結城友奈はテイマーである   作:渚のグレイズ

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デジ・バーテックスは、デクスモンの断片データから抽出されたバーテックス因子を、デジタマに注入する事で造ることが出来る。

元・天の神の分御霊とは言え、デクスモンは人類を粛清しようとした神である。しかし、自身を信奉する者たちに対しては、神であるが故に寛大であった。
だからこそ、彼らは因子を手に入れ、それを研究する施設を造ることが出来たのだった………



三十話 雷鳴轟く友情!決戦ドルゴラ・バーテックス!!前編

友奈「どうしよう・・・・・あのデジモン───あれ?デジモン?バーテックス?」

 

千景「・・・・・そういえば、どっちなのかしらね?」

 

銀「どっちでも良いよ!!とにかく、アイツをなんとかしなくちゃ!!」

 

園子「わわわ!?ちょ・・・ちょっと待って~~!?!?」

 

ドルゴラ・バーテックスが目覚めた時から、園子の腕に抱かれていたデジタマは激しく振動していた。

そして、今、園子のデジタマが光輝き───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「─────ふぅ。やれやれ・・・・漸くの出番だね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

園子「お・・・・・おぉ・・・・?」

 

???「やあ、はじめまして。と一応言っておこうかな。ボクはドドモン。こんなでもスライム型の幼年期さ」

 

園子の頭の上で、デジタマから孵ったドドモンが、自己紹介した。

 

┌────┐

ドドモン

└────┘

スライム型デジモン

全身を硬い毛「ミスリルヘアー」に包まれたスライム型デジモン。生まれてすぐに攻撃的な性格が現われ、まだキバが生えていないのに大きく口を開けて噛み付く素振りで敵を威嚇してしまう。この為、他のデジモンにやられてしまうことが多く存在が希少なデジモンである。敵が近づくと『小さな鉄粒』を口から吐いて攻撃するぞ!

 

 

園子「わ~♪ドルるんがしゃべった~」

 

銀「すげぇ・・・・幼年期なのにしっかりしゃべってる・・・・」

 

友奈「わー!よろしくね♪ドルるん!」

 

ドドモン「いつの間にか良くわからないアダ名が付いているけど、まあ、良いさ」

 

千景「・・・・・良いの?」

 

―――――――――――†――――――――――

 

ドドモン「さて、ソノコ。早速で悪いが、良くない知らせがある」

 

園子「なぁに?ドルるん」

 

ドドモンの耳をくにくにしながら、園子が答える。

 

ドドモン「実を言うと、ボクの力は本来よりもだいぶ激減していてね。このままだと進化も出来ない」

 

美森「そんな・・・・・!」

 

ドドモン「本来のボクは究極体のドルゴラモンまで進化できる程度の力を持っていたんだ・・・・・しかし、デクスモンに捕縛され、奴の配下のニンゲンたちによって、ボクの電脳核はいくつかに分けられてね・・・・反応を辿るかぎり、地下に一つ、上空に一つ、それぞれあるようなんだが・・・・」

 

友奈「上空・・・・・もしかして、さっきの!?」

 

千景「可能性は高いわね・・・・もう一つは地下にある、と言っていたわね?」

 

ドドモン「ほう・・・・・その様子、何か心当たりがあると見た」

 

千景「ちょっと待ってて」

 

そう言うと、千景は端末を取り出して、何処かへ電話をかけるのだった。

 

千景「………………あ、ベルゼブモン?そっちの方は大丈夫?」

 

『おう、卵は全部叩き壊してやったぜ。あとは目の前のドルグレ・バーテックスを潰せば、完璧さ』

 

千景「成る程・・・・今はまだ、そのドルグレ・バーテックスは潰さないで」

 

『あ?何でだよ』

 

千景「事情が変わったの。今からそっちにドドモンとそのテイマーが行くから、それまで待ってて」

 

『ドドモンだぁ?・・・・・なるほどな。あのとき感じた気配はソイツのモンか』

 

千景「・・・・・・察知してたの?」

 

『このベルゼブモン様を舐めるなってことだ』

 

千景「・・・・・・・なんで言わなかったのよ」

 

『別の強い気配を感じたからな。オレが出る幕も無いと思って』

 

千景「・・・・・・・報告義務の大切さというものを、後で徹底的に教えてあげるわ」

 

千景は、底冷えするような声音で告げると、電話を切った。

 

ドドモン「ふむ・・・・どうやら直ぐに行った方が良いみたいだね」

 

園子「うん。急ごう!」

 

