と言う事は、この作品はもう既に一周年を過ぎてるって事なんだよね・・・・・
調べたら三六話の投稿日が一番近かった。
・・・・・・・・アレが?マジで?
-今回のあらまし-
ひなたより頼まれた『アクアリウム慰問ライブ』へ向けて準備を行う風たちと、それを手伝う棗。
友奈たちがフローティアにてビラ配りを行っている最中、風と棗は最終調整を終えようとしていた。
※ちなみに、前話のぼた餅消失事件は、ビラ配り中の休憩時に起きた珍事。
風「んー・・・・!!どうにか間に合いそうね!」
棗「ああ」
アクアリウムの中央広場。
普段は何も無い、穏やかに水面が揺蕩うだけのその場所に、今は巨大なステージが設置されていた。
勇者部メンバーを筆頭に、有志の者たちで結成された実行委員会により造られた、『アクアリウム慰問ライブ』のステージだ。
風「ああ!見える・・・・見えるワ!!スポットライトに照らし出されて、美しく歌い踊る樹の艷姿が!!」
ギルモン「見えないよー?」
風「じきにアンタも分かるようになるワ・・・・!」
ギルモン「いや、おいらは別に・・・・」
風「なにおうコイツぅ!!」
ギルモン「んぎゃあ~~~!?」
棗「風は樹が大切なのだな」
ギルモンの頭をぐりぐりする風に、棗が優しげな視線を送る。
と、その瞬間であった。
ぐぎゅるるるる~~~~~~~・・・・
ギルモンのお腹から、お昼時を報せる時報が鳴り響く。
ギルモン「フウ~~、お腹空いた~~」
風「ふふ、そうね。ご飯にしましょっか♪」
棗「なら、今日は私の行き付けの店に行かないか?」
風「へえ!良いじゃない♪んじゃ、そこにしましょ♪」
棗「ああ・・・・・・ちょっと待ってくれ」
不意に、棗が広場の水面に向かって叫んだ。
棗「ペロぉ~~~~!!お昼だぞぉ~~~~!!今日は"海の家"に行くぞぉ~~~~!!!」
すると、水面から二本の金属製の触手のような物体が現れ、うねうねと蠢いた。
風「ぶわっは~~!!!何!?何なのこれぇ!?」
『"海の家"なんて、洒落た名前ね~』なんて呑気に考えていた風は、触手のような物体に腰を抜かす。
が、棗はそれに答えず、触手のような物体の動きを見て、更に叫ぶ。
棗「分かった~~~~!!先に行っているぞぉ~~~~!!」
ふと、そこで風は気付いた。触手と思っていた物体の先端にはオールのような平たい水掻きが付いている事に。
どうやら触手ではなく尻尾か何かのようだ。
尻尾は器用に丸を形作ると、水の中に沈んでいった。
棗「よし、ペロにも伝えておいた。行こうか」
風「へ?あ、うん」
余談だが、ここ数日の風はこのようにして棗のマイペースっぷりに振り回されてばかりだったりする。
アクアリウムから出て海岸線をしばらく歩いた所に、茅葺き屋根の家が一軒建っている。
風「ここ?」
棗「ああ」
棗に着いて"海の家"に入る。
外観からは想像できないが、店内はそこそこ広く大勢のデジモンたちで賑わっている。
風「へぇ・・・・結構人気のお店なのね」
???「まぁね~。この辺に何も無いってのもあって、おかげさまで大繁盛してるわよ~」
棗「女将」
棗に女将と呼ばれたのは、なんとマリンエンジェモン。
この"海の家"の店主なのだ。
┌─────────┐
│マリンエンジェモン│
└─────────┘
妖精型デジモン
Mエンジェモン「なつめちゃんお久しぶりね~♪しばらく顔を見せてくれないから、飽きられちゃったのかと思ってたわ~」
棗「すまない。ちょっと、いろいろあって・・・・」
Mエンジェモン「それはそうと~、後ろのかわいこちゃんはだぁれ?おねーさんにナイショでカノジョでも作ってたの~?(2828)」
風「ふぁっ!?///」
