???「仕方ありませんよ・・・・我々は、奴らの軍勢に紛れ込む形で、こちらに来たのですから」
???「でもねぇ・・・・」
???「嘆くのは理解出来ます。が、今は取り敢えず身を隠し、戦闘が終わり次第あのニンゲン達と合流しましょう」
???「仕方ないわねぇ」
安芸「これが・・・・デジヴァイスの力・・・?」
ラピッドモン「きゃっほほ~~~い♪」
┌──────┐
│ラピッドモン│
└──────┘
サイボーグ型デジモン
「俊敏な猟犬」の異名を持ち、光速に近い動きで確実に敵を仕留める。また、巨大な耳型のレーダーを駆使して暗闇でも活動ができ、遠くの敵の存在も感知することができる。体のシルエットは毛を刈ったプードル犬を思わせる。戦闘時には頸部プロテクターが閉じる。必殺技は背中に装備されたリボルバーと両腕から、ホーミングミサイルを連射する『ラピッドファイア』と、全身から敵をデータ分解してしまう光線を放つ『ゴールデントライアングル』だ!
ラピッドモン「『ラピッドファイア』!!」
デスメラモン「グガァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」
高速でデスメラモンの周囲を飛び回るラピッドモン。
デスメラモンの不意を突き、両腕からミサイルを放つ。
放たれたミサイルは、デスメラモンに着弾。ダメージは確実に入っただろう。
真鈴「いやはや・・・・まさかいきなり完全体とは・・・・・驚いたなぁ・・・・」
アンティラモン「
デスメラモン「ぐぐぐ・・・・テメェ!」
ラピッドモンの攻撃に仰け反ったデスメラモンだったが、すぐに体制を整える。
アンティラモン「
デスメラモン「ウグォォォォォォォォォォォ!?!?!?」
そこへ更にアンティラモンの奇襲。
デスメラモンは受け身を取ることも出来ぬまま、地面に倒れ伏した。
ラピッドモン「やったね!!」
アンティラモン「
安芸「気を抜いてはいけません。まだ完全に倒した訳では無いですよ!」
真鈴「そうね・・・・・さて、いろいろ聞かせてもらおうかしら?」
真鈴が、倒れたデスメラモンに慎重に近付く。
と、その瞬間、デスメラモンから青い炎が勢い良く立ち上る!
真鈴「きゃ!?」
安芸「真鈴さん!」
ラピッドモン「こいつ・・・・まだやる気~?」
デスメラモン「許さねぇ・・・・許さねぇぞ・・・・ニンゲン共ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!」
轟、と更にデスメラモンの炎が燃え上がる。
デスメラモン「テメェらニンゲン共にデリートされた仲間達の痛み!!それに比べりゃあ、この程度!!!!」
怒りを燃料に燃え上がるデスメラモンの炎は、留まる事を知らないのか、際限なくその温度を上げる。
安芸「くっ・・・・・・なんて温度・・・・!?」
夕海子「熱っ!?!?なんなんですの!?急に温度が・・・!?」
シズク「おいこれ・・・・・盾が持つのか!?」
夕海子「ポリカーボネイドの融点は120度程と、物の本で読んだことがありますわ!それに、この盾は赤嶺家謹製の特殊仕様!であるならば────」
シズク「盾がぶっ壊れるよりも先に、オレ達の方がくたばるのが早いってワケか・・・・上等!!」
もう既にこの場には他の隊員たちは居ない。残るはこの四人のみだ。
それでも、シズクと弥勒は盾を持ち、安芸と真鈴の前に立つ。が、それもいつまで持つのやら─────
アンティラモン「提案。そろそろ主导たち、限界。アイツを手早く倒すべき」
ラピッドモン「それは不味いな~~・・・・うん、わかったよ、あんちゃん!」
デスメラモン「ほう・・・?来るのか?良いぜ・・・!勝負だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
吐き出す炎とチェーンで乱舞を繰り出すデスメラモン。その攻撃を巧みにかわし、二体はデスメラモンへ必殺技を叩き込む!
