バカとテストと召喚獣~オレと兄さんとFクラス~   作:アカツキ

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試験召喚戦争編
これがFクラス


 時間にもゆとりがあるように家を出てきたんだ。この際Aクラスの設備でも見に行きますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんだ?このバカでかい教室は?そもそもこの広さからして教室かも怪しいが……

 いや、広さだけでない。設備も充実している。充実し過ぎてる!

 クラスに冷蔵庫?それに各個人にエアコン?もう頭がおかしいんじゃないだろうか?

 

「…………」

 

 おっと、オレとしたことが少し見入っていたそうだ。教室の中からこちらを見る視線を感じる。

 よし、自分のクラスまで退散しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 二年F組と書かれたプレート……は?ここが教室?ちょっと古い物置とかじゃなくて?入るの嫌になってきたんですけど……

 よし、深呼吸をしよう。そうすればこの物置も普通の……Aクラス並とは言わない。中学校の時のような普通の教室に変わるはず…………変わんねぇよクソが。

 いやいや、きっと中は綺麗とかそういうパターンだ。ほら、人は見かけによらないとか、ちょっと見た目が悪い料理でも味は一流とか……そういうパターンだ。そうに違いない。

 そう思うくとにして勢いよくドアを開ける。そこで目にしたものは……

 

 薄汚れた黒板

 ひび割れた窓

 腐った畳(マシなものもある)

 今にも壊れそうな卓袱台や教卓に綿の入ってない座布団

 

「予想より酷すぎるだろ!」

「おいおい。吉井家では、発狂することが流行りか?」

 

 そう言って、声をかけてきたのは背が180cmより高く、短い髪を逆立てたてがみのように見える……

 

「そんなわけないだろ。雄二」

「だろうな。光正」

 

 オレと兄さんの悪友、坂本雄二だ。

 

「よく、兄さんと間違えなかったね」

「当たり前だ。明久はこんな時間に来ねぇし、そもそもそんなにお前ら似てねぇし」

「だよねー」

 

 黒い髪に少し細くにらんでいると勘違いされてもおかしくない目元

 

 うん。双子と言うのにまず顔つきがそこまで似てない。見分けるのは簡単だろう。

 というか、似ているのは髪型ぐらいで、初見では双子と思われることはほぼないしな。

 本当はこの髪型も少し変えたいんだよね……まぁ、今はいいや。面倒だし。

 

「それに中身もそこまで似ていねぇしな。纏っている空気?とかも違うし。というか、お前の学力の半分を明久に分けてやりたいぐらいだぜ」

「そうしたらバカと呼ばれないかもね」

「まぁ、予想外の戦力も手に入ったしな」

「ん?ということは雄二がクラス代表?」

「そうだ」

「えーっと?戦力って試召戦争のことか?」

「ああ。もちろんだ」

 

 試験召喚戦争。通称試召戦争と言われるもの。

 前提として文月学園で受けるテストは一年生の最初のテストと一学期の期末試験を除き点数の上限がない。一時間という制限時間で解けるだけ解く。能力次第で点数が上がっていくのだ。

 そして、この学園には科学とオカルトと偶然によって完成された『試験召喚システム』が存在する。これはテストの点数に応じた強さを持つ『召喚獣』を喚び出して戦うことのできるシステム。

 ここで重要となる点数だが、まぁAクラスの生徒一人に対してFクラスの生徒が三人……いや、四、五人でも厳しいかもしれない。まぁ、そんなレベルだと思ってくれて構わない。

 

「まぁ、お前みたいな例外がいてくれれば勝算はある」

 

 雄二の言うように例外が存在する。存在するというより、存在出来ると言った方がいいか?クラス分けというのは振り分け試験の成績()()を見て行われる。一年次の成績とかは一切考慮されない。つまり、点数操作をすれば、本来Aクラスレベルの人でもC、Dとかに行けるわけだ。

 もっとも、そんな点数操作をする人はそういないし、オレの場合、途中退席で無得点扱い。強制最下位でFクラス行きというわけだ。

 

「頼りにしてるぜ。光正」

「兄さんも頼ってやれよ」

「ああ、もちろん。明久も頼りしてるさ」

「やれやれ、オレはあそこにでも座るか」

 