マリンエンジェモンにからかわれ、風は赤面してしまう。
棗「風だ。別に、カノジョ?ではない」
Mエンジェモン「あら~、そうなの?」
風「あ・・・・えと・・・・いい、犬吠埼風です!棗─────さん、とは仲良くさせていただいており────」
Mエンジェモン「あらあら、カタくなっちゃって~♪カワイイんだから♪」
棗「──────────女将。そろそろ良いか?風も困っている」
ギルモン「お腹空いた~~!!」
Mエンジェモン「ああごめんなさい、あたしったら♪」
テヘペロ♪っと愛嬌を振り撒きながら、マリンエンジェモンは風たちを席に案内する。
風「あはは・・・・なんと言うか・・・・園子みたいなデジモンね・・・・・・(汗)」
棗「女将はいつもああなんだ」
Mエンジェモン「なつめちゃん、いつもので良いわね~?ふうちゃんもギルちゃんもそれで良~い?」
棗「ああ」
風「えっと、お任せします」
ギルモン「お~な~か~す~い~た~~~!!!」
風「もう少しだから、我慢なさい」
暴れそうなギルモンを風が嗜める。
と、その瞬間であった!?
「ぅオラァ!!!強盗だァ!!!!」
風「な!?何事ぉ~~~!?!?」
現れたのは三体のハンギョモンだった。
┌──────┐
│ハンギョモン│
└──────┘
水棲獣人型デジモン
銛を客に突き付け、ハンギョモンは声高々に要求する。
ハンギョモンA「我々の要求はただ一つ・・・・・・コッペパンを要求するッ!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・
『────────────コッペ?』
その瞬間、その場にいる全員の心が一致した。
ハンギョモンB「アニキアニキ、違いますって」
ハンギョモンA「おっと、そうだった。コホン─────10万bitを要求するッ!!!」
ハンギョモンC「アニキアニキ、それだけじゃ俺ら三人分は足りないッス」
ハンギョモンA「それもそうか。コホン─────qあwせdrftgyふじこlpbit要求するッ!!!」
Mエンジェモン「文字化けして何言ってるかわかんないけど・・・・・・?」
ハンギョモンB「アニキぃ・・・・腹ぁ減ったよぉ・・・」
ハンギョモンA「うーん・・・・そうだな。コホン─────コッペパンを要求するッ!!!」
風「結局元に戻ってるじゃない!!!」
思わず突っ込みを入れた風を誰が責められようか・・・・
―――――――――――†――――――――――
風「なによ、あんたたちもお腹空いてるの?」
ハンギョモンA「───────実は」
ハンギョモンB「でも、俺ら金持ってないし・・・・」
Mエンジェモン「しばらくの間働いてくれたら、お代は別にいいのに」
ハンギョモンC「─────強盗なんてしてた俺ら、バカじゃん」
マリンエンジェモンの鶴の一声により、ハンギョモンたちはおとなしくなった。
風「まったく、人騒がせねえ・・・・・んー、よし!」
Mエンジェモン「あら、ふうちゃん。どうかした?」
風「ちょっと厨房貸してください!」
Mエンジェモン「?別に良いわよ。でもどうしたの?」
風「それと、そこの三馬鹿」
ハンギョモンズ『俺ら・・・・?』
風「あんたたちしかいないでしょ。これ、アクアリウムで買って来て!大至急!!」
メモとクレジットカードをハンギョモンズに渡し、風は厨房へと消えて行った。
Mエンジェモン「・・・・・なつめちゃん。あなたのお友達、何をするつもりなのかしら?」
棗「風なら大丈夫だ」
棗はただ、穏やかな笑みを称えて、風を見守るのみであった………
ゆゆテ!
またもや分割ッ!
でも週一更新してる関係上、今の小生の執筆力では分割せざるを得ない・・・・・
もっと、文才がほちぃ・・・・・・