雀「ひぃ!?また暴れだしたぁ!!まさか・・・・・やられて・・・・」
銀「んなワケない!!園子が、そう簡単にやられるもんか!!」
美森「そうよ!!そのっちのことだもの!きっと、大丈夫よ!!!」
友奈「そのちゃんなら平気だよ・・・・!だって、私たちが、そう信じているから!!!」
そんな友奈の言葉に、一番感銘を受けたのが、他でもない、ミノモンであった。
ミノモン「さすが・・・・ユーちゃんはすごいや!ぼくも、ユーちゃんにそんな風に言って貰えるように、なりたいなぁ・・・・・」
この時、ライドラモンの背に乗り、ドルゴラバーテックスを撹乱する友奈は、気付かなかった。
自身の端末とDー3から淡い光が、溢れつつあると言うことに………
秋──
園子「秋と言ったら、お月見なんよ~!!」
須美「それでお団子を用意してあるのね・・・・」
銀「うまっ!めっちゃうまいよ、このお団子ー♪」
三人で仲良く、お月見をした。
月に纏わる御伽話を須美が話す中、当の本人が寝落ちしてしまう、というトラブルがあったものの、お月見は概ね成功した。
園子(・・・・・・・本当に?)
冬───
銀「見てくれ!須美!園子!あれが、イネス名物のでっかいクリスマスツリーだ!!!」
園子「うわぁ・・・ほんとにおっきい~~!」
須美「本当ね・・・・天辺が見えないわ・・・・!」
銀「まあ、入り口だからね、ここ。でもでも!中央ホールまで行けば、天辺も見えるようになるから!!」
楽しそうにはしゃぐ銀と、釣られて一緒にはしゃぐ園子。嗜めつつも、楽しそうな雰囲気を隠しきれていない須美。
クリスマスも、こうして三人で楽しく遊んだ。
園子(・・・・・・・・本当、に?)
そうして季節は巡り、春───
三人共、讃州中学へ入学し、そこで、友奈たちと出会い、勇者部に入部して………
園子(・・・・・・・・・もう、やめて)
勇者部での日々は、三人だけだったころよりも、とても楽しくて、楽しくて・・・・楽しくて・・・・・・・・
園子「・・・・・・もう・・・・やめてよ・・・・」
園子「・・・・・ミノさんは、あの時死んじゃったんだ・・・私とわっしーも、散華で、沢山無くして、離ればなれになって・・・・」
銀?「そうだろう。そんな辛い現実なんか忘れて、この世界でずっと楽しく暮らそうよ」
先程まで銀だったなにかが、園子に優しく語りかけてくる。
銀?「これ以上、現実に居たって辛いことばっかりだろう?キミは十分頑張った。なら、ちょっと休んでも、誰も文句は言わないさ・・・・」
黒い影と化した銀が、園子に近付き、その肩に触れて───
園子「でも!!!」
泣きながら、園子は影を振り払う。
そして、告げる。
園子「ミノさんと、わっしーと、みんなと出会えたことを!!私は、否定したくないから!!!」
影「なんで・・・?現実なんて、辛いばっかりじゃないか・・・・なのに・・・・なんでぇ・・・・・!!」
影が園子に襲いかかる。
園子「・・・・・ありがと、私はもう、大丈夫だから」
園子が手を翳すと、虚空から、一本の槍が現れる。
小学生時代、彼女が奮っていた槍だ。
園子「はぁぁぁぁぁ!」
一閃。槍を薙ぐ。
それだけで、影は消え去った。
後に残ったのは、何処までも続く、暗闇のみ。
園子「・・・・・・・・辛いことも、嬉しいことも、全部ひっくるめて、今の私が、ここにいるんだ・・・・!」
槍を左手に持ち、空いた右手を再び掲げる。
すると、再び虚空から、もう一本の槍が現れた。
今度は、睡蓮の意匠が施された槍。銀の死後、バージョンアップした彼女のもう一つの槍だ。
園子「それを否定なんて・・・・私は、したくない!!」
二本の槍を奮い、暗闇を切り裂く。
ガラスの割れるような音を立てて、夢の世界は崩壊した。
その後、園子は先程までいた草原に立っていた。
両手の槍は消えており、目の前には、ドルモンがカプセルの中で眠っている。
園子「・・・・行こう、ドルるん。みんなのいる場所に」
ドルモン「────────ああ、やっと来たのかい」
カプセルからドルモンを取り出すと、園子の腕の中で、ドルモンは目覚めた。
ドルモン「済まないソノコ。まさかこんなトラップが仕掛けられているとは思わなかったんだ・・・・」
園子「ドルるん。こういう時は、『ありがとう』って言うべきなんよ~♪」
ドルモン「・・・・・・そうか。ありがとう、か・・・」
園子の腕から降りて、ドルモンは園子にお礼を告げる。
ドルモン「ありがとうソノコ。キミのおかげで、ボクの電脳核を取り戻すことができた」
園子「ほんと?良かったんよ~。それで、どうやってここを出るの?」
ドルモン「進化すれば良い。今のボクたちなら、簡単さ」
園子「うん!よぉ~し!やっちゃうよ~~!!」
園子が、自身の端末を掲げる。
すると、画面から光が溢れ出して………
ドルゴラ・バーテックスの身体の上を飛び回るライドラモン。そうして、撹乱することで、仲間たちに被害が行かないようにしてるのだ。
しかし────
友奈「きゃあ!?」
ライドラモン「ガッ!!しまったユーナぁ!!」
ドルゴラ・バーテックスの攻撃により、ライドラモンの背から友奈は振り落とされてしまった!
落下していく友奈。即座に東郷とキュウビモンが助けに向かう。が、それはドルゴラ・バーテックスの『メタルインパルス』によって阻まれる。
その一撃の衝撃は凄まじく、他のメンバーの動きを阻害してみせる程。
故に、誰も友奈を助けに行ける状況では無く、友奈はそのまま、地面へと落ちて───
???「『ネバネバネット』!!」
友奈「きゃあぁぁぁぁ・・・・・あれ?」
???「ユーちゃん、大丈夫!?」
友奈「ワームモン!」
友奈を救ったのは、ミノモンから進化した、ワームモンであった。
ワームモン「ユーちゃん、ぼくも戦うよ!憎しみとか、恨みとか、そういうのじゃなくて・・・・」
友奈「ワームモン・・・」
ワームモン「ぼく、ユーちゃんの為に戦いたい!!」
友奈「そっか・・・・うん!わかったよ!!」
ライドラモン「ユーナ!大丈夫か?」
そこに、ライドラモンがやってくる。
友奈「うん!ワームモンが助けてくれたんだ!」
ライドラモン「そうなのか!ありがとうワームモン!」
ワームモン「とーぜん!ぼくだって、ユーちゃんのパートナーだもん!」
えっへん、と胸を張るワームモン。
ワームモン「ぼくも戦う!ユーちゃんの為に!」
友奈「うん!みんなで戦おう!」
ライドラモン「オレたち全員が、力を合わせれば!」
その時!友奈の端末とDー3から、光が溢れ出した!
友奈「これは・・・・!?」
ライドラモン「なんだ!?」
その光はワームモンに降り注ぎ………
ゆゆテ!
まだだ!まだ終わらんよ!!(虫の息)