同じくらい、せっちゃんの章が寒すぎて死にそう(死んだ瞳)
あれじゃあ、帰りたくないよなぁ・・・・・
─前回までのあらすじ─
ホエーモンに連れられ、海底神殿にて棗を探す勇者たち。ダゴモンの黒い海に呑まれるも、その棗のおかげで東郷だけが先に脱出に成功した。
海に呑まれなかった銀と共にダゴモンと戦う東郷。キュウビモンが東郷の感情に応えてタオモンへと進化し、見事、ダゴモンを正気に戻すことができたのだった。
ホエーモン「とうちゃぁぁくぅぅ。荷物の忘れ物にぃぃ、ご注意くださぁぁい」
ホエーモンの口から出て、勇者たちはサーバ大陸の大地に足を着けた。
棗「久しぶりの青空・・・・海に似て、心地好い・・・・」
園子「空が海に似てるんじゃなくて、海が空の色を写してるんだけどね~」
そんな他愛の無い会話をしながら、棗に案内されて、たどり着いたのは海辺の町『アクアリウム』だ。
大型のドーム内部に造られたプールと、そこに浮かぶイカダの家が特徴で、海産物が特産品の町。
風「へぇ、なかなか綺麗な町ね」
棗「そうだろう?私の故郷を思い出す、とても良い町だ」
美森「棗さんの故郷・・・・・たしか、沖縄でしたっけ?」
友奈「沖縄ってところも、こんな感じなんだー・・・」
夏凛「流石にそれは違うと思うわ・・・・」
樹「それにしても、ここまで水でいっぱいだと、私たちには住みずらそう・・・・」
棗「?そうでもないぞ?」
夏凛「あんたはそうでしょうよ・・・・」
なんだかんだと言いつつも、勇者たちは『アクアリウム』で長旅の疲れを癒していくことにするのであった。
ダークエリアの奥の奥。何人もたどり着けぬのでは?と思える程の奥地に、その古城はある。
西洋風の巨大な城。一度足を踏み入れたならば迷子になって出られなくなりそうなその城に、国土亜弥は囚われていた。
亜弥「~~♪~~♪」
部屋の掃除をしながら。
亜弥「はいっ、デビモンさん。お部屋のお掃除、終わりました!」
デビモン「おお・・・!ありがとうアヤ。素晴らしい出来映えだ・・・!」
亜弥「お褒めに預り、恐縮です♪」
千景「──────────あなた、何してるの?」
亜弥「あっ!千景先輩!!お帰りなさい!」
亜弥の後ろから千景とベルゼブモンがやって来る。
掃除セットフル装備の亜弥と、綺麗になったデビモンの部屋を見て、事の次第を理解した千景はため息をつきつつ、亜弥に告げる。
千景「国土さん。城内での行動は自由にして良いと言われているからと言っても、あなたは人質としてここに居る訳なのだから、少しはおとなしくしてなさい」
亜弥「す・・・すみません・・・・デビモンさんに、お部屋のお掃除を頼まれてしまいまして・・・・」
ジロリ、とデビモンを睨む。デビモンは苦笑いしながら、部屋に戻って行った。その様子を見たベルゼブモンはくすくす笑う。
まったく・・・と嘆息していると────
『そう怒ってやるでないチカゲ。アヤの自由にさせてやるよう命じたのは我なのだから』
千景「っ!?・・・・またそうやって、急に通信で話しかけて来ないでと、何度も言った筈よ─────────グランドラクモン」
『ははははは、すまない。が、我が巨体過ぎるが故の通信なのだ。怒るのであれば、そちらの居住棟を大きくせよ』
端末から愉快そうに笑う声が響く。この声の主こそ、この城の主人にして、千景たちの雇い主たるグランドラクモンである。
『して、チカゲ。そなたに頼みたいことがある』
千景「────────今帰ってきたばかりなのだけど?」
『
千景「─────────────そうね。確かにそれは、私にしかできない事ね・・・・」
亜弥「赤嶺先輩の様子を伺いに向かわれるのですか?でしたら、私にもお手伝いを」
千景「駄目よ!絶対に駄目!!」
語気を荒げて、千景が怒る。千景の様子に、亜弥は肩を震わせて縮こまってしまう。
亜弥「ご・・・・ごめんなさい・・・・出すぎた真似を・・・・」
千景「あ────いえ・・・・・違うの・・・・私こそ、怒鳴ったりして、ごめんなさい・・・・」
互いに恐縮してしまった二人。そこへ、ベルゼブモンが亜弥に向かって警告する。
ベルゼブモン「おいアヤ。悪い事ァ言わねえ・・・・・今すぐ部屋に戻って、しばらく外に出るな。これは
亜弥「────それって・・・どういう事でしょう?」
ベルゼブモン「
亜弥「い・・・命の危険があるような事をなさるのですか!?」
千景「勇者の力があれば平気よ。でもあなたには無いでしょう?だから、部屋に戻っていなさい・・・・・・・・・そうね、もし一人で心細いのであるなら、ベルゼブモン」
ベルゼブモン「おいおい、一人で大丈夫かよ?」
千景「デジ・バーテックスをいくつか連れて行く。それで足りないなら、私が相手をするわ」
亜弥「千景先輩は、いったい何をなさるおつもりなんですか!?」
千景「簡単よ・・・・・・・ちょっと、暴れる患者をなだめに行くだけ──────物理的にね」
千景「赤嶺さん」
グランドラクモン城内の、研究施設。そこではグランドラクモンが開発した"イービルリング"を量産するための研究を行っている。
その室内に、赤嶺の勇者服が散乱している事から、ここに彼女がいるのだろう。
千景「───────いるんでしょう?返事くらいしなさい」
赤嶺「────────────────アァ、ぐんちゃん?」
部屋の片隅の暗がり、そこで赤嶺は食事していた。
千景「・・・・・・大丈夫・・・・そうではなさそうね」
赤嶺「ソウだねえ・・・・ちょぉっと、身体がイタイ・・・かなぁ・・・・」
暗がりから赤嶺が這い出てくる。
赤嶺「でも平気だよお・・・・・ワクチンプログラムは打ち込んだし・・・・なにヨリ・・・・・・」
そのまま赤嶺は、千景の後ろのデジ・バーテックスに襲い掛かり、
千景「────────いつ見てもおぞましい姿ね・・・・」
赤嶺の身体は、右腕がジャスティモンのトリニティーアームとなっており、左腕はリリモンのもの、胴体はレディーデビモン、両足に至っては、ヴァルキリモンの
その様相をデジモンで表すのならば、恐らく、誰もがこう、言い表すだろう。
まるで、キメラモンのようだ──────と
赤嶺「はぐ─────ぐじゅ──────くちゃ────」
千景「─────グランドラクモンが、心配していたわよ。身体が安定したなら、顔を見せに行ったら?」
赤嶺「あぁ・・・・うん・・・・・もぐもぐ・・・・ありがと、ぐんちゃん・・・・・くちゃくちゃ・・・・・後でそうするよ・・・・・」
一心不乱にデジ・バーテックスを食す赤嶺を尻目に、研究室を出る千景は、彼女が何故、こんな事になってしまったのか、それを思い返していた………
ゆゆテ!
赤嶺は、デジタル生命体を体内に取り込む事で、いびつな自身の身体を安定させている。
それだけでなく、様々な強化プログラムをインストールする事で肉体を強化している為、その反動でワクチンプログラムを打ち込まないと、かなりの激痛により、立つことも出来なくなってしまう。