結城友奈はテイマーである   作:渚のグレイズ

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端的に言ってしまえば、この研究施設は、()()()()()()()()()()()()である。
それも、()()()()()()()()()()()()()()()()()()によって、である。

彼らが何故、どのようにしてこの世界に来たか迄は解らないが、確かなのは、彼らの研究によってデジ・バーテックスが産まれ、『デクス・ウォーズ』の戦禍が大規模に渡ることになったということだ。

故に『デクス・ウォーズ』を生き延びた勇者達は、この施設を全て破壊してきた。その数、なんと20。
しかし、この20の施設の内に、この施設は存在していなかったのだった………





二九話 破壊の獣。ドルゴラ・バーテックス降臨!!

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数時間前、友奈達が雷煌遺跡にいる頃

 

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「はぁ・・・・はぁ・・・・ここも遂に危なくなってきたか・・・・だが、もう遅い・・・!」

 

???「なにがー?」

 

「奴らがここを嗅ぎ付けようとも、我らの研究成果は既に完成へと至った!!あとはそれを実現するのみ!!」

 

???「ふーん、頑張ったんだねー」

 

「そうだとも!!全てはあの忌々しき神樹の加護を受けし女共を打ち倒す為!!そのために、私は・・・・!!」

 

???「偉いねぇ・・・・・本当、よく頑張ったねぇ・・・・・」

 

「──────さっきから誰だ?ここには私一人だけしかいない・・・・はず・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっほー♪赤嶺さん家の友奈だよ~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な!?きさ──」

 

赤嶺「火色、舞うよ」

 

果実が潰れるような音と共に、研究員は消失した。

 

赤嶺「さて、どうしよう・・・・・私じゃもうどうにも出来ないし・・・・・ここはぐんちゃんに連絡・・・かなぁ・・・・」

 

無骨な手甲に覆われた右手を耳元に持っていき、番号をしゃべる。すると───

 

千景『─────何か用事?』

 

三コール鳴った後に、千景が出た。

 

赤嶺「あ、ぐんちゃん♪忙しいとこごめんねぇ~?ちょっと、見てもらいたいものがあってさ~?」

 

千景がこの施設に来るのは、この数分後であった。

 

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現在・とある森の中

 

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赤嶺「お?ムゲンマウンテンが崩れ始めてる・・・・・ぐんちゃんは間に合わなかったかー・・・・」

 

冷めた表情のまま、標識の上に座り、ムゲンマウンテンを見つめる赤嶺。

頂上から崩壊を始めるムゲンマウンテンの中から、何かがせりだしてくる。

研究施設にあった巨大培養槽である。

培養槽が完全に露出した瞬間、中に眠るドルゴラ・バーテックスが目覚め、

 

 

 

 

 

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

けたたましい咆哮を上げ、培養槽を破壊してみせた!

そのままドルゴラ・バーテックスは翼を広げて羽ばたく。

が、一mほどその場で上昇して、墜落してしまったのだった。

 

赤嶺「・・・・・・んー?なんか、変?」

 

それもそのはず、あの瞬間、東郷が打ち込んだプログラムは、緊急用に用意された対消滅プログラムだったのだ。最も、それが完全に作用するのは未完成状態の時。完成してしまった現段階では、その効果は充全に発揮されない。

が、それでもプログラムの効果により、今のドルゴラ・バーテックスは本来のスペックよりも大幅に弱体化している。

それ故、飛ぶことすらできなくなっているのだ。

 

赤嶺「・・・・・・なるほど、ぐんちゃんがなんかしたんだね。さっすが~♪」

 

標識から飛び降りつつ、迫るデジ・バーテックスを蹴散らすと、赤嶺ははじまりの町方面へと向かうのだった。

 

 

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歌野の農場

 

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ドルゴラ・バーテックスの出現は、デジ・バーテックスの群れと戦う歌野たちにも見えていた。

 

歌野「ワッツ!?何なのあれ・・・・!」

 

風「どう見ても味方じゃないわよね・・・・」

 

レイ「──────まさか、デクスドルゴラモン!?それにしては少し色が違うけど・・・・」

 

樹「デジモンにも、色違いとかあるの?」

 

