結城友奈はテイマーである   作:渚のグレイズ

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ゆゆテ!

ちなみに、前回の園子様のアレは、"BLEACH"の織姫とその兄のアレを参考にしてます。
デジモン関係ないけど、そこはお許しを!


十三話 触れ合う心。痛みすらも和らげて ー友奈編ー

しばし、その場でたたずんでいた園子であったが、不意に視界が歪み、後ろに倒れていった。

 

園子「・・・・・・・あれ?世界がま~わ~る~?」

 

銀「よっと・・・まったく、無茶するなぁ!?現実世界だったら死んでたぞオマエ!」

 

倒れる園子を銀が抱き止める。その隣には東郷の姿もある。

 

美森「ホントよ!!・・・・もう、心配させないで・・・・」

 

園子「あはは~・・・・ごめんね、ミノさん、わっしー・・・」

 

和やかな時間が流れる。

しかし、それは唐突に終わりを告げた。

 

ジオグレイモン「ぬおっ!こいつ・・・・動き出して・・・くっ!!大人しくしろぉ!!!」

 

銀「ジオグレイモン!?」

 

今まで大人しかったシェイドラモンが、再び、暴れだしたのだ。

 

ジオグレイモン「ぐ・・・・・ダメだ!抑えきれない・・・・・なんつーパワーだ!」

 

シェイドラモン「キシャァァァァァァァァァァ!!!!!!」

 

ジオグレイモン「うおぉぉぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」

 

銀「なんてやつ・・・・ジオグレイモンを押し倒しやがった!?」

 

シェイドラモンは辺りを見回し、そして、園子の抱えるデジタマに気付く。

 

シェイドラモン「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

 

美森「こっちに向かって来る!?」

 

銀「狙いは園子か!?」

 

園子「・・・・!!」

 

園子はダメージで動けない。万事休す、と思われたその時───

 

 

 

 

 

友奈「もう止めてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

園子たちとシェイドラモンの間に、友奈が立ちふさがる。その手に、自身の端末を持って。

 

美森「友奈ちゃん!?」

 

シェイドラモン「ギギ・・・!?」

 

シェイドラモンが友奈の眼前で静止し、そのまま地面に降り立った。

 

樹「・・・・・止まっ・・・た・・・?」

 

歌野「ホワイ?どういうことなの?」

 

美森「・・・・・友奈ちゃん」

 

シェイドラモンは、じ・・・と友奈を見つめて動かない。しかし、その瞳には動揺が見て取れる。

 

友奈「ミノモン。あなたの記憶を見たよ」

 

シェイドラモン「・・・・・・」

 

友奈「おじいちゃんたちを・・・・町のみんなを食べられちゃったこと・・・・全部、ね」

 

シェイドラモンは何も答えない。

 

友奈「でも!だからって、こんなことをしても誰も喜ばない!町のみんなは、ミノモンに敵討ちなんて、望んでないよ!」

 

シェイドラモン「ギギ・・・!」

 

友奈「・・・・・・どうしてもだめ?だったら・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友奈「私たちが、相手になる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブイモンが無言で友奈の隣に並び立つ。真っ直ぐにシェイドラモンを睨み付けながら。

 

シェイドラモン「!?!?」

 

友奈「もうこの子は、そのちゃんのパートナーなんだよ。そのちゃんは私の大事な友達。そのパートナーを攻撃するって言うのなら・・・・」

 

言葉を区切る。

意を決して、突き放す様に、友奈は告げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友奈「私はあなたを許さない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シェイドラモン「ギ・・・ああ・・・」

 

途端に、シェイドラモンから勇気のデジメンタルが抜け、ミノモンへと退化した。

勇気のデジメンタルは友奈の中へと返っていき、ミノモンはその場で、縮こまっていた。

 

友奈「・・・・・ミノモン」

 

ミノモン「・・・・・ぐす」

 

そんなミノモンのそばまで近寄り、友奈はミノモンを抱き上げた。

 

ミノモン「・・・・・・ぼく・・・は・・・」

 

友奈「・・・・ミノモンの気持ちは、ちょっとだけ、私も判るよ。でも、だからこそ、だめなんだよ」

 

ミノモン「・・・・・・・なんで?」

 

友奈「おじいちゃん、最期になんて言ってたっけ?」

 

ミノモン「・・・・ジジモン?」

 

ミノモンは思い出す。ジジモンの最期の言葉を。

 

友奈「たしか、こう言ってたよね───」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『生きろ。そして、自分の幸福を掴み取れ・・・!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミノモン「あ・・・・」

 

友奈「ミノモンのさっきの行動は、それを踏みにじる、ひどいことだったんだよ?」

 

ミノモン「・・・・・・ぼく」

 

友奈「でも、もうわかったよね?」

 

ミノモン「・・・・・・・・」

 

項垂れるミノモン。そんな様子を見て友奈は、

 

友奈「大丈夫!」

 

ミノモンを天高く持ち上げ、真っ直ぐ、ミノモンの瞳を見つめる。

 

友奈「私が一緒に探してあげるよ!そうすれば、きっとすぐに見つかるって!」

 

ミノモン「・・・うん。えっと・・・・」

 

友奈「私、結城友奈。友奈って呼んで欲しいな」

 

ミノモン「ユーナ・・・・じゃあ、ユーちゃんだね」

 

友奈「ユーちゃん!?わぁ♪すごく良い♪じゃあそれで!」

 

ミノモン「うん。ユーちゃん」

 

友奈「これからよろしくね♪ミノモン!」

 

ミノモン「よろしく。ユーちゃん」

 

ミノモンは弱々しく、それでも、ちゃんと笑顔で、友奈に答えた。

 

―――――――――――†――――――――――

 

一連の騒動が収まったことを確認した友奈たちは、歌野とパルモン、戦えない東郷とケガの酷い園子を残して、はじまりの町へと戻った。

そこには───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボロボロのハックモンとギルモン、その二体に寄り添う風と夏凜の姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友奈「風先輩!?夏凜ちゃん!?」

 

銀「なんだよ・・・こっちはこっちでどうなって・・・」

 

???「あら。漸くのお出ましなの?」

 

声のした方を見る。そこには、大鎌を持った黒髪の少女と、黒い人型のデジモンがいた。

おそらく、彼女たちが、ハックモンとギルモンを痛め付けたのだろう。

しかし、友奈たちの視線は少女の方向に向いていた。

正確には、彼女の着ている服に。

 

樹「それ・・・・その服は、まさか・・・・!!」

 

???「あら、察しが良いのね。じゃあ遠慮なく名乗らせてもらうわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は郡千景。歴史の闇に葬られた、失格の勇者よ・・・」

 

そう言って千景は、妖艶に微笑んでみせたのだった・・・




─次回予告─
千景のパートナー、ベルゼブモンにより、窮地に立つ勇者部。
彼女の目的はいったい・・・!?
そして、遅れてやって来た歌野が繰り出す、最終手段とは!?

次回『勇者部の危機。歌野、マトリクスエヴォリューション!』

今、新たな冒険の扉が開かれる………

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