ちょっと反省。
そういえば今日ってぐんちゃんのお誕生日やん!
そんな日になんてもん書いてんだ・・・・・俺・・・・・(ちょっとショック)
ー前回までのあらすじー
レイの提案で、フローティアに向かってイカダにのる勇者たち。
その途中、ホエーモンに襲われ何処かへと連れていかれるのだった………
友奈「なつめ・・・・・その人も勇者なの?」
ホエーモン「そうなんだよぉぉ。実はね・・・・」
ホエーモンの話をまとめると、古波蔵棗という勇者がパートナーと共に海底の遺跡に向かったきり、もう三週間も帰ってこないのだとか。
ホエーモン「今までこんなこと無かったんだよぉぉ、ぼく、もう心配で心配で・・・・・・」
樹「そうだったんですね・・・・・」
夏凛「・・・・心配するのは分かるけど、もうちょっと穏便にできなかったの?イカダも壊れちゃったし」
雀「まあまあ、いいじゃん。その、棗って人を助けたら、ホエーモンにサーバ大陸まで送ってもらえば」
ララモン「ホエーモンが味方と判った途端にこの言葉・・・・・」
ホエーモン「サーバ大陸ぅぅ?別に良いよぉぉ。ナツメも、サーバ大陸から来てるからねぇぇ」
銀「あ、そうなんだ。もしかしてフローティアの人なのかな?」
風「サーバ大陸に他に町が無いなら、そうでしょうね。とにかく、棗って娘がいなくなった場所に案内して頂戴!」
ホエーモン「それならぁぁ・・・」
ギギギ・・・・と音を立てて口が開いていく。
ホエーモン「ここがそうだよぉぉ。今着いたとこぉぉ」
友奈「よぉし!行ってみよう!!」
美森「ええ!」
ホエーモンの口から出ると、そこは湿気でジメジメした古代遺跡のような場所だった。
美森「ここに、その棗さんが?」
ホエーモン「ここは昔から、ダゴモンの住処として有名な場所なんだぁぁ」
園子「ダゴモンって~?」
ドルモン「"海底の破戒僧"という呼び名のある完全体デジモンさ。いろいろと曰く付きの奴でね・・・・」
園子にいまだ抱き抱えられたままのドルモンが、怪しげな笑みを浮かべてそんな事を言う。
園子「ほうほう?」
ドルモン「異世界からの使者だとか、この世ならざる者と交信を行えるとか・・・・・・」
風「な・・・・なんか、ホラーな感じねぇ・・・・」
瞳を輝かせてドルモンの話を聞く園子と、あからさまに顔色を悪くする風。
ドルモン「どれも嘘臭い噂に過ぎないが、一つだけ、確かな情報があるんだ」
園子「へぇ~、どんな~?」
ドルモンが「それは・・・」と話始めようとしたその時だった───
美森「友奈ちゃん・・・・・?」
ワームモン「え?ユーちゃんならぼくの隣に・・・・・って、あれ?何処に行ったの!?」
ワームモンの傍にいた筈の友奈が、いつの間にかいなくなっていた。
ブイモン「大変だ!ユーナが居ない!」
樹「ええ!?いったい、いつの間に・・・・!?」
風「とにかく探しましょ!」
ホエーモン「あの子ならぁぁ、奥に向かって行ったよぉぉ?」
その言葉に東郷は、弾かれた様な速度で奥に向かって走って行った。
レナモン「ミモリ!一人で行っては危険だ!!」
アグモン「あいつ、話を聞いてないぞ。姉御の舎弟は勝手だなぁ」
銀「だから舎弟じゃ・・・・なんて言ってる場合じゃないや。早く追いかけないと・・・・!?」
ドルモン「・・・・・・これは、少し不味い事になりそうかな」
ドルモンの、呟くようなその言葉は、誰に聞こえることもなく、全員の走る足音にかき消されていった。
―――――――――――†――――――――――
美森「友奈ちゃん!!友奈ちゃん何処!?!?」
半ば錯乱状態の東郷が、宛もなく遺跡を、奥へ奥へと走って行く。
その途中、通路の向こうに赤い髪の少女を見た気がして、東郷はそちらに向かって走る。
美森「─────────何か聞こえる?」
次第に東郷の耳に聞こえてきたのは、潮騒の音。しかしそれだけではなく、誰かが東郷を呼ぶ様な声も聞こえてくる。
美森「────────────行ってみよう」
その声に、何故だか強く惹き付けられる東郷は、音のする方向へと歩みを進める。
入り組んだ通路を抜けて行くと、不思議な入江にたどり着いた。
美森「ここは─────どこ?」
何もかもが黒く塗り込められた入江。その沖合いに、何かがあるのを東郷は見た。
一瞬、見間違いかとも東郷は思ったので、良く目を凝らしてそれを見た。──────────見てしまった。
東郷の、狙撃手として鍛え上げた視力が視たのは、黒き海に沈み往く友奈の姿であった………
美森「っ!!!!!!!!!」
それを認識し、理解した瞬間には、もう既に東郷は海に飛び込んでいた。
水任流古式泳法により、着衣状態でありながらも素早く泳ぐ東郷は、しかし、沈む友奈に追い付くことは無かった。
美森「ガボ・・・・・友奈ちゃん!!・・・・友奈ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!」
半分溺れかけながらも、懸命に東郷は友奈を探す。
美森「友奈ちゃん・・・・・・・ゆう・・・・・・・な・・・・・・・・・・・ちゃ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
しかし、ここに来る迄の段階で、既に体力を消耗している上での着衣泳は、無限に思えた彼女の体力を悉く奪いつくし、やがて、海に沈み往き──────
「東郷!!!」
「須美!!!」
誰かの声が聞こえて、東郷の肉体は海から浮上した。
―――――――――――†――――――――――
夏凛「良かった・・・・・東郷、無事よね?」
銀「まったく、なにやってんだよ!?」
美森「げほっ・・・・げほっ・・・・」
銀と夏凛に引き上げられ、陸に上がる東郷。
深呼吸を数回して、息を整えると、叫ぶように告げる。
美森「大変なの!友奈ちゃんが・・・・・友奈ちゃんが、海の中に!!」
風「え?」
美森「早く助けに行かないと!!みんなも手伝って!!!」
樹「ちょっ・・・・待ってください!東郷先輩!!」
美森「事は一刻を争うのっ!!!早くしないと・・・・友奈ちゃんが・・・・・!!!」
雀「お・・・・・落ち着いて!!どうどう・・・・」
美森「私は冷静よ!どうやって友奈ちゃんを助けるか考えて────」
夏凛「ねえ、東郷。一つ聞いて良い?」
夏凛が、東郷に質問する。先程から、頭に
夏凛「
~次回予告~
友奈を知らないと言う仲間たち。
そんな彼女たちを見て、混乱と狂気の渦に呑まれゆく東郷。
黒い入江は、静かにただ、東郷を待つ。
次回『忘却?錯乱?間違いは世界か、あるいは自分?』
今、新たな冒険の扉が開かれる………