そんな訳で、『ボレロ・DE・8/1』計画を実行!(はちぶんのいちじゃないよ!わかってるとおもうけど)
本編に混ぜるか否かは全くの未定だけど、現実世界でのちょっとした出会いのお話を何回かに分けて投稿します。今回はそのパート1です。
どうぞ、御堪能ください。
EX.一話 生誕-はじめまして-
―――――――――――†――――――――――
時は、神世紀301年八月一日。四国内の復興もある程度完了してきた頃。
"本土復興プロジェクト"のリーダー三好春信が、大赦本庁にて復興計画を他の幹部たちと協議している最中の事であった。
春信「・・・・・ん?」
突然、彼の端末に差出人不明のメールが届いた。
春信「またスパムメールか・・・・・・?」
神樹が消えて以来、こういった所謂"呪いのメール"のような物が増え、主に大赦職員等を中心に被害が出ていた。
今回もその類いだろうと春信は考え、内容も見ずに削除した。
否、
春信「────?」
どういう事か、何故かそのメールは削除コマンドを受付なかった。
幹部A「三好さん?どうかしましたか?」
春信「いえ、なんでも・・・・只の質の悪いイタズラメールですよ」
幹部B「ああ、あの。最近多いですよね・・・」
春信「ええ、まったく・・・・」
とりあえず、メールの件は頭から切り離し、今後の為の協議を進める春信であった。
―――――――――――†――――――――――
その日の夜───
春信「さて・・・・・いったいなんなんだ?このメールは」
メールをパソコンに移し、その内容を確認する。
メールには何かのアプリケーションファイルが添付してあるだけで、他には何も書かれてない。
春信「─────怪しい」
春信のパソコンには各種バックアップ用のデータファイルが、幾つかのサーバーに保存してある。
故に、一度に全てのサーバーが落ちない限りは何度でも修復が可能なのだ。
よって、このような謎のファイルを開く時は、パソコンを使っている。
春信「・・・・・・・・・よし」
意を決してファイルを開く。
バーが表示され、アプリケーションの解凍が開始された。
三分の一まで進行した所で、画面にノイズが走った。
春信「ん?なんだ────?」
サーバートラブルかと思い確認するが、特に異常は見られない。
春信「気のせい・・・・か?」
気にせず春信は解凍を続ける。
そして、バーが右端まで行き渡り、解凍完了の通知が画面に表示された瞬間、それは起きた。
突如としてパソコンの画面がブラックアウトし、0と1が降り注ぎ始めたのだ。
それだけに留まらず、デジタル時計がデタラメな表示を示し、部屋の電気が点滅しだし、エアコンは温度も風量もその向きも無茶苦茶に吐き出し始めたり・・・・・と、どういう事か家中の家電という家電が無秩序に起動し始めたのだった。
春信「なんだ!?いったい何が起きている!?」
異変に戸惑う春信を余所に、画面の0と1はどんどん降り積もっていき、ある物を形造る。
春信「?これは・・・・・タマゴ・・・・か?」
画面の中のタマゴが完成したその瞬間、目映い光が画面から迸る。
春信「うおっまぶしっ!?何の光ぃ!?!?」
光は春信ごと部屋全体を包み──────
気が付けば、朝になっていた。
春信「ぅう・・・・・なん・・・だ?・・・・・夢だった・・・・のか?」
パソコンは電源が入っているにも関わらずその画面は真っ黒に染まっていたが、時計は正しい時を刻み、エアコンも正常に稼働している。もちろん、部屋の電気もちゃんと点いている。
このことから春信は、一連の現象を全て夢だと考えた。
背後から、何物かの気配を感じ取るまでは。
春信「っ!?何奴!!」
ペン立てのカッターナイフを手に、後ろを振り向く。
灰色の模様が描かれた白いタマゴが、直立していた。
春信「な!?─────え?」
タマゴは春信に気付かれると、カタカタ…カタカタ…と震え始めた。振動の間隔が次第に狭まっていき、やがて────
ピシリ
春信「割れた!?生まれるのか!?」
真ん中からヒビが入って綺麗に上下に開くという、自然界では絶対に見られない方法で、それは生まれた。
プスモン「ばぶー!!」
春信「──────────なに・・・・・これ?」
この時春信は気付かなかったが、真っ黒な画面から白い何かが出てきて、部屋の窓を開けて外へ飛び出して行ったのだった。
これが、プスモンと春信の出会い。
そして、この世界において、初めてのリアライズ事件。
この日を境に、春信の生活が一変したのは、言うまでも無い。
┌────┐
│プスモン│
└────┘
スライム型デジモン
全身の綿のように柔らかい毛が生えたスライム型デジモン。頭頂部にある黄色い毛だけはそこそこ硬い。常におしゃぶりが無いと落ち着かず、失くしたりすると大声で泣き続ける。息を吸い込んで身体を大きく膨らませ、体内に貯め込んだ空気と共におしゃぶりを飛ばし、敵を威嚇するぞ