結城友奈はテイマーである   作:渚のグレイズ

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CAUTION CAUTION CAUTION


今回は別の拙作より、ゲストキャラが登場します。
申し訳ありませんが、予めご了承ください。


百四十一話 繋がるココロ。燃え上がる勇気~忘れた方がマシさ~

防衛隊の戦力のほとんどが、陸戦を想定して組まれていたことが、今回に限って言えば裏目に出てしまった。誰も、海から来るリヴァイアモンへ攻撃できないのである。

 

元防人小隊長C「ガルダモンさん!私から手を離して!そうすれば、戦えるでしょ!?」

 

ガルダモン「嫌だ。離す、ない!それに、オレだけ、アイツ、倒す、無理・・・・」

 

元防人小隊長C「だからって、このままじゃ──────」

 

そんな事を話していると、不意に、リヴァイアモンが尾の先端をガルダモンへ向けた。

 

ガルダモン「っ!!!まず─────」

 

気付くのに遅れたガルダモンは、リヴァイアモンの尾から放たれたニーズヘッグモンの熱線を避けられず───────

 

 

 

「バ~~~リアっと」

 

 

 

直撃する寸前で、黒い壁のようなものによって、護られた。

 

元防人小隊長C「───────ふぇ?何?」

 

ガルダモン「・・・・・何?だ?これ、は?」

 

「ったくよォ・・・・鳥人間にクソでけェワニに・・・・この世界はいったい何が起きてこうなってンだ??」

 

どこか機械的な少女の声『識別不明 観測結果を参照したところ デジタルデータで構成された生命体であると 断定します』

 

元防人小隊長C「え・・・・」

 

いつの間にか、ガルダモンの隣には()()()()()()()()()()()()。当然ここは空中。そんな場所に、普通の人間が何の装備も無く居られるはずがない。が、それらしき物を装備している気配はない。あるとすれば、少女の声で喋るスマホ端末くらいか。

 

「どーいうアレだぁ??2000年に発見されたバグデータが、現実の人間に感染でもするようになったとかかァ?」

 

どこか機械的な少女の声『詳細不明 解析の為に サンプルデータを 要求します』

 

よくよく確認すれば、少年の足元には、黒く光る粒子が集まっていた。どうやら、先程熱線を防いだ壁も、同じ素材で出来ているらしい。

 

元防人小隊長C「あなた・・・・何者?」

 

「んー?俺かい?」

 

少年は立ち上がり、ガルダモン達に背中を向けた。腰迄届く長く艶やかな黒髪を三つ編みで一纏めにした、何処か中性的な顔立ちの少年だ。

彼は右手の指を天に向け高々と掲げると、高らかに名乗りを上げた。

 

 

 

 

 

「俺の名は─────『“(かがや)”ける“月”と成りて、総ての“夜”を“()”らす者』!」

 

 

 

 

 

煌月輝夜(こうづきかぐや)─────だ。お見知り置きは、要らないゼ♪」

 

斜め43度くらいの角度で腰を曲げて振り向いた輝夜は、そのまま倒れるようにして、海へと落下した。

 

元防人小隊長C「ちょ!?何して─────」

 

輝夜「あのワニ公倒しゃいーんだろー?そーゆーの、得意なんよーーー。つーワケで、アイラ」

 

アイラ『メインシステム 戦闘モードへ 移行 セーフティ 解除します(アンロック)

 

輝夜「変身」

 

落ちながら、輝夜は至って冷静に端末のアプリを起動し、五色に塗り分けられた花のボタンをタップ。それと同時に着水した。

 

ガルダモン「あいつ・・・落ちたぞ?」

 

元防人小隊長C「えぇ・・・・?(汗)」

 

何か起きるのかと少し期待していた二人は、ちょっとがっかりした。が、次の瞬間───────

 

ザバァ!!!

 

裾の長い学ランを肩に羽織り、どこか勇者装束にも似た雰囲気の衣服を纏い、黒、青、赤、黄、白の五色の光を伴って、輝夜は海中より飛び出した!

