結城友奈はテイマーである   作:渚のグレイズ

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やっとこさデジタルワールド側のお話!!
サクサクっと書けてしまったので連日投稿ドーーーーーン!!!(自分の首を絞める)


~これまでのあらすじ~

島根探索中に行方不明になった芽吹、雀、亜弥の三名の捜索に協力していた勇者部六人。
空に空いた謎の穴に吸い込まれ、たどり着いた先はデジタルワールド。
そこで六人は、デジタル生命体────デジモンに出会う。
死んだ筈の三ノ輪銀との再会、西暦の勇者白鳥歌野や、異世界からの来訪者御神楽レイとの出会い等を経て、ファイル島に潜むデジ・バーテックスを、"勇気"と"友情"のもと、退けてみせたのだった。

そして………



三六話 後悔!?イカダで渡航は無理ですよ!

雀「うわ~~~~~~~~~~~~ん!!!!!!だから嫌だったんだ~~~~~~~~~!!!!!!」

 

雀がぴーぴー泣きわめいている。

その向こうでは、アグモンとハックモンがベビーフレイムを、ギルモンがファイアーボールを、それぞれ周囲を囲む赤い壁の一角に向かって放っていた。

彼女たちが、何故、こんな事になっているのか、話はこれより数時間前に遡る………

 

 

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数時間前・はじまりの町

 

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沢山の木材を載せたそりを牽くライドラモンに乗って、友奈がはじまりの町に入っていく。

 

友奈「ええっと・・・・木材はこれで大丈夫かな?」

 

美森「ええ、大丈夫よ。ありがとう、友奈ちゃん」

 

ドルゴラ・バーテックスとの戦いの後、一行と町のデジモンたちは東郷の指揮の下、町の修復を行っていた。

そして、それももうすぐ終了となる。

最後の一棟。これを完成させる為の材料は、先程友奈とライドラモンが運んできてくれた。

 

美森「さあみんな!これで最後よ!もう少しだから、頑張って!」

 

『りょうかーい!』

 

幼年期デジモンたちが、声を揃えて答える。

と、思った次の瞬間にはもう完成していた。驚きの建築速度である。

 

夏凛「・・・・・・うん。東郷のことだから、和風の家になるとは思っていたけど・・・・・・・・なんか、ちょっとアレンジされてない?」

 

美森「大和魂を感じる、とても護国思想に満ち溢れたお家だわ─────!!」

 

銀「大和魂ってか・・・・・・戦艦?」

 

美森「扶桑型戦艦一番艦"扶桑"よ!私個人としては、瑞鶴か翔鶴あたりが良かったのだけれど────」

 

最後にできた家の屋根には、何故か戦艦扶桑が乗っかっていた。他の家屋にも、長門やら金剛やら・・・旧日本海軍保有戦艦が乗っかっている。そういうデザインなのだろうが・・・・・・・端から見れば、戦艦に潰されそうになっている家にしか見えない。ちなみにレイの小屋だけはまともで、外見的には首里城だった。

───────あれ?まともってなんだっけ?

 

レイ「───────この際、家の造形に口出しはしないわ。ともかく、ありがとうみんな。これではじまりの町は元通りになったわ」

 

風「あー、うん。あんたがこれで良いって言うなら、私たちは何も言わないワ・・・・・・(汗)」

 

―――――――――――†――――――――――

 

レイ「さて、あなたたちはこれからどうする?」

 

風「うーん・・・・それなのよねー・・・・なんとか元の世界に帰れる方法を見つけないと・・・・」

 

レイ「なら、サーバ大陸の『フローティア』に行ってくれないかしら?」

 

樹「フローティアって・・・・」

 

友奈「うーん・・・・どっかで聞いたことがあるような・・・・無いような・・・・」

 

美森「雷煌遺跡の文献に書かれていた町のこと?」

 

東郷の言葉に、友奈はああ!と頷いた。

 

銀「そこに何があるんですか?」

 

レイ「デジタルゲートよ」

 

雀「デジタルゲート・・・・・んん?ゲートってことは、もしかして・・・・・私たち帰れる!?」

 

レイ「か、どうかはわからないけど、少なくとも、ここでじっとしているよりは良いはずよ。で、その代わりなんだけど」

 

風「なに?お使い?良いわよ、私たち勇者部にまっかせなさい!」

 

レイ「ありがとう。とは言っても簡単な事よ。今回、この島で起きたこと、全てを彼女に報告して欲しいのよ」

 

