結城友奈はテイマーである   作:渚のグレイズ

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デジライズがもうすぐ一周年らしい。
と言う事は、この作品はもう既に一周年を過ぎてるって事なんだよね・・・・・
調べたら三六話の投稿日が一番近かった。
・・・・・・・・アレが?マジで?



-今回のあらまし-

ひなたより頼まれた『アクアリウム慰問ライブ』へ向けて準備を行う風たちと、それを手伝う棗。
友奈たちがフローティアにてビラ配りを行っている最中、風と棗は最終調整を終えようとしていた。



※ちなみに、前話のぼた餅消失事件は、ビラ配り中の休憩時に起きた珍事。


五一話 風の女子力クッキングwith棗 前編

風「んー・・・・!!どうにか間に合いそうね!」

 

棗「ああ」

 

アクアリウムの中央広場。

普段は何も無い、穏やかに水面が揺蕩うだけのその場所に、今は巨大なステージが設置されていた。

勇者部メンバーを筆頭に、有志の者たちで結成された実行委員会により造られた、『アクアリウム慰問ライブ』のステージだ。

 

風「ああ!見える・・・・見えるワ!!スポットライトに照らし出されて、美しく歌い踊る樹の艷姿が!!」

 

ギルモン「見えないよー?」

 

風「じきにアンタも分かるようになるワ・・・・!」

 

ギルモン「いや、おいらは別に・・・・」

 

風「なにおうコイツぅ!!」

 

ギルモン「んぎゃあ~~~!?」

 

棗「風は樹が大切なのだな」

 

ギルモンの頭をぐりぐりする風に、棗が優しげな視線を送る。

と、その瞬間であった。

 

 

 

 

ぐぎゅるるるる~~~~~~~・・・・

 

 

 

 

 

ギルモンのお腹から、お昼時を報せる時報が鳴り響く。

 

ギルモン「フウ~~、お腹空いた~~」

 

風「ふふ、そうね。ご飯にしましょっか♪」

 

棗「なら、今日は私の行き付けの店に行かないか?」

 

風「へえ!良いじゃない♪んじゃ、そこにしましょ♪」

 

棗「ああ・・・・・・ちょっと待ってくれ」

 

不意に、棗が広場の水面に向かって叫んだ。

 

棗「ペロぉ~~~~!!お昼だぞぉ~~~~!!今日は"海の家"に行くぞぉ~~~~!!!」

 

すると、水面から二本の金属製の触手のような物体が現れ、うねうねと蠢いた。

 

風「ぶわっは~~!!!何!?何なのこれぇ!?」

 

『"海の家"なんて、洒落た名前ね~』なんて呑気に考えていた風は、触手のような物体に腰を抜かす。

が、棗はそれに答えず、触手のような物体の動きを見て、更に叫ぶ。

 

棗「分かった~~~~!!先に行っているぞぉ~~~~!!」

 

ふと、そこで風は気付いた。触手と思っていた物体の先端にはオールのような平たい水掻きが付いている事に。

どうやら触手ではなく尻尾か何かのようだ。

尻尾は器用に丸を形作ると、水の中に沈んでいった。

 

棗「よし、ペロにも伝えておいた。行こうか」

 

風「へ?あ、うん」

 

余談だが、ここ数日の風はこのようにして棗のマイペースっぷりに振り回されてばかりだったりする。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\/\____

 

喫茶"海の家"

 

 

____/\/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

アクアリウムから出て海岸線をしばらく歩いた所に、茅葺き屋根の家が一軒建っている。

 

風「ここ?」

 

棗「ああ」

 

棗に着いて"海の家"に入る。

外観からは想像できないが、店内はそこそこ広く大勢のデジモンたちで賑わっている。

 

風「へぇ・・・・結構人気のお店なのね」

 

???「まぁね~。この辺に何も無いってのもあって、おかげさまで大繁盛してるわよ~」

 

棗「女将」

 

棗に女将と呼ばれたのは、なんとマリンエンジェモン。

この"海の家"の店主なのだ。

 

┌─────────┐

マリンエンジェモン

└─────────┘

妖精型デジモン

滅多に、その姿を見ることのできないネットの海に棲む妖精型デジモン。エンジェモンの名前を持っているが、生態系としては全くエンジェモン系とは別の種族である。基本的に戦闘は好まないが、必殺技である『オーシャンラブ』はあらゆる敵の戦意を喪失させ、結果的に勝利をおさめることになるぞ!