 

輝夜「先ずは小手調べ!」

 

アイラ『五武具足 展開 “ヴァジュラ・カノン”』

 

黄色の光が、“大筒”と呼ばれる手持ちサイズの大砲へと変化すると、それを掴んでまずは一射。雷を帯びた散弾が、リヴァイアモンを襲う。

が、リヴァイアモンは怯みもせず、輝夜に熱線を放つ。

 

輝夜「おっと!?」

 

アイラ『権限 強制移行』

 

熱線が輝夜に直撃する寸前で、輝夜の黒い瞳が金色に輝く。その途端、輝夜がアクロバティックに熱線を回避。ヴァジュラ・カノン側面にある二つのツマミを調節し、リヴァイアモンへ向けて二連射。放たれた()()()はリヴァイアモンの目を穿ったのだった!

 

アイラ「『命中確認 されど 致命傷には 至らず』」

 

輝夜『「やるじゃんチクショー。俺より活躍しやがって・・・・」』

 

いつの間にか、輝夜とアイラの声が、()()()()()()()()()()()()()。即ち、アイラの声が輝夜から、輝夜の声が端末から、聞こえてくるのだ。

 

アイラ「『展開 “無花果(いちじく)” “双炎義(そうえんぎ)”』」

 

ヴァジュラ・カノンを投げ捨てたアイラは、青い光から巨大な扇を、赤い光から二振りの小太刀を、それぞれ取り出すと

 

アイラ「『輝夜 お願いいたします』」

 

輝夜『「あいよー♪───────錬金合成(アルケミックフュージョン)」』

 

二つを、一つに合体させた。表れたのは、巨大な剣。その刀身には炎と風が纏わり付いている。

 

輝夜『「完成─────“紅蓮業(ぐれんごう)”」』

 

アイラはそのまま、紅蓮業と名付けられた大剣を振り下ろし、炎の竜巻をリヴァイアモンへと放つ。

炎と風の断続的な攻撃が、リヴァイアモンの巨体をズタズタに引き裂いていく。このままリヴァイアモンは細切れになっていくだろう。誰もがそう思っていた、その時─────

 

リヴァイアモン「!!!!」

 

ばくん、とリヴァイアモンが炎の竜巻を呑み込んだ。そして再び口を大きく開くと

 

アイラ「『!?』」

 

輝夜『「替われ!」』

 

灼熱の破壊光線を、アイラ目掛けて放ったのだった!

 

元防人小隊長C「うそ・・・・やられちゃった・・・・?」

 

ガルダモン「・・・・いや、平気」

 

輝夜「あっぶね~~~!ギリセーフ!!」

 

直前で操作を切り替えた輝夜が、黒い粒子の障壁を展開することで、リヴァイアモンの渾身の一撃を防いだようだ。

 

輝夜「よく見りゃダメージ回復してやがる・・・・小手先の小技じゃ、こんなモンか・・・・」

 

アイラ『否定 先程の“凰翼翔”を補食した結果 此方の攻撃への 免疫を獲得したものと 推測します』

 

輝夜「めんどくせェ・・・・いっそ大技で仕留めるか」

 

アイラ『疑問を提唱 敵性個体の耐性が どれ程なのか不明です 効いたとしても 倒すまではいかないかと』

 

エグザモンX「ほう・・・・ならばこの我が助力してやろうではないか。異界からの者よ」

 

輝夜「ん?なんだ??」

 

アイラ『CAUTION 海中より 巨大なエネルギー反応を

確認 浮上してきます !』

 

アイラの警告と共に、海底に沈んだはずのエグザモンが飛び上がる。聖騎士然とした鎧兜を纏った姿で。

 

エグザモンX「この我が、よもやX抗体の力を使うことになろうとはな・・・・・反省しよう。キサマを侮っていた、と」

 

しかし!!と、全身からドラゴニックプラズマを放出しながらエグザモンは叫ぶ!

