結城友奈はテイマーである   作:渚のグレイズ

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園子とドルモンが内部に突入してから直ぐ、再びドルゴラ・バーテックスは暴れだした。

雀「ひぃ!?また暴れだしたぁ!!まさか・・・・・やられて・・・・」

銀「んなワケない!!園子が、そう簡単にやられるもんか!!」

美森「そうよ!!そのっちのことだもの!きっと、大丈夫よ!!!」

友奈「そのちゃんなら平気だよ・・・・!だって、私たちが、そう信じているから!!!」

そんな友奈の言葉に、一番感銘を受けたのが、他でもない、ミノモンであった。

ミノモン「さすが・・・・ユーちゃんはすごいや!ぼくも、ユーちゃんにそんな風に言って貰えるように、なりたいなぁ・・・・・」

この時、ライドラモンの背に乗り、ドルゴラバーテックスを撹乱する友奈は、気付かなかった。
自身の端末とDー3から淡い光が、溢れつつあると言うことに………


三二話 決着 ー朧の章ー

秋──

 

園子「秋と言ったら、お月見なんよ~!!」

 

須美「それでお団子を用意してあるのね・・・・」

 

銀「うまっ!めっちゃうまいよ、このお団子ー♪」

 

三人で仲良く、お月見をした。

月に纏わる御伽話を須美が話す中、当の本人が寝落ちしてしまう、というトラブルがあったものの、お月見は概ね成功した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

園子(・・・・・・・本当に?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冬───

 

銀「見てくれ!須美!園子!あれが、イネス名物のでっかいクリスマスツリーだ!!!」

 

園子「うわぁ・・・ほんとにおっきい~~!」

 

須美「本当ね・・・・天辺が見えないわ・・・・!」

 

銀「まあ、入り口だからね、ここ。でもでも!中央ホールまで行けば、天辺も見えるようになるから!!」

 

楽しそうにはしゃぐ銀と、釣られて一緒にはしゃぐ園子。嗜めつつも、楽しそうな雰囲気を隠しきれていない須美。

クリスマスも、こうして三人で楽しく遊んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

園子(・・・・・・・・本当、に?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして季節は巡り、春───

 

 

 

 

 

三人共、讃州中学へ入学し、そこで、友奈たちと出会い、勇者部に入部して………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

園子(・・・・・・・・・もう、やめて)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇者部での日々は、三人だけだったころよりも、とても楽しくて、楽しくて・・・・楽しくて・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

園子「・・・・・・もう・・・・やめてよ・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

園子「・・・・・ミノさんは、あの時死んじゃったんだ・・・私とわっしーも、散華で、沢山無くして、離ればなれになって・・・・」

 

銀?「そうだろう。そんな辛い現実なんか忘れて、この世界でずっと楽しく暮らそうよ」

 

先程まで銀だったなにかが、園子に優しく語りかけてくる。

 

銀?「これ以上、現実に居たって辛いことばっかりだろう?キミは十分頑張った。なら、ちょっと休んでも、誰も文句は言わないさ・・・・」

 

黒い影と化した銀が、園子に近付き、その肩に触れて───

 

 

 

 

 

園子「でも!!!」

 

 

 

 

 

 

泣きながら、園子は影を振り払う。

そして、告げる。

 

園子「ミノさんと、わっしーと、みんなと出会えたことを!!私は、否定したくないから!!!」

 

影「なんで・・・?現実なんて、辛いばっかりじゃないか・・・・なのに・・・・なんでぇ・・・・・!!」

 

影が園子に襲いかかる。

 

園子「・・・・・ありがと、私はもう、大丈夫だから」

 

園子が手を翳すと、虚空から、一本の槍が現れる。

小学生時代、彼女が奮っていた槍だ。

 

園子「はぁぁぁぁぁ!」

 

一閃。槍を薙ぐ。

それだけで、影は消え去った。

後に残ったのは、何処までも続く、暗闇のみ。

 