銀「よし、アタシも着いていくよ!」

 

友奈「なら私たちも・・・・」

 

レナモン「待ってくれ」

 

美森「レナモン?どうしたの?」

 

レナモン「ミモリ、ユウキ。済まないが、一度、雷煌遺跡へ戻らせてくれ」

 

友奈「何かあるの?」

 

頷いて、レナモンは答える。

 

 

 

 

 

レナモン「雷の力を内包したデジメンタル───『友情のデジメンタル』だ」

 

 

 

 

 

____/\/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

同時刻・歌野の農場

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\/\____

 

風「グラウモン!!」

 

グラウモン「『エキゾーストフレイム』!!!」

 

樹「サンフラウモン!」

 

サンフラウモン「『サンシャインビーム』!!!」

 

歌野「トゲモン!!」

 

トゲモン「『チクチクバンバン』!!!」

 

ドルゴラ・バーテックスとの戦いは、殆ど一方的であった。

全員の一斉攻撃を食らっても、ドルゴラ・バーテックスは微動だにせず、

 

 

 

 

 

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!」

 

 

 

 

 

『ドルディーン』による破壊の衝撃波によって全員が吹き飛ばされたのだった!!

 

樹「そんな・・・・・一撃で・・・・・」

 

レイ「・・・・・仕方ない。もう出し惜しみは無しよ!歌野!!」

 

レイが懐から何かを取り出して、歌野へと投げる。

 

歌野「ワッツ?・・・・・これは!!」

 

レイ「貴方の端末よ!!友奈たちのを見よう見まねで作成してみたけど、時間が無くて、ペンデュラムアプリはインストールできなかったの!!」

 

歌野「ノープロブレム!!それなら手はあるわ!!」

 

言うや否や、歌野は端末と壊れたデジヴァイスを繋いだのだった。

 

レイ「・・・そうか!私が造ったデジヴァイスを使えば・・・・!」

 

歌野「そういう事!─────はっ!?」

 

ドルゴラ・バーテックスが、アプリをインストール中の歌野の方向を向いていた。

このままでは、歌野はドルゴラ・バーテックスの一撃で吹き飛ばされてしまう・・・・!

万事休す、と思われた瞬間───

 

 

 

 

 

「『フリスビッカー』シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥト!!!」

 

 

 

 

 

ティアルドモンの盾が飛んできて、歌野を『メタルインパルス』の一撃から護ったのだった!!

 

歌野「ホワイ!?」

 

ティアルドモン「はじめましてティアルドモンです!!」

 

雀「呑気に挨拶してないで早く盾を戻してぇ!!!」

 

夏凜「歌野!風!樹!大丈夫!?」

 

バオハックモン「加勢に来たぞ!!」

 

夏凜と雀が、戻ってきたのである。

 

風「夏凜!雀!良く戻ってきてくれたわ!!」

 

樹「町の方は大丈夫だったんですか!?」

 

夏凜「平気よ。なんか、友奈に良く似た奴がバーテックス全部倒してくれたのよ」

 

風「友奈に良く似た・・・・・?」

 

レイ「まさか・・・・・あの赤嶺とか言う?」

 

雀「良くわかんないけど、とにかく助かったんだ~・・・・・まあ、それなのに私、また危険な場所に首突っ込んじゃってるけど・・・・・(泣)」

 

ティアルドモン「安心しな!あんな奴の攻撃。今のオレなら簡単に弾ける!!」

 

夏凜「大口を叩くじゃないの。じゃ、守りは宜しく!風、樹、歌野。私たちであいつを叩くわよ!!」

 

樹「了解しました!!」

 

風「ちょっと!なんであんたが仕切ってるのよ、もう!」

 

夏凜の指示に、樹と風がそれぞれの言葉で返事をする。

 

歌野「ソーリー夏凜さん。今ちょっと手が離せないの!ちゃんと後から追いかけるから、先に行ってて!!」

 

レイ「夏凜、悪いけど歌野はしばらく動けないわ。でも安心して。ペンデュラムアプリのインストールさえ終われば、最強の助っ人が用意できるから!」

 

夏凜「・・・・・・わかったわ。なら、ここから先には通さない!」

 

風「あら夏凜~。なかなか格好良いこと言うじゃない~♪」

 

夏凜「うっさい!!行くわよ!!」

 




ゆゆテ!

ドルるんのイメージは『仮面ライダーダブル』のフィリップ。
サイスルのあの人に触発されたのは言うまでもないことだね・・・

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