 

エグザモンX「ここからは我も本気だ・・・・!!全力でキサマを叩き潰してやろうぞ・・・・!!!」

 

輝夜「うひゃぁ・・・・電気バチバチなクソデカドラゴンが出てきたよ・・・・・もう何でもアリだな、この世界」

 

エグザモンX「異界よりの客人よ。我が威光に気圧されぬとは、見処があるな!!我が名はエグザモン!!臣民は我を“竜帝”と呼ぶ。御主もそう呼ぶが良い」

 

輝夜「アッハイ」

 

そんなやりとりをしている最中にも、リヴァイアモンはエグザモンへと接近しており、既に目と鼻の先にまで迫っていた。

 

エグザモンX「無礼者がァ!!!!」

 

再びリヴァイアモンが噛み付く・・・その寸前で、エグザモンのドラゴニックプラズマから『雷剣ブレイラガハ』が放たれ、リヴァイアモンを迎撃する。

 

輝夜「おっ?なんかおもしれーことしてンじゃ~~~ん。んじゃ、俺も」

 

そう言って取り出したのは、真鍮製の錠前。

 

輝夜「応えろ “鍵錠剣ニルヴァーナ”」

 

側面のボタンを押し、錠前が開く。瞬間、錠前が大きくなり、鍵と錠前が組合わさった形状の、杖のような剣へと変化した。

 

アイラ『五武具足 全展開』

 

アイラの号令に呼応して、五色の光が再び輝夜の周囲に集まると、その形を変えた。

 

 

一つは、黒い薙刀 “穿ち水月”

 

一つは、青い扇 “無花果”

 

一つは、赤い二振りの小太刀 “双炎義”

 

一つは、黄色の大筒 “ヴァジュラ・カノン”

 

一つは、白い拳当て(ナックルガード) “金剛拳”

 

 

それら五つの武具が、輝夜が掲げたニルヴァーナへと吸い込まれていく。

五つすべてが吸い込まれた後、輝夜はニルヴァーナの鋒を自身の腹へ向けて──────

 

 

 

輝夜「七曜合体(セブンシスフュージョン)──────」

 

 

そのまま、突き刺した!途端に溢れだす黒い粒子。かと思いきや、周囲の海水ごと、黒い粒子がニルヴァーナへと吸い込まれていく。

 

エグザモンX「ぬぅ!?御主・・・・我の力を吸い取ろうとしているのか!?」

 

輝夜「そんなつもりはねーですよ・・・・・っと」

 

吸い込みが収まった段階で、輝夜は腹に刺さったニルヴァーナを引き抜いた。肉を斬る嫌な音を立てながら抜かれたニルヴァーナはしかし、以前と異なる形をしていた。

 

七つの枝が付いた刀剣────即ち、七枝刀の形だ。

 

アイラ「『完成 七曜剣“ラーヴァナ”』」

 

輝夜「改良型の初お披露目がこんな場所とはなァ・・・・・」

 

アイラ「『提案 予行演習 ということにするのは 如何でしょうか』」

 

輝夜「乗った♪」

 

エグザモンX「・・・・御主、面白い精神構造をしておるな」

 

この時輝夜の瞳は、黒と金の、左右で異なる色となっていた。

それはつまり、先程まで輝夜とアイラが入れ替わり立ち替わりで身体を操作していたのに対し、今は二人が同時に操れるようになっている。ということ────

 

輝夜「それを見抜く王サマもなかなかやるジャン♪」

 

アイラ「『“竜帝”の名は 伊達では ありませんね』」

 

エグザモンX「フハハハハハハ!!!我を崇めよ!!!!」

 

そんなやり取りをしている最中だが、リヴァイアモンは『雷剣ブレイラガハ』に翻弄され、輝夜達の方には来られない。

 

エグザモンX「さて、ではそろそろいい加減にトドメを刺すとしよう」

 

輝夜「あいよ。この間考えた超必殺技のお披露目と行こう!!」

 

アイラ「『了解 突撃します』」

 

真っ直ぐにリヴァイアモンへ突っ込んでいく輝夜。それに気付いたリヴァイアモンが、尾から熱線を放ち輝夜を迎撃する。

 

