結城友奈はテイマーである   作:渚のグレイズ

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ゆゆテ!

今作の"黒い海"は、サイズを縮小して入江にすることで、悪夢を見せた相手の生命エネルギーを吸い上げる能力を持っている。
そのため、一度海に呑み込まれてしまうと、どうにかして抜け出さない限り、生命エネルギーの全てを持っていかれてしまう。



三九話 東郷、怒りの梵筆閃!ダゴモンを打ち倒せ! 後編

ダゴモン「グゴガァァァァァァァァ!!!!!!」

 

タオモン「フム、最早物言わぬ獣と成り果てたか・・・哀れなり」

 

ジオグレイモン「あれ?お前そんなキャラだっけ?」

 

銀「須美!援護頼む!」

 

美森「了解!任せて頂戴!」

 

端末から変化した弓を構え、デジソウルから矢を作りそれをダゴモンに向けて放つ。

放たれた矢はダゴモンに呆気なく振り払われてしまったが、その一瞬の隙を突いてジオグレイモンが『メガフレイム』を放つ。

 

ダゴモン「ギャアァァァァァ!!」

 

クリティカルヒット。だが目で見てわかる程のダメージは無い。

そこに畳み掛けるようにタオモンが大量の霊符をダゴモンに張り付ける。

 

タオモン「今だ!ミモリ!!」

 

美森「南無八幡・・・・・大菩薩!!」

 

身動きの取れなくなったダゴモンの腕のイービルリングに向けて、最大チャージされた矢を放つ。

東郷の放った矢は、寸分の狂いもなくリングに命中し、見事、破壊せしめた!

リングの無くなったダゴモンは、糸の切れた操り人形のように力なく項垂れて動きを止めた。

 

銀「やった!!さっすが須美!」

 

銀が東郷に抱き付く。抱き付かれる東郷は、満更でもない表情で、それを享受する。

 

美森「よかった・・・これでみんなも・・・・」

 

と、その時だった!

 

ダゴモン「UGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

突如、動きを止めた筈のダゴモンが、再び暴れ始めた。

その暴れ方は、無秩序で滅茶苦茶なものだった。

 

美森「そんな!?腕の輪っかは破壊したのに!!」

 

ダゴモン「GUOOOOOO・・・・ツ゛・・・・ホ"・・・・ヲ゛・・・・・」

 

ジオグレイモン「え?なんだって?」

 

ダゴモン「ツ゛ホ゛ヲ゛・・・・・コ゛ワ゛・・・・セ゛・・・・・GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!」

 

タオモン「ツボ?・・・・・・・そうか!ミモリ、あの壺だ!あれからイービルリングと同じ気配を、僅かにだが感じる・・・・!」

 

美森「ダゴモンが持っていた壺!?」

 

驚きつつも、東郷は矢を射る。しかし、ダゴモンによってその矢は壺まで届かない。

 

銀「ジオグレイモン!ダゴモンを抑えて!!」

 

ジオグレイモン「合点!!」

 

ジオグレイモンがダゴモンに組み付く。その隙を縫って、東郷が再び矢を射るが────

 

美森「そんな!?壊れない!」

 

タオモン「ならば我が必殺の────『梵・筆・閃』!!!」

 

タオモンが空中に描いた梵の字が壺に命中し、爆発する。

が、それでも壺は壊れない。

 

タオモン「─────どういう事だ?我が必殺の『梵筆閃』も効かぬとは!?」

 

銀「どうするんだよ!?このままじゃ・・・・」

 

正に、打つ手無しの八方塞がり。

しかし、だからこそ、こんな状況だからこそ、()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

???「だったら、デジモンと人間の力を合わせれば良いんよ~~!!」

 

 

 

 

 

美森「この声・・・・!!」

 

後ろからの声に、東郷が振り向こうとした瞬間、壺に鉄球が命中した。更にそこに────

 

園子「ちぇいさ~~~!!!」

 

銀「園子!?」

 

ドルガモンから飛び降りながら、鉄球に向かって飛び蹴りを当てて、園子が登場。

が、壺にヒビを入れたまでは良いが、肝心の園子の方は足を抱えて痛みに悶えていた。若干、涙目にもなっている。

 

園子「────────いったぁ~~~い・・・・」

 

銀「何やってんのさ・・・・」

 

美森「でも見て!壺にヒビが!!」

 

ドルガモン「あともう一押しだ!」

 

タオモン「では我等が往こう!ミモリ!!」

 

タオモンが筆を東郷へ渡す。

 

タオモン「これで、条件は達成可能な筈!」

 

美森「ええ!」

 

身の丈程の筆を構え、東郷が空中に文字を書く。

 

 

 

 

 

美森「─────梵!筆!閃!!!」

 

 

 

 

 

空中に描いた『国防』の二文字が壺に命中。

ヒビが全体へと広がっていき────────見事、壺は破壊された!

 

銀「やったぁ!!今度こそ、大丈夫だよな?」

 

ジオグレイモンがそっと、ダゴモンから離れる。ダゴモンは暴れる様子も無ければ、敵対する様子も無い。

 

ジオグレイモン「平気そうだぜ!姉御!!」

 

ドルガモン「どうやら、上手くいったようだね」

 

銀「にしても、よくわかったな。人間とデジモン。二つの力を合わせるなんて・・・」

 

ドルガモン「簡単な推理さ。ミモリ嬢の矢が効かず、タオモンの攻撃も効かない。ならば、この二つを合わせてみればどうだろう?・・・・とね」

 

美森「でも、もしそれで効果が無かったら?」

 

園子「それは無いと思うよ~?」

 

タオモン「うむ。あの壺からはイービルリングと同じ気配を感じた。あれ等の創造主が何者かは分からぬが、もし、反逆された時の保身として、破壊可能な手段は残してある筈」

 

アグモン「それが、ニンゲンとデジモンの力を合わせる?・・・・・・それってさぁ」

 

美森「まさか────イービルリングを作ったのは・・・・私たちみたいな、人間?」

 

ドルガモン「可能性はある。が、あくまで可能性の話だよ」

 

銀「─────てか、アグモンお前、いつの間に戻ったんだよ」

 

アグモン「さすがに疲れたよぉ~~」

 

へたれるアグモンを見て、笑う一同。

そこに、棗たちがやってくる。

三人は、仲間たちの無事を喜び合うのだった………

 




─次回予告─

ホエーモンに連れられて、なんとかサーバ大陸に到着した勇者たち。
棗が暮らす町『アクアリウム』にて一時の休息を得る。
一方その頃、千景と赤嶺のもとに、ダゴモンの壺が破壊されたとの報告が入り───

次回『赤嶺の過去。やがて、憎悪と復讐の鬼となる』

今、新たな冒険の扉が開かれる………

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