茨の鞭がほどけかかっているドルゴラ・バーテックスへと、園子が走る。
やはり、というべきかドルゴラ・バーテックスも黙っていない。鎌首をもたげ、園子へと向ける。
サンフラウモン「やらせない!!」
バオハックモン「邪魔はさせない!!」
サンフラウモンとバオハックモンが攻撃を加えて、注意を反らすと
ジオグレイモン「オレたちが抑える!!」
グラウモン「そのうちに、早く!!」
ジオグレイモンとグラウモンが隙をついて、ドルゴラ・バーテックスの頭を地面に抑えつけた。
その隙に、園子が口から、ドルゴラ・バーテックスの体内へと侵入を果たすのだった………
レイ「後は待つのみ・・・・ね」
さっきまでの暴れっぷりが、嘘の様に静まりかえったドルゴラ・バーテックスを見て、レイが呟く。
友奈「そのちゃん・・・・」
美森「そのっち・・・・頑張ってね・・・・!」
園子「ここは─────────────」
ドルゴラ・バーテックスの体内に入った園子を待っていたのは、広い草原だった。
園子「ドルるん?どこ?」
気が付けば、ドルモンの姿も無い。
仕方ないので宛もなくふらふらと歩くことにした。
園子「良い天気~・・・お昼寝したくなっちゃうんよ~」
照り付ける太陽はそれほど熱くなく、そよ風が凪ぐ度に、園子の髪が揺れる。
この、穏やかが過ぎる世界で、園子の様に、のんびりしたいと考える人間は少なくないだろう。寧ろ、そう思わない人間の方が少ないと思われる。
園子「───────はっ!いけない、いけない。ドルるん探さなくちゃ~!」
立ちながら眠りそうになった園子だったが、自分の目的を思い出し、再び歩き出す。
そうして、五時間は歩いただろうか・・・
園子「────────ちょっと、さすがに、疲れちゃった・・・・」
園子が、その場に座り込んでしまった。
そのまま、こてん、と草原に寝転ぶ。
園子「う~ん・・・・気持ち良いんよ~・・・・」
ダメだと頭では理解しつつも、それでも、襲いくる睡魔に抗えず、園子は眠ってしまうのだった………
「・・・・・・こ・・・・・・のこ・・・・・・・・」
園子「・・・・・ぅにゅ」
「・・・・・・そ・・・・・・・・そのこ・・・・・」
園子(んん~~・・・だぁれ~?)
「いい加減起きなさい!!」
ポカッ!
園子「いった~~~い・・・・・!」
銀「須美ぃ・・・さすがにそれはかわいそうだぜ?」
須美「なによ、そもそも銀が遅刻してきたのが原因でしょ!」
銀「うぅ・・・!?それを言われると・・・・・」
園子(・・・・・・あれぇ?)
目の前の二人と園子は、
須美「そのっち?どうかしたの?」
銀「須美に叩かれた所が痛いんじゃないの?」
須美「そ・・・そんなに強く叩いてないわよ!?でも、もし本当にそうなら・・・・ごめんなさい」
園子「え?あ・・・・ううん。大丈夫なんよ~。ちょっとぼーっとしてただけ~」
園子は咄嗟に嘘をついた。
園子(なんだろう・・・・なにか大事なことを忘れてる気がする・・・・)
須美「さ!張り切ってがんばるわよ!!」
銀「おっ!気合い充分ってカンジ!」
園子「??あれ~?どこ行くんだっけ~?」
その言葉に、二人が同時にため息をつく。
須美「もう・・・・忘れたの?私たち、これから
銀「まったく・・・園子はのんびり屋だなぁ」
園子「・・・・・ああ、そうだったね~」
園子(・・・・・本当に?)
確かに、課題研究はあったかも知れない。
でも────
園子(なんだろう~・・・なにか、引っかかるんよ~・・・)
ちくちくと、少しだけ痛む胸の奥に、違和感を覚えながらも、先行する二人を園子は追いかけるのだった………
ゆゆテ!
今回参考にしたのは、『02』の『デジモンハリケーン上陸!!』のアレと、『樹海の記憶』のアレ。