結城友奈はテイマーである   作:渚のグレイズ

89 / 335
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\/\____


???・ナノモンの研究室

 

____/\/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


ナノモン「やれやれ・・・・ヴァンデモンもデジモン使いが荒くて困ったものだ・・・・これ程のデータをワタシ一人で解析しろなどと・・・・・腕が鳴るじゃあないか・・・・・!!」

???「ゴキゲンねえ、ナノモンちゃん」

ナノモン「む、お前か・・・・ガーベモンの奴はどうした?」

???「あんまりにも役立たずだから、諸島攻略に回してやったワ~!」

ナノモン「・・・・・まあ良い。そういえば、今日はアクアリウムで『慰問ライブ』とやらをやっているそうだ。なんでも、例の大戦から復興を遂げた記念日だとか・・・・」

???「あらあら、そうなの?アチキ、お祭りは好きよ~・・・・・あら、何この娘。『讃州のセイレーン』ですって?」

ナノモン「ああ、その人間が今回の主役らしい。なんでも、アイドル・・・・という職業に就いているとか」

???「アイドルですってェ!?!?!?こうしちゃ居られないワ!!」

ナノモン「む?あ、おい!?──────行ってしまった。やれやれ・・・・我々の名を貶めるような行動をしなければ良いのだが・・・・」




五二話 紅白ガチンコ歌合戦!讃州のセイレーン()VSキング・オブ・デジモン(エテモン) -前奏-

遂にこの日がやって来た!

待ちに待った『アクアリウム慰問ライブ』の日だ!

 

風「いよいよ樹の晴れ舞台!くぅぅぅぅぅ!!お姉ちゃん、涙で前が見えないワ(号泣)」

 

夏凜「やれやれ、まーた風の姉バカが始まった」

 

樹「感動し過ぎだよぉ・・・(苦笑)」

 

銀「樹の歌って、そんなに凄いの?」

 

園子「そうなんよ~♪イッツんの歌はね、聴いてると元気になれるんだ~♪」

 

美森「二代目勇者部部長として、活躍もした樹ちゃんだもの。今日の舞台も大成功間違いないわ」

 

友奈「うんっ!樹ちゃんなら大丈夫!!『なせば大抵なんとかなる』!」

 

楽屋裏での談話に興じる勇者たち。

と、そこへひなたが駆け込んで来た。

 

ひなた「皆さん大変ですっ!!」

 

風「あ、ひなた。もう樹の出番?」

 

ひなた「それどころではありません!ライブ会場が・・・・!!」

 

美森「なんですって!?」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\/\____

 

ライブ会場

 

 

____/\/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

???イェェェェェェェェイ!!!

 

夏凜「こ・・・これは!?」

 

会場に到着した一行が見たものは、舞台を乗っ取り好き放題に歌う一人のデジモン。

観客たちは、そのデジモンの歌に酔いしれ熱狂的なエールを送っている。の、だが────

 

樹「す・・・凄い・・・!?素敵な歌声を歌詞と音痴が台無しにしてる・・・・!!」

 

正直に言って、歌そのものは酷いものだった。

 

???「んんん?アチキの歌に文句を言ったのは誰かしらぁぁ?」

 

樹「聞こえてた!?」

 

???「あらァ?そこに居るのはもしかして、『讃州のセイレーン』さんじゃな~い?」

 

舞台袖の樹たちに気付いたそのデジモンは、笑みを浮かべながら樹たちに近寄る。

 

風「ちょっとアンタ!折角の樹の晴れ舞台を邪魔して、何のつもり!!事と次第によっては只じゃ済まないわよ!!!」

 

夏凜「落ち着きなさい、風。で、アンタ何者?なんかめっちゃ人気みたいだけど」

 

???「あら、アチキを知らないなんて・・・・・田舎者かしら?」

 

美森「御生憎様、私達は樹ちゃん以外の歌手にはてんで興味が無いもので」

 

???「あらやだ!?信じられな~い!『キング・オブ・デジモン』のエテモンと言えば、この辺りでは名の知れたアイドルだって言うのに~!!」

 

友奈「きんぐ?」

 

棗「─────もしや」

 

風「知ってるの、棗?」

 

