バカとテストと召喚獣~オレと兄さんとFクラス~   作:アカツキ

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Bクラス戦!②

「島田さん!」

「吉井!」

 

 戦場に辿り着くと兄さんと島田さんがドラマの真似事をしている。

 何故こんな事をしているのか?答えは簡単、島田さんが人質に取られたのだ。

 前線に戻ってきたオレ達に伝えられた情報。それは、『島田美波が人質に取られた』という情報。うん。クソどうでもいいね。

 

試獣召喚(サモン)

 

 オレは足元から自身の召喚獣を呼び出す。

 

 

『Fクラス 吉井光正

 英語W  121点

 

 VS

 

 Bクラス 鈴木二郎&吉田卓夫

 英語W   33点&18点 』

 

 

 なるほど、オレの点数でも葬ることが可能だな。まぁ……策はしっかり施すけど。

 

「おい須川君に田中君。耳を貸せ」

「分かった」

「何だよ?」

「二人に頼みがある」

 

 そう言って、オレはあることを耳打ちする。

 

「そこで止まれ!それ以上近付くなら、召喚獣に止めを刺してこの女を補習室送りにするぞ!」

 

 パチパチパチパチ

 

「人質をとって、オレたちの士気を挫く作戦。素晴らしい作戦だよ。君たちに拍手を贈ろう。ただね。一つ問題があったとすれば……君たちは人質に取る相手を間違えた。なぜなら……」

「総員突撃用意ぃーーっ!」

「隊長それでいいのか!?」

「うちのバカな隊長は、そんなのが通じない。だよな、兄さん!」

「もちろんさ!戦争に犠牲はつきものなんだ!決して日頃痛めつけられている仕返しなんかじゃないからね!」

 

 さすが、うちのバカな兄さんだ。話が分かる。

 

「ま、待て。人質がどうなっても良いのか!?」

「うん。いいよ」

「即答!?おい、吉井兄!コイツが何故捕まったと思っている?」

「バカだから」

「殺すわよ」

 

 いや、でもバカ以外の何でもないような……

 

「コイツ、お前が怪我したって偽情報を流したら、部隊を離れて一人で保健室に向かったんだよ」

 

 ……はぁ。

 

「島田さん……」

「な、なによ」

「怪我をした僕に止めを刺しに行くなんて、アンタは鬼か!」

「違うわよ!ウチがアンタの様子を見に行っちゃ悪いっての!?これでも心配したんだからね!」

「へっ。やっと分かったようだな。それじゃあ、おとなしく」

「あの島田さんは偽物だ!」

「分かった!総・員・突・撃!」

『ちょっと待て!』

 

 何故かオレが突撃の指示を出すとB、F両クラスからツッコミが入る。

 

「え?まだ何かあるの?」

「いやいや、今の話を聞いてお前は何も思わないのか!?」

「うん!」

「お前には人の心がないのか!」

「ねぇよ」

『なっ!?』

 

 これまた驚きの声が……っておい!兄さんも驚いてんじゃねぇよ。ハッタリに決まってんだろ。……多分。

 そう言って一歩踏み出すオレ自身。

 

「ま、待てよ!本当に!補習室送りにするぞ!」

「損得で考えようぜ。この状況でどうするべきかはバカでも分かるぞ」

「ど、どういうことだ……」

「島田さんを生贄にBクラス生徒二人を道連れにできる。……島田さんという戦力にお前ら二人分の価値はあるか?Fクラス生徒だぞ」

「「なっ!」」

「むしろ、島田さん一人を犠牲に、Bクラス生徒二人を葬れるなんて……最高じゃねぇか」

『この男!ただの最低野郎だ!』

 

 まぁ、最低野郎でいいんだけどさ……

 

『この人でなし!』

『人間のゴミ!』

『この外道悪魔!』

『このクズ野郎!』

 

 ところでさ……なんでおまえら(Fクラス生徒)が率先して暴言を吐くわけ!?

 

「さて、ここで交渉だ。お前ら、人質を解放しろ。そうすれば、オレはお前ら二人を見逃してやろう!」

「くっ、だが、俺らの役目は……」

「5!」

「ちょ、ちょっと時間を……」

「4!」

「ま、待ってくれ。代表に確認を……」

「3!」

「わ、分かった。解放する。解放するから!」

「そうか、なら解放しろ」

「ほら、行け……これで見逃してくれるんだろ?」

「ああもちろん。……オレはな」

「「えっ……?」」

 

 次の瞬間……

 

 

『Fクラス 吉井光正&田中明&須川亮

 英語W  121点&65点&59点

 

 VS

 

 Bクラス 鈴木二郎&吉田卓夫

 英語W  Dead&Dead   』

 

 

 Bクラス生徒二人は、田中君と須川君によって戦死した。

 

「戦死者は補習ー」

「クソ野郎!騙しやがったな!」

「この卑怯者が!」

「バーカ。オレは確かに言ったはずだぜ?『()()()お前ら二人を見逃すって』決して、Fクラスとして見逃すって言ったわけじゃない。頭をもっと使おうぜ?」

「「畜しょぉぉおお!」」

 

 こうして、Bクラスの二人は鉄人に連行されて行った。

 

「ふぅー終わった」

「まだ、終わりじゃない!」

 

 …………はぁ?

 

「この島田さんは偽物だ!変装している敵だぞ!」

「…………」

「皆、気をつけろ!変装を解いて襲いかかってくるぞ!」

「よ、吉井、酷い……。ウチ、本当に心配したのに……」

「まだ白々しい演技を続けるつもりか!この大根役者め!」

 

 ……もう無視で行こう。

 

「おい、お前の兄を助けなくていいのか?」

「あの隊長死ぬぞ」

「あーうん。そんな事より二人共ご苦労」

「ああ、まさか、召喚獣からBクラス二人の意識を逸らすからそのうちに召喚して背後に回り込めって」

「あの言動も作戦のためだったとはなかなかの演技力だったな。俺も演技じゃなくて本気で言ってるものだと思うほどだった」

「……まぁな」

 

 すべて本心だけど。演技なんてこれっぽっちもないけど。

 そうこうしている間に兄さんが島田さんのことが本物だと気付いたらしい。

 

「あー島田さん。実はね。僕、本物の島田さんだって最初から気付いていたんだよ」

 

 あ、ヤバい。兄さんが殺される。

 

「よし!動けるものは作戦遂行のためBクラスへ突撃するぞ!死にたくねぇ奴からオレに付いて来い!」

『イエッサー!』

「あ、光正ま……ぎゃぁああああああああああああああ!」

 

 ありがとう兄さん。そして、さようなら。

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