だが─────
デスメラモン「効かねえって言ってるだろうがァァ!!!!!」
更に温度を上昇させてしまうだけで、倒れる気配が一向に無い。
ラピッドモン「・・・・・・・こりゃまいった」
アンティラモン「懇願。主导、逃げて・・・・・・」
真鈴「え!?まさか─────ダメ!!」
デスメラモン「遅ェ!!『へヴィーメタルファイアー』!!!!!!!」
安芸たちを庇うように、二体は四人の前に立ちふさがり、デスメラモンの炎を受けた。
アンティラモン「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ラピッドモン「ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」
その攻撃はすさまじく、二体は成長期の姿に戻されてしまったのだった。
真鈴「そんな・・・・・ロップモン!!」
夕海子「前に出ないで下さいまし!」
安芸「なんて─────強い!?」
シズク「呆気に取られてる場合じゃねえ!さっさと逃げるぞ!!」
デスメラモン「逃がすか・・・・!」
デスメラモンが、近くに転がっていた廃車を投げ、四人の逃走路を塞ぐ。
デスメラモン「まずはテメェらからだ─────もっとも、オレが近付いただけでテメェらは灰になっちまうだろうがなぁ・・・・!」
安芸「待ってください!」
デスメラモン「あ?」
ゆっくりと近付くデスメラモンに、安芸が待ったをかける。
安芸「何故、あなたはそんなにも人間を憎むのです!?理由を教えてください!!」
デスメラモン「────────良いだろう。冥土の土産だ、教えてやるよ」
意外にも、あっさり安芸の提案に乗ってくれた。いつでも殺れる、という確信だろうか。なんにせよ、これで他の隊員たちが四国へ帰還するだけの時間を稼げる・・・・そう、安芸は安堵していた。
デスメラモン「そもそもの発端は、"一度目の滅びの時"だ。あの日から、全てが変わっちまった」
真鈴「滅び─────"デクス・ウォーズ"のこと?」
デスメラモン「違う!
真鈴「え!?」
真鈴ですら初耳だったその真実に、四人は驚愕する。
デスメラモン「それ自体は別にどうでもいい。問題はその後だ」
シズク「どうでもいいのかよ・・・・」
デスメラモン「突如として、デジタルワールドの中心に生えた大樹────センターツリー。
安芸「え?ですが────」
真鈴「ロップモンたちが進化できるのは、デジヴァイスのおかげ。テイマーを持たないデジモンは、通常進化が出来ないのよ・・・・・でも、まさかそれが・・・・センターツリーのせいで、だなんて・・・・」
デスメラモン「それだけじゃねえ!先の大戦────アレだって、センターツリーのせいで起きたんだ!デクスモンが現れたのはセンターツリーが存在しているから。テメェらニンゲンが、センターツリーを作ったせいだ!!」
夕海子「そのような事・・・・一体何を根拠に!?」
デスメラモン「なら、何で
四人『っ!?』
デスメラモン「その瞬間を、オレは見た!そして、理解した!!センターツリーは、
デスメラモンのその言葉に、一番ショックを受けているのが、真鈴であった。
真鈴「そんな・・・・・あれが・・・・・?でも─────」
安芸「真鈴、さん?」
デスメラモン「判ったか?これが、テメェらニンゲンのしてきた事だ────────判ったなら・・・・・・デリートしてやる」
再び、ゆっくりと近付くデスメラモン。と、その時────
バリバリバリッ!!
突如として、デスメラモンの身体にノイズが走り、動きが停止した。
デスメラモン「───────チ、ここまでか・・・・・。よかったな、完全体以上のリアライズに、まだ制限時間がある状態でよぉ・・・・」
それだけ言って、デスメラモンは消え去った。
シズク「───────なんだ?消えたぞ・・・・アイツ」
夕海子「───────き・・・きっと、わたくしに恐れをなして逃げたのですわぁ!そうですわね?アルフレッド!」
「イエス、マスター。その通りです」
夕海子「流石アルフレッド。良くわかってらっしゃう゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!?!?!?」
弥勒の叫びに全員が振り返ると、そこにはボクシンググローブを着けた青い犬のようなデジモンが。
???「おっと、失礼。私はガオモン。ですが、今から私はアルフレッドと名乗ることに致します」
夕海子「い・・・・いきなりなんなんですの!?ですがまあ、良いでしょう。あなたが今後、弥勒家に忠義を立てると仰るならば、わたくしはあなたをアルフレッドとして認めますわ!」
アルフレッド「イエス、マスター。これより我が身は、弥勒家のために!」
しずく「──────良いの?」
???「さあ?でも、彼が良いって言ってるし、良いんじゃなぁい?」
そこへ更に新たにデジモンがやってくる。
真鈴「あれ?テイルモンじゃない。もしかして水都ちゃんも一緒なの?」
テイルモン「は?誰よそれ。あたいとは別のテイルモンと勘違いしてない?」
真鈴「あれ、別なの?」
テイルモン「まあ、良いや。とりあえずどっか安全な場所まで案内してよぉ。ほら、あんたたちのパートナー、連れてきてやったから」
ロップモン「主导、面目無い・・・・・」
テリアモン「ごめんねぇ~、せんせー・・・」
真鈴「ロップモン!よかった・・・・・・」
安芸「──────あなたが無事なら・・・・それで良いのよ」
テイルモン「感動的だねぇ。そういうのいいから早く行くよ!」
しずく「───────結構、わがまま?」
こうして、ガオモンとテイルモンを加えた一行は部隊と合流後、急ぎ四国へと帰還したのであった。
─次回予告─
ファイル島の復興が終わり、次は何をしようか考えていた勇者部一行。
レイの提案で島の外、サーバ大陸へ向かう事になったが、自作したイカダでの航海中に、巨大なデジモンに襲われる!
次回『後悔!?イカダで渡航は無理ですよ!』
今、新たな冒険の扉が開かれる………