棗「『デジモンキング』という通り名を持つ歌手デジモンが居ると聞いた事がある。彼の歌を聴いた者は、まるで生命のガソリンを注がれたかのように、とても元気になれるそうだ」

 

???「ち~~が~~う~~!!アチキのは『キング・オブ・デジモン』!!あんなぽっと出のヒヨッコなんかと一緒にしてもらっちゃ困るわ~~!」

 

┌────┐

エテモン

└────┘

パペット型デジモン

突如としてデジタルワールドに出現した正体不明のデジモン。“キング・オブ・デジモン”を自称し、その戦闘力は想像を絶する。あの、謎のデジモン「もんざえモン」を陰で操っていると噂される。あらゆる攻撃に耐える強化サルスーツに身を包んで、果てることのない戦いのため今日も全世界を飛び回っている。必殺技は敵のハートを切なくさせ、戦意を消失させる『ラブ・セレナーデ』と、触れるものを全て消滅させる黒い球体『ダークスピリッツ』だ!

 

風「あっはい」

 

エテモン「ま!良いワ。アンタたちもアチキのライブを楽しんでいきなさい!!」

 

それだけ言うと、エテモンは再び歌い始めた。

再び熱狂に包まれる客席。

 

友奈「うーん・・・・・・悪くは無いけど、そんなに良い歌じゃないね」

 

銀「そうだなー・・・・・・・ん?どうした、アグモン!?」

 

エテモンの歌を聴いていた勇者たちだったが、銀が相棒の異変に気付き、声を上げた。

 

アグモン「ん~~・・・なんか、力が出ない~~・・・・・」

 

アグモンだけでなく、園子に抱き抱えられているドルモンや、友奈の頭の上のチビモン等、数体のデジモンたちがぐったりしていた。

 

美森「みんなが・・・・・・まさか!?」

 

何かに気付いた東郷が、アクアリウムの外で見回りをしているレナモンに電話をかける。

 

レナモン『どうしたミモリ』

 

美森「レナモン!あなたは大丈夫!?」

 

レナモン『何かあったのか!?私の方は異常無しだが・・・・』

 

美森「──────不審者が現れたりは?」

 

レナモン『無いな・・・・・・・いや、さっきエテモンが来訪してきたな、そういえば。今回のライブの特別ゲストだと思って通したんだ』

 

美森「─────────────そう」

 

レナモン『今、彼が歌っているのだろう?ここからでも聴こえてくるよ。しかし変だな』

 

美森「変?」

 

レナモン『彼の歌は、聴く者の心を奮わせるだけの力を持っている。私もかつて、エテモンの歌に勇気を貰ったものだ。だが、今聴こえてくる歌からは何も感じないんだ・・・・むしろ、逆に萎えていく感じがする』

 

美森「・・・・・・わかったわ。ありがとう」

 

レナモン『ライブ、私の分も楽しんでくれよ』

 

通話を切った東郷は、レナモンから貰った情報を皆に伝えた。

 

美森「────という事らしいわ」

 

棗「・・・・本物の有名人だったのか」

 

風「レナモンが言うんだから、本当の事なんだろうけど・・・・・」

 

夏凜「正直、そこら辺のアイドルの方が良い歌歌うわよ。オマケにデジモンから気力を奪っていくし」

 

樹「─────────────」

 

園子「どうかしたの?イッツん」

 

園子からの問いかけにも答えず、樹はエテモンのいる舞台に飛び出し、叫ぶ。

 

樹「エテモンさん!!質問があります!!!」

 

エテモン「あら、なにかしら~~?」

 

樹「あなたにとって・・・・・『歌』って、なんなんですか!?」

 

その問いに、エテモンは沈黙する。

 

エテモン「─────────聞きたいかしら?」

 

樹は黙って首を縦に振る。

 

エテモン「良いワ。だったらアンタ!アチキと勝負なさい!お題目はモチロン・・・・歌よ!!」

 

樹「臨むところです!」

 

 




ゆゆテ!

ラセンモン激昂モード、ゲットしました~♪
更に、水着メブと亜弥ちゃんも入手!

今月は中々に運気が良いね!・・・・・・・・・・・来月あたりが怖いなぁ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。