結城友奈はテイマーである   作:渚のグレイズ

62 / 335
─前回までのあらすじ─

消えた勇者部の捜索を続けるしずくの前に現れた、ロップモンと安芸真鈴。
彼女は告げる。「ヴァンデモン軍が攻めてくる!」と・・・


三四話 強襲!ヴァンデモン軍!!

安芸「──────はぁ?」

 

夕海子「ヴァンデモン・・・・ですか?」

 

真鈴「いきなり突拍子も無いこと言われて、戸惑うのは分かるわ。でも時間が無いの!早いとこ対抗できるだけの戦力を整え────」

 

と、その時であった。

突如として、テントの外から爆発音が轟き、それに合わせて数人の悲鳴も聞こえてきたのだ。

 

夕海子「何事ですの!?」

 

真鈴「嘘!?もうここまで来たっての!?」

 

真鈴が外に飛び出す。

 

安芸「あ・・・・!?真鈴さん!!」

 

しずく「弥勒、行こう・・・・!」

 

夕海子「承りましてよ!」

 

安芸「二人まで!?」

 

ダッシュで出ていく弥勒としずく。

テント内に残されたのは、安芸と数名の隊員。

しばし呆然としていた安芸であったが、すぐに他の隊員に指示する。

 

安芸「緊急事態につき、この本部テントは放棄します。皆さんは至急、装甲車に向かって下さい!」

 

隊員「安芸さんは!?」

 

安芸「私は、他の隊員たちの様子を確認して来ます!」

 

指示を出し、安芸はテントの外に出るのだった。

 

―――――――――――†――――――――――

 

テントの外は、有り体に言えば、『地獄』であった。

 

安芸「・・・・・・・ひどい」

 

炎と暴力の嵐に蹂躙され、元々破壊されていた家屋は瓦礫以下の残骸と成り果てており、周囲の森林は消し炭すら残さず燃え尽きていた。

 

???「ヒャハハハハハハハハ!!!!燃えろ!燃えろ燃えろ!!燃え尽きてしまえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」

 

その真ん中では、青い炎を纏った人型の何かが、炎を吐き、森を焼いていた。

空には、謎の黒い生物が飛び交い、時折地面に降りてきては破壊行動を繰り返している。

 

シズク「────ッチ!加賀城が居ねぇからメチャクチャやり辛ェ!!」

 

夕海子「まともに相手をしていては、埒があきませんわ!シズクさん。ここは、適度に引き付ける程度にしておくべきかと!」

 

シズク「弥勒のクセにまともじゃねェか!その案、乗ったぜ!!」

 

装甲車内にあったのであろう、暴徒鎮圧用のポリカーボネイド製の盾を持って、弥勒とシズクは未知の敵と対峙していた。

二人が相手をしている間に、他の隊員たちは負傷した隊員たちを回収、安全な場所まで運んでいる。

 

テリアモン「まずいなぁ・・・・・デスメラモンがデビドラモンの大群連れて来てるよ・・・・・・」

 

安芸「え?あなたは・・・・・」

 

いつの間に居たのか、テリアモンが安芸の腰にしがみついていた。

 

テリアモン「ヴァンデモン軍の幹部の一体だよ~~。相当の手練れだってうわさ~~・・・・」

 

┌──────┐

デスメラモン

└──────┘

火炎型デジモン

高熱の青い炎に身を包んだメラモンの進化系デジモン。メラモンよりも高熱の炎のため、体から噴き出る炎は青く燃え盛っている。攻撃力・防御力共に数段アップし、炎の威力も加わって超絶な破壊力を持つパワータイプである。火炎型系デジモンは水系や氷雪系に弱いが、デスメラモンの火力の前には、焼け石に水状態である。必殺技は体内で重金属を溶かして、敵に吐きかける『へヴィーメタルファイアー』だ!

 

┌──────┐

デビドラモン

└──────┘

邪竜型デジモン

「複眼の悪魔」と呼ばれ恐れられている邪竜デジモン。ドラモン系のデジモンだが手足が異常に発達しており、長く伸びた両腕で相手を切り裂き、強靭な両足と翼で闇を飛び回る。深紅に燃え上がる四眼でにらまれると相手は身動きを取れなくなり、無抵抗のまま体を切り刻まれる。また、尻尾の先は開くと鉤爪状になっており相手を串刺しにすることができる。必殺技は巨大な爪で相手を切り刻み、血祭りにあげる『クリムゾンネイル』だ!