サンフラウモン「色が違ったら、もうそれは別のデジモンだから、基本的には無いわ」

 

雑談に興じながらも、迫り来るデジ・バーテックスを撃退できているのは、彼女たちが慣れてきたからか。

 

風「アレが何かはわからないけど、ムゲンマウンテンから出てきたってことは、バーテックス(コイツら)と何かしら関係があるってことよね・・・・・・友奈たちは大丈夫かしら?」

 

ギルモン「──────────」

 

風「ん?ギルモン?どうしたのよ、ボーっとして」

 

ドルゴラ・バーテックスが現れてから、ギルモンはそちらを睨み続けている。

 

ギルモン「──────────Aa」

 

風「ギルモン?」

 

ギルモン「──────────Uaa・・・!」

 

風「ちょっとギルモン!聞いてるの!?」

 

ギルモンの頭をぺちぺち叩く。が、反応が無い。

 

風「レイ!!私のギルモンがなんかおかしい!!」

 

レイ「どういう言い方よ・・・・・あのデクスドルゴラモンに反応してるみたいだけど・・・・」

 

と、その瞬間───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドルゴラ・バーテックスが雄叫びをあげる。

更にそこに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギルモン「Aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風「うわっ!?今度は何!?」

 

レイ「やっぱり、あれに反応してる・・・・!風!ギルモンを正気に戻して!」

 

風「ええ!?どうやって!」

 

歌野「そんなのベリーイージーよ!ペンデュラムを使って!!」

 

風「ペンデュラムを?」

 

端末を取り出し、ペンデュラムを起動させる。

 

風「どうすれば良いの?」

 

歌野「エヴォリューションよ!!」

 

風「えぇ!?そんな簡単にできるの!?」

 

歌野「大切なのはハートとソウルよ!!ノープロブレム!思いが通じれば、必ずパートナーは答えてくれる!!」

 

風「思いが通じれば──────よぉし!!」

 

未だ叫び続けるギルモンに、ペンデュラムを向け、気合いを入れる。

 

 

 

 

 

風「ギルモン!!進化よ!!」

 

 

 

 

 

EVOLUTION

 

 

 

 

 

ギルモン進化───!!!

 

 

 

 

 

グラウモン!!!

 

 

 

 

 

風「うっそー・・・・本当に進化できた・・・・」

 

 

┌─────┐

グラウモン

└─────┘

魔竜型デジモン

「深紅の魔竜」と呼ばれている魔竜型デジモン。ギルモンの頃にあった幼さは消え、より野性的で凶暴なデジモンへと進化をしている。グラウモンの咆哮は大地を揺るがすほどの威力を持っており、戦いの前には攻撃的な唸り声をあげ敵を威嚇するぞ。必殺技は両肘のブレイドにプラズマを発生させ敵を攻撃する『プラズマブレイド』と爆音と共に強力な火炎を吐き出す『エキゾーストフレイム』だ!

 

グラウモン「─────あれ?オイラ・・・」

 

風「しかも正気に戻ってる!?」

 

歌野「これこそ!ラブパワーよ!!」

 

風「なにがなんだかよくわかんないけど、とにかく戻って良かったワ!」

 

グラウモン「・・・・んー、ま、いっか!」

 

樹「・・・・・・・良いんだ(汗)」

 

と、そこにドルゴラ・バーテックスの必殺技『メタルインパルス』が飛んでくる。

 

全員『うわぁぁぁぁぁぁ!?!?!?』

 

風「ツッコミが飛んできた!!」

 

トゲモン「んな訳ないでしょ・・・・・・来るわよ!」

 

咆哮を上げ、ドルゴラ・バーテックスが襲い掛かってきた!!

 

風「全く・・・・全員、アイツが何なのか良くわからないけど、とにかく撃退するわよ!!」

 

全員『オッケー!!』

 




─次回予告─

ドルゴラ・バーテックスと対峙する風たち。そこに夏凜と雀が参戦する。
一方その頃、友奈たちは再び雷煌遺跡へと向かっていた………

次回『雷鳴轟く友情!決戦ドルゴラ・バーテックス!!』

今、新たな冒険の扉が開かれる………

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