☆月◆日
地球からイスカンダルまでの道程は片道十六万八千光年。往復で三十三万六千光年。
ヤマトはその道程を一年以内に行き来する為に特別なワープ装置を備えているのだが、現在ヤマトには充分なワープをする為の資材が足りないそうで、ヤマトは一度火星にある基地にワープに必要な資材を取りに行くことになった。
それにしても昨日のモビルスーツの話を聞いたときも思ったけど、この世界の技術力は本当に凄いな。
まさかワープ装置の開発だけでなく地球以外の惑星を居住可能な状態に出来るだなんて。俺の世界なんてまだ地球周辺の宇宙にコロニーを造って暮らすくらいしか実現出来ていないのに。
感心しているとガミラスの戦闘部隊がやって来てヤマトに襲い掛かってきた。これは俺も予想していたが、敵の中にガミラスの戦闘機に混じって人型の機体、モビルスーツの姿があったのは予想外だった。
聞いた話ではガミラスの戦力にモビルスーツは無いはずなのにどうして? と、俺が首を傾げているとソウジさんが「あれは木星帝国の生き残りだ」と教えてくれた。
木星帝国。地球から木星に移住した宇宙移民が作り上げた国家で、何年か前に地球と大きな戦争を行って今は戦争に負けてその戦力のほとんどを失っているらしい。
木星帝国は前の戦争で戦死した総統の影響で地球に強い憎しみを懐いていて、だからあの木星帝国の生き残りはガミラスと手を組んだんじゃないかと、ソウジさんは言う。
俺の世界も地球と宇宙に住む人達の全体的な仲は決して良くないがこの世界でもか……。正直、こんな嫌な共通点はいらないんだけどな。
俺がそんな事を思いながらガミラスと戦っていると、今度は額と胸にドクロのマークをいれた特徴的なモビルスーツが現れて手助けをしてくれた。
ヤマトの人達の言葉によるとあのモビルスーツは、地球と木星帝国での戦いで大きな戦果を出した宇宙海賊「クロスボーン・バンガード」の代表的なモビルスーツなんだとか。
ガミラスの戦闘部隊を撃退した後、手助けをしてくれたドクロのモビルスーツ、クロスボーンガンダムのパイロットであるトビア君が木星帝国の残党を追うためにヤマトに乗ることになったのだが、初めてトビア君の顔を見た瞬間に頭の中で奇妙な共鳴みたいなものが起こった気がした。それはトビア君も同じだったようで、トビア君は俺に「もしかして貴方も『ニュータイプ』なんですか?」と聞いてきた。
ニュータイプって昨日チトセさんから聞いたあれだろ? 感受性とかに優れた超能力者みたいなものだろ?
そしてトビア君の予想は惜しいけど間違い。俺はニュータイプではなく「スターゲイザー」(※12)なのである。
……うん。分かってる。自分でもスターゲイザーなんてキャラじゃないのは分かっている。
でも仕方ないだろう? フォーチューンでの検査でスターゲイザーとしての適性があるって言われたんだから。
トビア君に俺が別の世界から来た事とスターゲイザーである事を説明するとトビア君は一度驚いてから「ニュータイプとスターゲイザーってなんだか似ていますね」と言った。俺も同意見だ。
今日は俺の世界とこの世界の似ている点を色々と実感した日だった。
☆月□日
木星帝国残党の秘密基地があるという宙域をソウジさんとトビア君と一緒に偵察した。
するとそこで木星帝国残党のモビルスーツを発見。これで秘密基地があるという情報が正しいという事が分かったのだが、捕まえて詳しい秘密基地の場所を聞き出そうとすると、その木星帝国残党は「お前達はアムロ・レイに殺される」意味深な言葉を残して自爆してしまった。
アムロ・レイとはこの世界で百年前に活躍した伝説的なエースパイロットで、同時に連邦軍で初めてのニュータイプらしい。
木星帝国残党の言葉にソウジさんは「嫌な予感がしやがるぜ」と言ったが、彼の予感は後で的中する事になる。
その後、宙域を詳しく調べた俺達は小衛星に造られた木星帝国残党の秘密基地を発見したのだが、そこから出て来た迎撃部隊のモビルスーツの一体がアムロ・レイだったのだ。正確にはアムロ・レイの戦闘データを再現出来るバイオ脳を搭載した機体なのだが、その戦闘能力は連邦軍の伝説になるにふさわしいものであった。
アムロ・レイの戦闘データを再現する機体に出鼻をくじかれた俺達は最初苦戦を強いられたのだが、そこにトビア君と同じクロスボーン・バンガードに所属していてクロスボーンガンダムの前のパイロットであったキンケドゥさんが加勢してくれた。
戦闘はキンケドゥさん参戦で仕切り直しとなり、俺もこれから反撃開始だと張り切って攻撃を再開しようとしたのだが……ブラッキーの奴が中型ミサイルポッドを発射しようとした時に戦闘の爆発音に気を取られて照準が狂ってしまったのだ。
おい、頼むよブラッキー。ここでファンブル(※13)はやめてくれ。
発射直前に照準が狂ったミサイルは当然狙いとは全然違う所に飛んでいき、木星帝国残党の秘密基地がある小衛星にと着弾して爆発した。
するとどうやらミサイルが着弾した所が偶然にもカモフラージュしてあった秘密基地の中でも重要な箇所だったらしく、それを見た木星帝国残党は大混乱、アムロ・レイのバイオ脳を搭載したモビルスーツも友軍が受けた大きな被害に対処が追いつかず動きを止めてしまう。その隙を逃さずソウジさんとトビア君とキンケドゥさんは敵の全てを撃破するのであった。
戦闘が終わった後ソウジさんは俺に「凄いな、リュウト。あのミサイル、外したものだと思っていたが最初から基地を狙っていたんだな。あれがニュータイプ、いやスターゲイザーってヤツの実力なんだな」と言ってきたが俺は曖昧な笑みを浮かべることしかできなかった。
結果オーライって事にしておこう……。
☆解説
(※12)スターゲイザー
「宇宙の意志」に接触したとされる直感力と空間把握能力に優れた新人類。
ニュータイプ。
(※13)ファンブル
行動の成功判定で二つのダイスを振った時、二つのダイスの合計値が「2」となった状態。
ファンブルになるとその行動は無条件で失敗に終わる。
またマシンザウルス級ガーディアンは、その機体の野性値によってファンブルとされる合計値が増える場合がある。
【カヤマリュウト、経験点二点獲得。れべるあっぷニ成功!】