バカとテストと召喚獣~オレと兄さんとFクラス~ 作:アカツキ
この学園に入学して二度目の春。桜が咲き誇る坂道を上がっていったところにオレが通う校舎はある。
「全く。なんでこんなところに学校なんて建てたんだ?ここに建てたやつはバカじゃねぇのか?」
悪態をつきながら……というか、ほぼ毎日のようについている気もするが関係ない。桜が咲こうと思うことは変わらないということだ。
そして、そんな桜の舞い散る景色の中に一人佇む男がいた。
「鉄人。おはようございます。本日もご苦労ですね」
「今、鉄人と言っただろ?」
「ええ、文句ありますか?」
「名前で呼べ。後先生を付けろ」
この人は鉄人こと西村宗一教諭。生活指導の鬼でトライアスロンを趣味としている先生だ。
オレの中ではこの人は就く職を間違えていると思っている。きっと格闘家でも充分にやっていけただろう。まぁ、そんなの個人の自由だからとやかく言うつもりはないけど。
「はいはい。分かりましたよ西村教諭」
「……はぁ。去年から思うが本当に、貴様は性格が悪いな……」
「性格が悪いかもしれない。でもそれだけで、素行不良というわけではない。でしょ?」
別に制服を着崩しているわけでも(着崩してもカッコイイと思わない)髪を染めているわけでも(いや、髪の毛痛むじゃん)ましてやピアスをつけているわけでも(うん。痛そうというか、痛いよね絶対)ない。見た目は普通なのだ。どこにでもいそうな平凡な高校生男子。
「全く……まずは、目上の人に対する言葉遣いをだな……」
「あ、大丈夫です。その辺は上手くやってますので」
「これだから、性格が悪いやつは……」
「ははは、それで?立ち話もいいですけど渡すもの渡してもらえますか?」
朝早くから西村教諭が校門の前に立っていたのにはわけがある。
クラス編成の発表のためだ。
え?紙で貼り出せばよくない?とか思っている人たち。これはそう言うことでは無いのだ。学校側もこんな面倒くさい方法を取るのにはわけがある。まぁ、その訳は後に分かると思うから今はおいといて……
「受け取れ」
西村教諭が茶封筒を差し出してくる。
この中に自分の所属クラス。つまりA~Fクラスのどこに所属するかが書かれている。
この学校のクラス分けは至ってシンプル。春休みすぐに行われた振り分け試験。そこでの点数が高いものから順にAクラスへ振り分けられる。一クラス五十人だからAクラスには振り分け試験での上位五十人が所属するわけだ。
「残念だったな。何分この学校の決まりでな」
「いえいえ、仕方ないこともありますって。別にオレはルールを破ってまで上のクラスに入るつもりはありませんよ」
『
「あの時の試験監督だった先生は退職になった」
「そうですか」
「でも、俺にはお前の取った選択は賢い選択とは思えなかったが」
「ははは、西村教諭。一つ言っておきますよ――――オレは他人が思っているほどできた人間じゃないですから」
そう。オレはできた人間じゃない。だから、感情に任せて選択することもある。
「そうか。……ところで兄の方はどうした?」
「多分やっと起きたぐらいじゃないっすか?別に起こす道理もないんで」
「……遅刻するんじゃないだろうな?」
「さぁ?オレには答えられないですね。じゃあ、そう言うことで」
「ああ、今年も楽しめよ。吉井弟」
こうして、オレの……吉井光正の二年生の生活は幕を開けるのだった。