 

Mエンジェモン「なつめちゃんお久しぶりね~♪しばらく顔を見せてくれないから、飽きられちゃったのかと思ってたわ~」

 

棗「すまない。ちょっと、いろいろあって・・・・」

 

Mエンジェモン「それはそうと~、後ろのかわいこちゃんはだぁれ?おねーさんにナイショでカノジョでも作ってたの~?(2828)」

 

風「ふぁっ!?///」

 

マリンエンジェモンにからかわれ、風は赤面してしまう。

 

棗「風だ。別に、カノジョ?ではない」

 

Mエンジェモン「あら~、そうなの?」

 

風「あ・・・・えと・・・・いい、犬吠埼風です!棗─────さん、とは仲良くさせていただいており────」

 

Mエンジェモン「あらあら、カタくなっちゃって~♪カワイイんだから♪」

 

棗「──────────女将。そろそろ良いか?風も困っている」

 

ギルモン「お腹空いた~~!!」

 

Mエンジェモン「ああごめんなさい、あたしったら♪」

 

テヘペロ♪っと愛嬌を振り撒きながら、マリンエンジェモンは風たちを席に案内する。

 

風「あはは・・・・なんと言うか・・・・園子みたいなデジモンね・・・・・・(汗)」

 

棗「女将はいつもああなんだ」

 

Mエンジェモン「なつめちゃん、いつもので良いわね~?ふうちゃんもギルちゃんもそれで良~い?」

 

棗「ああ」

 

風「えっと、お任せします」

 

ギルモン「お~な~か~す~い~た~~~!!!」

 

風「もう少しだから、我慢なさい」

 

暴れそうなギルモンを風が嗜める。

と、その瞬間であった!?

 

 

 

 

 

「ぅオラァ!!!強盗だァ!!!!」

 

 

 

 

 

風「な!?何事ぉ~~~!?!?」

 

現れたのは三体のハンギョモンだった。

 

┌──────┐

ハンギョモン

└──────┘

水棲獣人型デジモン

ウェットスーツを着た水棲獣人型デジモン。陽気な性格で、いつも「ネットの海」を泳ぎまわっている。水の中での活動が得意で、戦闘では背中の水中高速移動モーターを使い、スピードを活かした戦い方をする。必殺技は愛用のモリ「トレント」で敵をさす『ストライクフィッシング』だ!

 

 

銛を客に突き付け、ハンギョモンは声高々に要求する。

 

ハンギョモンA「我々の要求はただ一つ・・・・・・コッペパンを要求するッ!!!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『────────────コッペ?』

 

その瞬間、その場にいる全員の心が一致した。

 

ハンギョモンB「アニキアニキ、違いますって」

 

ハンギョモンA「おっと、そうだった。コホン─────10万bitを要求するッ!!!

 

ハンギョモンC「アニキアニキ、それだけじゃ俺ら三人分は足りないッス」

 

ハンギョモンA「それもそうか。コホン─────qあwせdrftgyふじこlpbit要求するッ!!!

 

Mエンジェモン「文字化けして何言ってるかわかんないけど・・・・・・?」

 

ハンギョモンB「アニキぃ・・・・腹ぁ減ったよぉ・・・」

 

ハンギョモンA「うーん・・・・そうだな。コホン─────コッペパンを要求するッ!!!

 

風「結局元に戻ってるじゃない!!!」

 

思わず突っ込みを入れた風を誰が責められようか・・・・

 

―――――――――――†――――――――――

 

風「なによ、あんたたちもお腹空いてるの?」

 

ハンギョモンA「───────実は」

 

ハンギョモンB「でも、俺ら金持ってないし・・・・」

 

Mエンジェモン「しばらくの間働いてくれたら、お代は別にいいのに」

 

ハンギョモンC「─────強盗なんてしてた俺ら、バカじゃん」

 

マリンエンジェモンの鶴の一声により、ハンギョモンたちはおとなしくなった。

 

風「まったく、人騒がせねえ・・・・・んー、よし!」

 

Mエンジェモン「あら、ふうちゃん。どうかした?」

 

風「ちょっと厨房貸してください!」

 

Mエンジェモン「?別に良いわよ。でもどうしたの?」

 

風「それと、そこの三馬鹿」

 

ハンギョモンズ『俺ら・・・・?』

 

風「あんたたちしかいないでしょ。これ、アクアリウムで買って来て!大至急!!」

 

メモとクレジットカードをハンギョモンズに渡し、風は厨房へと消えて行った。

 

Mエンジェモン「・・・・・なつめちゃん。あなたのお友達、何をするつもりなのかしら?」

 

棗「風なら大丈夫だ」

 

棗はただ、穏やかな笑みを称えて、風を見守るのみであった………




ゆゆテ!

またもや分割ッ!
でも週一更新してる関係上、今の小生の執筆力では分割せざるを得ない・・・・・

もっと、文才がほちぃ・・・・・・

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