そこにある隙間を、園子は覗いていた。
園子「・・・・・・そっか~、そういう事だったんだ~・・・・」
美森「あ、いた!そのっち!!」
園子「あ~、わっしー。ヤッホー♪」
美森「もう!こんな所で何していたの?みんな待ってるわよ!」
園子「は~い」
二人が下山する。
誰も居なくなった瞬間、先程まで、園子が見ていた隙間から、何かが蠢く気配がした・・・
事が終わり、一行は関所の手前にて合流した。
銀「山頂でそんな事が・・・」
夏凛「で、Dー3は動くの?」
友奈「あ・・・・・うん。Dー3は動くようになったけど・・・・・」
風「そういえば、肝心のアップデート内容を聞くの忘れてたわ」
樹「えぇ・・・・?」
レイ「・・・・この際だから、Dー3が使用できるなら、それで良しとしましょう。さぁ、行くわよ」
雀「え?どこに?まさか、また変なところに行くの!?や↑だ↓よぉ↑~~~!!また危険な目にあうのはゴメンだよぉ~~~」
銀「大丈夫だって。聞いた話だと、こっちを攻撃してくるようなデジモンはいないみたいだし」
雀「デジモンだけとは限らないでしょ!?鎌持った人が暗躍してるんだよ!!もし、その遺跡で待ち伏せされてたら・・・・・・・・・・・・・うぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!こ~~ろ~~さ~~れ~~る~~!!!!!!!」
レイ「・・・・・無視して行くわよ」
雀「そんな後無体なぁ!?無視しないでよぉ~~~~。て、あ、ちょっと待って!置いてきぼりはもっと無しだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・」
―――――――――――†――――――――――
喚く雀を引き摺って、一行はケイコウ街道を歩く。
樹「この道、『ケイコウ街道』って言う割には、特に変わったところは無いんですね」
銀「あー、それな。アタシもちょっと思った。なんでここ、『蛍光』街道なんて名前にしたんだろ?」
???「それは、雷煌遺跡があるからさ」
雀「ひぇ!?だだだだだ誰!?」
美森「あなたは・・・・」
声のした方向を見ると、そこには、レナモンの姿があった。
レナモン「久しいな・・・ミモリ・・・やはりソナタとは再び逢い
美森「お久しぶり、というほど時間が経ってはいないけど・・・・兎も角、また会えて嬉しいわ。レナモン」
レイ「あなたが、遺跡の管理者ね?」
レナモン「観測者か・・・・漸く、"あの方"から賜った使命を果たす時が来たようだな」
ついてこい、と言外に語り、レナモンは一行に背を向けて歩き出した。
雀「私にはわかる・・・・これは罠だ!ああやってこっちに協力してくれるような素振りを見せて、隙をついてドカーン!って一網打尽にするつもりなんだ!!!」
夏凛「ハイハイ。バカ言ってないでとっとと行くわよ」
雀「あぁーん!待ってぇ~~!!」
―――――――――――†――――――――――
レナモンの案内で遺跡内部に入った途端、レイは驚きの声を上げた。
レイ「──────これは!?」
銀「どうしました?何があったんです?」
風「この、壁に書かれている文字?がどうかしたの?・・・・そういえば、この文字ってこの世界の文字なの?」
レイ「ええ、そうよ。デジ文字と言うの・・・・・それより!なんて事!!まさか・・・・過去にこんな事が・・・・」
レナモン「ここに書かれている事は、全て真実です。奥へご案内します。お見せしたい物があるのです」
樹「見せたい物・・・?」
レナモンに従い、奥へと進む。やがて、広間と思われる開けた場所に出ると───
友奈「わぁ・・・・・!でっかい絵だ・・・・!!」
美森「これ・・・・は・・・・・」
そこには、巨大な怪物に立ち向かう、五人の少女とそのパートナーデジモンとが描かれていた。壁画の四隅にも、デジモンが描かれている。
友奈「あ・・・!ねえ、東郷さん!風先輩!あれ!あの左上の!」
美森「どれ?────あ!」
風「あれって・・・・シェンウーモン!?」
銀「あれが?─────へえ、なんか亀みたいなデジモンなんだな」
園子「あれ~?ミノさんはシェンウーモン、会ったことないの~?」
銀「うん。ムゲンマウンテンは何度も登ったことあるけど、頂上には何にもなかったよ」
レイ「恐らく、シェンウーモンの『霧幻』でそういう風に見せられていたの─────なるほど、そういう事」
友奈「レイさん?」
レイ「レナモン。この遺跡も同じように、シェンウーモンが『霧幻』で隠していたのね」
レナモン「ああ、そうだ。この文献を書かれた"あの方"────アンズ様の頼みでな」
樹「杏?」
レナモン「イヨジマ・アンズ様。その壁画にも描かれている、『デクス・ウォーズ』の英雄だ」
そう言って、レナモンが指差したのは、白い神秘的な衣装を纏い、クロスボウを持った少女。
園子「イヨジマ・・・・・伊予島?うーん、どっかで聞いたような・・・・見たような・・・・?」
夏凛「何言ってるのよ園子!伊予島って言ったらあんたのご先祖様が残した勇者御記に書かれてた、西暦の勇者たちの一人でしょうが!!」
園子「あ!そっかぁ~。・・・・・んん?ということは~~・・・・・・ぴっかーんとひらめいた!!」
銀「お♪なんかそれ聞くのすっげー懐かしい♪」
美森「そのっち、何が分かったの?」
咳払い一つして、園子が語り始める。
園子「あのね、ここに描かれている五人。多分だけど、この人たちは、私のご先祖様とその仲間たち。つまりは───」
美森「西暦時代の、勇者たち?」
風「いやいや!そんなバカな話─────あ、そっか。歌野」
園子「うん。農業王がここにいる。これが何よりの証拠なんよ~」
レイ「ええ。どうやら園子の予想は正しいみたい」
友奈「レイさん」
レイは自前のノートPCを操作しながら、園子の予想を肯定する。
レイ「ここに書かれている文献は、どうやら、『デクス・ウォーズ』で彼女たちが体験した事のようね」
そう言って、レイは、解読した文献を読み始めるのだった………
─次回予告─
それは、六人の少女たちが経験した、『終わり』のその後の物語。
再会と出会い。
危機と決意。
そして────────再びの死別の物語。
次回『デクス・ウォーズ』
今、新たな冒険の扉が開かれる………