 

 

安芸「もしや・・・・あれも、デジモン?」

 

テリアモン「そうだよ~~。・・・・・マスズとあんちゃんはどこに行っちゃったのかな~?」

 

と、その時だった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「はぁぁぁぁ・・・・・!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如、空を飛ぶデビドラモンよりも上空から、何かが落下してくる。

それはデビドラモンの群れを突っ切って、安芸たちの前に着地すると────

 

 

 

 

 

???「──────『アシパトラヴァナ』」

 

 

 

 

 

呟くように技名らしきものをしゃべると、空を舞うデビドラモンの群れは、一瞬にして消滅していったのだった。

 

真鈴「ナ~~イス♪流石ね。アンティラモン!」

 

アンティラモン「(いえ~~い)♪」

 

┌───────┐

アンティラモン

└───────┘

聖獣型デジモン

十二神(デーヴァ)」の1体で、兎に似た姿の完全体デジモン。四聖獣デジモンであるチンロンモンの配下で、優の心の持ち主。小さな物が好きで、深い優しさをもって接しているため、それらを踏み躙ろうとする物が現われると性格は一変し、両手を切れ味鋭い斧に変化させた宝斧(パオフー)で戦う。一度切れると回りに敵の姿が無くなるまでは納まらない。必殺技は、自身を軸に竜巻のように回転し、両手の宝斧で周囲の物を切断する『アシパトラヴァナ』だ!

 

いつの間にか近くにいた真鈴とハイタッチするアンティラモン。

 

テリアモン「わぁ~~♪さすがあんちゃんだ~~♪すごいや~~」

 

安芸「・・・・・あんちゃん?では、あの巨大な生き物は、先ほどの?」

 

真鈴「ん?そうよ。この子は私のパートナーのロップモン。今は進化してアンティラモンだけど」

 

安芸「進化─────あの短時間でここまで?デジモンとは・・・・・・一体・・・・?」

 

真鈴「どうやら、悠長に話をしてらんないみたいね。来るわ!あなたは逃げて!」

 

デスメラモン「フンッ!!『ヒートチェーン』!!」

 

炎に包まれたチェーンを振るい、デスメラモンが攻撃を仕掛ける。

が、チェーンはアンティラモンでも、シズクたちの方向でも無く──────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怪我人を運ぶ、隊員たちに向かって放たれた。

 

 

 

 

 

夕海子「っ!?間に合って下さいましーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」

 

盾を放り投げる弥勒。

鼻先数センチのところで、盾はチェーンを弾き飛ばし、隊員はなんとか無事だった。

 

夕海子「ふぅ─────間一髪でしたわ」

 

シズク「───────テメェ。今、戦えない奴を狙いやがったな・・・・・・!」

 

デスメラモン「それがどうした。キサマ等ニンゲン共が、俺たちデジモンにした事に比べれば、この程度!!!」

 

そのデスメラモンの言葉に、安芸は心を決める。

 

安芸「──────たとえ、あなたの行いが正当な報復なのだとしても」

 

デスメラモン「あぁ?」

 

安芸「力の無い者を攻撃して良い理由にはならないっ!!!」

 

テリアモン「うん!そのとーり!!」

 

安芸の肩に飛び乗り、テリアモンが胸を張る。

その二人を見て、真鈴は何かを感じとる。

 

真鈴「─────あの二人、もしかしたら!アンティラモン!!」

 

アンティラモン「(わかった)!」

 

アンティラモンがデスメラモンに襲い掛かる。

その隙に、真鈴は安芸のもとに行くと、安芸とテリアモンに自身のデジヴァイスを向けて───

 

 

 

 

 

真鈴「我等、選ばれし者達。四方の獣。十の魂集いし英雄。神の三側面。各々の御名の元に告げる。今此所に、新たなる宿命に立ち向かう者現れり。御名の元に祝福を。来たれ聖なるデバイス、デジヴァイス!

 

 

 

 

 

すると、真鈴のデジヴァイスから光が放たれ、安芸の目の前に、小さな端末となって現れた。

 

安芸「これは─────?」

 

テリアモン「わぁ!ペンデュラム!しかも昔のふるーいやつ!」

 

真鈴「あなたのデジヴァイスよ!名前は"ペンデュラム"。さあ!テリアモンを進化させてみて!」

 

安芸「え?そんな、どうやって──────」

 

その瞬間、安芸の脳裏にイメージが過る。

そのイメージ通りに、安芸はペンデュラムを掲げ

 

安芸「─────テリアモン!」

 

テリアモン「いっくよ~~~!」

 

HYPEREVOLUTION

 

 

 

 

 

テリアモン、ワープ進化─────!

 

 

 

 

 

ラピッドモン!!!

 

 

 

 

 

シズク「な────なんだありゃ!?」

 

夕海子「先程の生き物が、変身しましたの!?」

 

ラピッドモン「よ~し!やっちゃるよ~~!」

 




─次回予告─

衝突するデスメラモンとラピッドモン&アンティラモン。
怒りの炎を燃やすデスメラモンに、二体はどう立ち向かう!?

次回『慟哭!デスメラモンの怒り!!』

今、新たな冒険の扉が開かれる………

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。