないや~。私は乃木園子。あなたは?」
Dドルガモン「──────ドル・・・ガ・・・・モン」
銀「しゃべった!?」
園子「そっか~・・・・・じゃあ、ドルるんだね~」
美森「あだ名なんて付けてる場合!?」
Dドルガモン「──────ソノ・・・・コ・・・」
園子「はぁ~い」
Dドルガモン「─────────ありがとう」
その一言だけを告げて、Dドルガモンは、目尻に涙を浮かべながら、デジタマへと返っていった。
そのデジタマを抱き上げて、優しく撫でながら、園子は呟く。
園子「・・・じゃあね、ドルるん。また会える日まで・・・・今は、おやすみ」
ことり、と静かに、デジタマが揺れた。
ゆゆテ!
またも分割・・・!
物書きとして恥ずかしくないのか!?