冷静Lv1グラウモン「来ちゃった♪」
最近、ガチャ運良すぎなんだが・・・・・・
来月あたり、『お前はゆゆゆいで爆死する』っていう予言かね、これは・・・・・・(疑心暗鬼)
─前回までのあらすじ─
自分の非力さを痛感したハックモンは、ゴクウモンに師事を乞う。
案内されてやってきたのは闘技場。そこで百戦、勝ち抜くのが修行だと言う。
どうにかハックモンは九九戦勝ち抜くことができたのだが────
ハックモン「ひぃー・・・・・ひぃー・・・・・」
流石のハックモンも、九九戦はしんどかったらしく、控え室の床に這いつくばって肩で息をしていた。
ゴクウモン「カカッ!流石にキツイか!」
ハックモン「ひぃー・・・・・ひぃー・・・・・」
ゴクウモン「なんだ?しゃべることすら難しいのか?」
ハックモン「ふぅ・・・・・うっさい・・・・な・・・・」
どうやら息も整ってきたようだ。
ゴクウモン「んで?どうでぇ」
ハックモン「ハァ・・・・ハァ・・・・何が?」
ゴクウモン「九九戦、勝ち抜いてきただろう?何か掴めたモンはあるか?」
ハックモン「───────まだ、よくわからない」
ゴクウモンの問いに、ハックモンは気落ちしてしまう。
九九戦している最中にハックモンも気が付いていた。
この修行は、ハックモンが『強さを求める理由』を見つける為のものである、ということを・・・・・
ハックモン「オレは、ロイヤルナイツになる為に今まで修行を続けてきた・・・・・でも、それだけじゃダメなんだよな・・・・・」
ゴクウモン「わかってきたじゃねえか」
ハックモン「─────この修行で、見つけられるかな?」
ゴクウモン「さぁな・・・・・そいつァ手前にしか判らねぇ事だな」
ハックモン「───────────それも、そうか」
その時、呼び出しの放送が控え室に鳴り響く。
いよいよ百戦目。このコロシアムのチャンピオンとの戦いである。
ゴクウモン「さて、行ってこい。健闘を祈るぜ」
ハックモン「・・・・ああ!」
―――――――――――†――――――――――
一方その頃────
夏凛「ったく・・・・ハックモンのやつ、どこほっつき歩いてんのよ・・・・」
ハックモンがいなくなっている事に気付いた夏凛は、フローティアの街中を宛もなく探し歩いていた。
夏凛「アイツのことだし、どこか訓練できそうな場所にいると思うんだけど・・・・・・・ひなたに目ぼしい所、聞いておけばよかった・・・・」
ちなみにの余談なのだが。
夏凛がハックモンを探しに出かける前、夏凛がひなたに対して丁寧語で会話しているのを風に目撃され、それで一悶着あったりしたのだが、前述の通り余談なので特に意味は無い。
夏凛「なんか、黒歴史的な話をバラされた気がする」
気のせいです。
夏凛「───────ん?あれは」
その時、視界の端に見覚えのある顔が横切った。
足を止め、そちらを見ると──────
夏凛「これ・・・・亜弥の顔写真!?Wantedって・・・・どういう事!?」
そこに描かれていたのは、人懐っこい笑みを浮かべる国土亜弥の顔写真であった。
張り紙をよく読んでみると、どうやら探しているのはコロシアムのチャンピオンらしい。
夏凛「──────これは、ちょっと話を聞きに行く必要がありそうね・・・・コロシアムって言うならハックモンも、もしかしたら居るかもしれないし・・・・・」
夏凛は闘技場に向かって走り出した。
―――――――――――†――――――――――
闘技場の観客席に到着した夏凛が見たものは、ハックモンより一回り小さな金色のデジモンが、ハックモンを圧倒している様であった。
夏凛「っ!?────アイツ、いくらなんでも強すぎない!?」
ゴクウモン「当然。なにせ彼奴らはここ十年に渡って頂点の座を守護し続けている、まさに『最強のペア』なのだからな」
背後からの声に夏凛が振り向くと、そこにはゴクウモンの姿が。
夏凛「ハックモンを連れ出した────いえ、ハックモンに頼まれたってところかしら?」
ゴクウモン「察しが良いな」
夏凛「まぁね。なんとなく想像付くし・・・・・理由も含めて」
ゴクウモン「ほう・・・・やっぱアイツだけか、わかってねぇのは」
夏凛は沈黙したまま、戦いの様子を伺う。
ハックモン「ハァ・・・・ハァ・・・・こいつ・・・・・強い!!」
???「ぬぁーーはっはっはーーーー!!!このトゥエニストたるオレ様に!テメェごときが敵うもんかァ!!!!!!」
夏凛「トゥエニスト?」
ゴクウモン「アイツがそう勝手に言ってるだけだ。意味は知らん」
夏凛「ふぅん・・・・・・・って、あいつは!?」
その時になって漸く、夏凛は気付いた。
チャンピオンだと言うテイマーの少女が誰なのかを。
???「ズバモン、調子に乗らないで。ここまで成長期のままで勝ち抜いて来たのよ?同じ成長期同士なら、勝敗は五分五分。油断していたら足元を掬われるわ」
ズバモン「なら、油断しなけりゃ良いだけのハナシだろ?違うか?・・・・・・メブキ」
夏凛「楠・・・芽吹!?」
そう、コロシアムのチャンピオンとは、ズバモンのテイマーとは、行方不明になっていた調査隊の小隊長"楠芽吹"だったのである!!
─次回予告─
しばらくはハックモンとズバモンの戦いを見守っていた夏凛。
すると突如、芽吹から呼び出しがかかる。
「何時だかの決着を付けましょう」
それに対して夏凛は───────
え!?応じない!?
次回『強さの意味を見出だす、ということ』
今、新たな冒険の扉が開かれる………