園子「・・・・・・・・辛いことも、嬉しいことも、全部ひっくるめて、今の私が、ここにいるんだ・・・・!」

 

槍を左手に持ち、空いた右手を再び掲げる。

すると、再び虚空から、もう一本の槍が現れた。

今度は、睡蓮の意匠が施された槍。銀の死後、バージョンアップした彼女のもう一つの槍だ。

 

園子「それを否定なんて・・・・私は、したくない!!」

 

二本の槍を奮い、暗闇を切り裂く。

ガラスの割れるような音を立てて、夢の世界は崩壊した。

その後、園子は先程までいた草原に立っていた。

両手の槍は消えており、目の前には、ドルモンがカプセルの中で眠っている。

 

園子「・・・・行こう、ドルるん。みんなのいる場所に」

 

ドルモン「────────ああ、やっと来たのかい」

 

カプセルからドルモンを取り出すと、園子の腕の中で、ドルモンは目覚めた。

 

ドルモン「済まないソノコ。まさかこんなトラップが仕掛けられているとは思わなかったんだ・・・・」

 

園子「ドルるん。こういう時は、『ありがとう』って言うべきなんよ~♪」

 

ドルモン「・・・・・・そうか。ありがとう、か・・・」

 

園子の腕から降りて、ドルモンは園子にお礼を告げる。

 

ドルモン「ありがとうソノコ。キミのおかげで、ボクの電脳核を取り戻すことができた」

 

園子「ほんと?良かったんよ~。それで、どうやってここを出るの?」

 

ドルモン「進化すれば良い。今のボクたちなら、簡単さ」

 

園子「うん!よぉ~し!やっちゃうよ~~!!」

 

園子が、自身の端末を掲げる。

すると、画面から光が溢れ出して………

 

 

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一方、その頃

 

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ドルゴラ・バーテックスの身体の上を飛び回るライドラモン。そうして、撹乱することで、仲間たちに被害が行かないようにしてるのだ。

しかし────

 

友奈「きゃあ!?」

 

ライドラモン「ガッ!!しまったユーナぁ!!」

 

ドルゴラ・バーテックスの攻撃により、ライドラモンの背から友奈は振り落とされてしまった!

落下していく友奈。即座に東郷とキュウビモンが助けに向かう。が、それはドルゴラ・バーテックスの『メタルインパルス』によって阻まれる。

その一撃の衝撃は凄まじく、他のメンバーの動きを阻害してみせる程。

故に、誰も友奈を助けに行ける状況では無く、友奈はそのまま、地面へと落ちて───

 

 

 

 

 

???「『ネバネバネット』!!」

 

 

 

 

 

友奈「きゃあぁぁぁぁ・・・・・あれ?」

 

???「ユーちゃん、大丈夫!?」

 

友奈「ワームモン!」

 

友奈を救ったのは、ミノモンから進化した、ワームモンであった。

 

ワームモン「ユーちゃん、ぼくも戦うよ!憎しみとか、恨みとか、そういうのじゃなくて・・・・」

 

友奈「ワームモン・・・」

 

ワームモン「ぼく、ユーちゃんの為に戦いたい!!」

 

友奈「そっか・・・・うん!わかったよ!!」

 

ライドラモン「ユーナ!大丈夫か?」

 

そこに、ライドラモンがやってくる。

 

友奈「うん!ワームモンが助けてくれたんだ!」

 

ライドラモン「そうなのか!ありがとうワームモン!」

 

ワームモン「とーぜん!ぼくだって、ユーちゃんのパートナーだもん!」

 

えっへん、と胸を張るワームモン。

 

ワームモン「ぼくも戦う!ユーちゃんの為に!」

 

友奈「うん!みんなで戦おう!」

 

ライドラモン「オレたち全員が、力を合わせれば!」

 

その時!友奈の端末とDー3から、光が溢れ出した!

 

友奈「これは・・・・!?」

 

ライドラモン「なんだ!?」

 

その光はワームモンに降り注ぎ………

 




ゆゆテ!

まだだ!まだ終わらんよ!!(虫の息)

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