園子「彼女って~?」

 

レイ「上里ひなた。今は確か、フローティアに居るはずだから」

 

―――――――――――†――――――――――

 

レイの用事を快く請け負った勇者部一行は、事前にレイが用意していたらしいイカダを使って、ファイル島から出航したのだった。

 

雀「こ・・・・こんなちっぽけなイカダで海を渡るとか・・・・・・正気の沙汰じゃないよぉ~~~!!!!!!」

 

夏凛「・・・・・なら、残れば良かったじゃない」

 

雀「おいてけぼりはもっと嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

ルドモン「安心しろ!何があってもオレがこのイカダを守ってやんよ!!」

 

園子「フラグかな~?」

 

銀「やめろよ園子ぉ」

 

美森「そうよ、そのっち。冗談でも言っては───」

 

と、その時であった。

 

ララモン「っ!?みんな!気をつけて!!真下に何かいる!!」

 

見張りをしていたララモンが、何かを見つけたのだった。

 

アグモン「・・・・・・・デカイな」

 

レナモン「・・・・・・・まさか!?いや、そんなハズは・・・・」

 

美森「レナモン、何か知ってるの?」

 

東郷の言葉に頷いたレナモンが口を開こうとした瞬間────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全員『きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?』

 

突如として、真下の巨大な何かが浮上し、イカダをはね上げて破壊してしまった。イカダに乗っていた一行もまた、上空にはね上げられ少しばかりの空中浮遊を体験している。

しかし重力には逆らえない。やがて浮遊感が無くなると、イカダを吹き飛ばした巨大生物が空けている、大きな口の中へと落下していく。

 

雀「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!死ぬぅ!!!死ぬって!?死ぬってこれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?!?」

 

断末魔のような雀の叫びを残して、巨大生物は口を閉じ海中に潜ってしまったのだった。

 

 

 

 

 

そうして、時間は冒頭に戻る。

 

 

 

 

 

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現在・???の中

 

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風「・・・・・どう?」

 

ギルモン「うーん・・・・だめだぁ!びくともしないよ~~」

 

園子「どちらにしても、今はじっとしていた方が良いと思うな~。多分、外は海の中なんよ~」

 

落下の際にドルモンを抱き抱えたままの園子が説明を始める。

 

ドルモン「ほう・・・・良くわかったね?」

 

園子「この子がどんなデジモンなのかはわかんないけど、少なくとも、あれだけおっきいんだから、海中じゃないと生きて行けなさそうだな~って、思ったんよ~」

 

 

 

 

 

???「へぇぇぇぇ、よくわかったねぇぇぇぇぇ?」

 

 

 

 

 

園子が説明をしていると、上から声が聞こえてきた。

 

レナモン「この声・・・・・・やはりキミか!ホエーモン!」

 

ホエーモン「あれぇぇ?もしかしてって思ってたけど、ほんとにレナモンんん?」

 

美森「知り合いなの?」

 

レナモン「ああ、彼はホエーモン。海を守護するデジモンなんだ」

 

┌─────┐

ホエーモン

└─────┘

水棲哺乳類型デジモン

ネットの深海に棲む、巨体デジモン。その巨大さはデジタルワールドでは最大クラス。その巨大さ故に、通常のコンピュータでは処理できないほどのデータ量を持っている。必殺技は巨大な大津波を起こして、全てを破壊する『タイダルウェーブ』だ!

 

レナモン「だがどういう了見だ?キミの管轄海域は別のところと聞いていたが?」

 

ホエーモン「ごめんねぇぇ、時間が無いんだぁぁ。きみたち勇者テイマーにぃぃ、頼みたいことがあるんだよぉぉ」

 

友奈「頼みたいこと?」

 

銀「それってどんな?」

 

切羽詰まった様子のホエーモンは、泣きそうな声をしながら、勇者部一行に頼む。

 

ホエーモン「ぼくらの大親友、ナツメとそのパートナーをぉぉ、助けて欲しいんだよぉぉ」




─次回予告─

突然現れたホエーモンに連れてこられた先は、海底の遺跡。
中へ入った一行だったが、途中、友奈が何処かへといなくなってしまう。
友奈を探し、奥に進む勇者たち。
先行した東郷がその先で見たモノは──────────黒い入江と、沈み往く友奈の姿だった!?

次回『黒い入江。誘いの声は潮騒に乗って・・・』

今、新たな冒険の扉が開かれる………

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