が、その直前。突如として七曜剣“ラーヴァナ”が輝夜共々分裂。

 

 

輝夜「超究武踏奥義──────」

 

まずは青い扇“無花果”が竜巻を巻き起こしてリヴァイアモンの動きを封じる。続けて赤い小太刀“双炎義”による連続攻撃。その隙間を縫うように、黄色の大筒“ヴァジュラ・カノン”による狙撃がリヴァイアモンを襲う。二人の輝夜と入れ替わるように、白い拳当て“金剛拳”を装備した輝夜が拳のラッシュを繰り出す。最後に渾身のアッパーを叩き込み、リヴァイアモンを上空へカチ上げる。そこへ黒い薙刀“穿ち水月”を振るう輝夜が、周囲の海水を槍の形に変え怒涛の勢いでリヴァイアモンを突き穿つ。

 

アイラ「『木は火を生み 火は土を生み 土は金を生み 金は水を生む─────これぞ 世の理 なり』」

 

輝夜「“神羅万象・界”!!!」

 

瀕死の重傷にまでダメージを受けたリヴァイアモンへ、左拳を玄く輝かせた輝夜と、右拳を素く輝かせたアイラが突撃し、同時に拳を叩き込む!!

瞬間、二人から拳を叩き込まれたリヴァイアモンが大爆発を引き起こす。そこへ更に追撃がかかる!

 

エグザモンX「行くぞ、“究極戦竜槍アンブロジウス”!!」

 

既に虫の息のリヴァイアモンへ、エグザモンがアンブロジウスを突き刺し、ドラゴニックプラズマからの雷を叩き込む!!

 

エグザモンX「喰らえィ!!!『ペンドラゴンスパークル』!!!」

 

その一撃で、リヴァイアモンは電脳核ごと焼き付くされたのだった。

 

輝夜「おー・・・・やるねェ王サマ」

 

エグザモンX「うむ、御主もなかなかの動きだったぞ」

 

アイラ『報告 どうやら 時間のようです』

 

アイラからの報告に輝夜がいぶかしむと、輝夜の身体が足下から消えはじめていた。

 

輝夜「ありゃ、もうお帰りの時間みてーだ」

 

エグザモンX「うむ。いずれまた会おうぞ」

 

輝夜「会える・・・・のかなぁ??」

 

アイラ『不明です ですが       また 会いたい です』

 

輝夜「・・・・・・・だな」

 

輝夜の姿が消え去るのと同時に、倒されたリヴァイアモンから光が飛び上がる。

 

元防人小隊長C「・・・・・なんか、よくわかんない内に、おわっちゃった」

 

ガルダモン「・・・・うん」

 

エグザモンX「────────あの光・・・・・そうか、そういう事か!」

 

クハハハハハハハハ!!と、エグザモンがお腹を抱えて高笑いをする。

 

エグザモンX「良いだろう!見せ場は譲ろうではないか!!世界救済の大命・・・・見事果たせよ、勇者達よ!!!」

 

 




┌────┐┌───┐
│煌月輝夜││アイラ│
└────┘└───┘
登場作品:契約者達への鎮魂歌シリーズ
とある機関によって産み出された人造人間(ホムンクルス)
その目的は、“エネルギーを受けて繋がり、情報を蓄積する瞬間に微弱なエネルギーを発する黒い粒子”を使って造られた量子演算式小型人工知能(フォトン・ドライヴ)の運用実験。
アイラはフォトン・ドライヴの管理AIで個体識別番号"AIーNo.La:6(セスタ)"。
以前は両足と左腕が義肢だったが、なんやかんやあって、今は肉体とフォトン・ドライヴと義手義足が、細胞レベルで雑ざっている。主に七曜剣のせい。

―――――――――――†――――――――――

というわけで、かぐやちゃんでした。
この形態のかぐやちゃんは、現在(2024,04,28)時点でまだ本編に出ていません。ごめんなさい。
気になった人は、拙作『契約者達への鎮魂歌』を読んでみてね♪(ダイレクト)

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