結城友奈はテイマーである   作:渚のグレイズ

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ゆゆテっ!

昔取った杵柄を遺憾無く発揮することになった回。
正直、こんな展開になるとは思ってもみなかった(笑)


五十話 名探偵園ちゃん様 消えたぼた餅の謎 -answer-

_______________/\/ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

ホテルの倉庫

 

 

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???「まったく、勝手に動いたりして─────バレたらどうするんだ」

 

「ごめんなさーい」と口を揃えて謝るのは、成長期以下のデジモンたち。彼らの身なりはぼろぼろで、誰がどう見てもまともな環境で育った子たちではない。

そんな彼らの前に立ち、叱っているのは──────なんと、厨房を仕切っていたデジタマモン。

 

デジタマモン「私が持って来ている食べ物だけでは、足りないか?」

 

デジタマモンの言葉に、幼年期の子たちが「たりなーい!たりなーい!」と騒ぎだす。

 

エレキモン「お前ら止めろって!・・・・・・ゴメン、デジタマモン。でも、こいつらの言うことも────」

 

デジタマモン「──────潮時、かな」

 

???「うん。そうだね・・・・・」

 

デジタマモン「っ!?」

 

声のした方向に振り向くと、園子が入口のドアに寄りかかって立っていた。

 

園子「事情はなんとなくわかったんよ~。だけど、泥棒は良くないよ・・・・」

 

美森「──────どうしてデジタマモンが?そのっち、これはどういう事?」

 

デジタマモン「────────」

 

園子「今回の事件はね、わっしー。そこのちびちゃんたちがやった事なんよ。これは私の想像なんだけど~・・・・」

 

園子が語った事は以下の通りだ。

 

・デジタマモンが何処からか、はぐれデジモンを保護し、この倉庫内にて匿っていた。

・最初は残飯や余った食材等を与えていたが、次第にそれだけでは足りなくなる。

・空腹の幼年期デジモンたちの内の一体、ホテル内を探索中に友奈の部屋にてぼた餅を発見し、これを皿ごと持ち去る。

 

園子「─────とまぁ、そんなところだと思うんよ~」

 

レナモン「成る程・・・・幼年期程度のサイズなら、ベッドの下に潜るなり何なりして逃れる事も出来るだろう──────しかし、どうやってホテル内を完全に見つからずに移動していた?ホテルからこの倉庫へは、外を回って来なくてはならないぞ」

 

美森「そうね。お皿にぼた餅を乗せたまま移動していたら、その間に誰かしらに見つかってしまうわ。そこの種はどうやっているの?」

 

園子「ちょっと待ってね~多分もうすぐ・・・・あっ!来た来た♪ひなタンにお礼して~・・・・っと」

 

園子が端末を操作し、一枚の画像をその場の全員に見せる。

 

美森「これは?」

 

レナモン「配線の見取り図?」

 

「ドルるんに頼んでひなタンから貰ったんよ~」と園子が付け足し、ホテル中央に走る一つの管を指差した。

 

園子「このホテル、二階と一階の間にダクトを一つだけ用意してて、このホテルのケーブルは全部、そこに敷設してるんよ。そ~し~て~・・・・」

 

見取り図を見ながら、園子はスチール製の棚をよじ登り────

 

園子「てい♪」

 

壁に爪を立て、引き剥がした。どうやらそこにだけ壁紙が貼ってあったたようだ。

壁紙が剥がされた後の壁には四角い穴。

 

園子「所謂、点検口ってやつかな?」

 

本来ならば、こうした点検口には蓋がされている筈だが、周囲には見当たらなかった。おそらく、日頃から使用している為に蓋は撤去したのだろう。

 

レナモン「そうか!この点検口からホテル内ダクトに入って、各部屋に侵入していたのか!!」

 

デジタマモン「─────そうだ」

 

デジタマモンは観念して、事情の全てを吐き出したのであった。

 

―――――――――――†――――――――――

 

デジタマモン「こいつらは、テイマーに棄てられた野良デジモンだ。実の所、私もこいつらと同じで・・・・マスターに拾われて、今はこうして料理長の地位を貰っているが・・・・・・」

 

美森「どうしても、その子たちを放って置けなかったのね」

 

デジタマモン「ああ・・・・・・だが、もう無理だな。バレてしまってはここには居られない」

 

レナモン「待て。どうするつもりだ?」

 

デジタマモン「ここを出ていく。こいつらと共に、どこかに旅に行くさ」

 

 

 

 

 

中谷「僕に挨拶も無しにかい?」

 

 

 

 

 

唐突に現れた中谷さんに、デジタマモンが驚く。中谷さんの傍らに立つひなたが言う。

 

ひなた「ドルモンに頼まれて、連れてきましたよ」

 

園子「ありがと~ひなタン♪」

 

デジタマモン「マスター・・・・・でも!」

 

中谷「言った筈だぞ?僕はお前のマスターだ。お前のした事の責任は、僕の責任でもある」

 

デジタマモン「ダメだマスター!私がこいつらを連れて出ていけばそれで済む!マスターはここに必要な人!だから・・・・・」

 

中谷「だったらお前は、僕にとって必要な相棒だ!!」

 

デジタマモン「っ!?」

 

中谷「この僕が、そう言っているのに、お前はそんな僕を置いて、去ろうと言うのかい?」

 

デジタマモン「───────ぅう・・・・マスター・・・・・!!」

 

ひし、と抱き合う中谷さんとデジタマモン。

 

ひなた「・・・・良い話ですね」

 

美森「─────そうね。でも、友奈ちゃんのぼた餅を食べた罪はどうしましょう?」

 

園子「わっしー・・・・・・・今はそういう事言わないでよ~・・・・」

 

美森「重要な事よ!お皿は無事見つかったけど、食べてしまったぼた餅はもう戻って来ないのよ!!」

 

憤慨する東郷に、中谷さんが申し訳なさそうに謝罪する。

 

中谷「申し訳ありません─────お詫びと言ってはなんですが、私たちお手製の和菓子でよろしければ・・・・」

 

ひなた「中谷さんの作るお菓子は絶品です。若葉ちゃんも絶賛してましたよ。『ほっぺたが落ちてしまいそうだ』って」

 

園子「ゆーゆも喜んでくれると思うな~」

 

美森「──────そういう事でしたら」

 

そんな訳で、この度の珍騒動はこれにて一件落着。

ちなみに、この野良デジモンたち。

このホテルの住み込み従業員として、ひなたが雇ってあげたそうな。

 




~次回予告~

友奈のぼた餅消失事件が起きていた頃と同時刻。
アクアリウムにて棗とレストランに来ていた風は、そこで強盗団に襲撃される!?

「我々の要求はただ一つ!─────────コッペパンを要求するっ!!」

・・・・・・・・コッペ?

次回『風の女子力クッキングwith棗』

今、新たな冒険の扉が開かれる………
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