 雄二と話しているうちに続々と人が集まるFクラス。何人か見知った顔もあるようだ。

 これから戦友として、ともに戦う同士たち。オレはチャイムが鳴るまでその同志たちを眺めることにした。(しかし、兄さんはチャイムが鳴るまでに現れなかったことを記す……おい!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先生が遅れている。

 そう情報が入ったのは少し前のことだ。いや、先生だけじゃなくて兄さんも遅れてるんだけど。

 まぁ、そんなことはおいといて、クラス代表である雄二が教壇の上からオレたちクラスメイト(兵士)を眺めている。

 

 ガラッ

 

 お、先生が来たのか?

 

「すいません、ちょっと遅れちゃいましたっ♪」

「早く座れ、このウジ虫野郎」

 

 どうやらウジ虫兄さんだったようだ。というか、ちょっと遅れたって普通に遅刻だから。後反省する気がないみたいだし。

 

「……雄二、何やってんの?」

「先生が遅れているらしいから、代わりに教壇に上がってみた」

「先生の代わりって、雄二が?なんで?」

「一応このクラスの最高成績者だからな」

「え?それじゃ、雄二がこのクラスの代表なの?」

「ああ、そうだ」

 

 クラス代表……普通の学校で言う学級委員長とか議長とか言い換えると分かりやすいだろうか?

 しかし、この文月学園にとって二年生以降のクラス代表というのは重要な意味を持っている。

 まず試召戦争における役割が違う。一部の例外を除き、試召戦争は基本『相手のクラス代表を打ち取った方の勝利』つまり、クラス代表というのは、王様のような存在だ。そして、オレたち兵士は王様を守り、相手の王様を狩るそんな立場だ。

 後は、権力の大きさか?このクラスのことに関する大抵の決定権を持っている。まぁ、こっちは他の学校のトップの役職とさして変わらないだろう。

 

「席に着いてもらえますか?HRを始めますので」

「はい、分かりました」

「うーっす」

 

 おっと、気付いたら担任の先生と思わしき人物が。

 ……ふむ、何だろうか。この人は街の中に平然といるおっさんみたいだ。

 

「おはようございます。この二年Fクラス担任の福原慎です。よろしくお願いします」

 

 福原教諭はそう言って汚い黒板に名前を書こうとして、やめた。え?チョークすらろくに用意されていないの?じゃあ、あの黒板の存在意義は何?景観?

 

「皆さん全員に卓袱台と座布団は支給されていますか?不備があれば申し出て下さい」

 

 不備……ないと思ってるの?不備しかないだろ。

 

「せんせー、俺の座布団に綿がほとんど入ってないですー」

 

 え?もうこの環境に慣れたの?そもそも椅子がなくて代わりに座布団(年季の入ってる)にはツッコミはないのか?

 

「あー、はい。我慢してください」

 

 おいおい、綿ぐらい入れておけよ。

 

「先生、俺の卓袱台の足が折れています」

 

 もういい。机じゃなくて卓袱台というツッコミは控えよう。

 

「木工用ボンドが支給されていますので、後で自分で直してください」

 

 ……え?直してくれないの?

 

「窓が割れていて風が寒いんですけど」

 

 あーあの窓、割れていたんだ。どうりで寒いと……

 

「わかりました。後でビニール袋とセロハンテープの支給を申請しておきましょう」

 

 ……新しい窓にした方がいいと思うけどな……あ、そうだ。

 

「福原先生。布と綿と後、糸も支給して置いてください」

「分かりました。それくらいなら頑張って頼んでみます。大きさとか量とか指定があれば言ってください」

「分かりました」

 

 よし、これさえそろえば大丈夫だ。放課後、ちょっと見に行くか。

 

「必要なものがあれば極力自分で調達するようにしてください」

 

 うん。酷いね。それも設備だけじゃなくて対応まで酷いよ。これがFクラスか。




オリ主プロフィール

名前 吉井(ヨシイ) 光正(コウセイ)
身長 171cm
体重 66kg
髪色 黒
趣味 ゲーム
好きなもの ゲーム、昼寝、日向ぼっこ
嫌いなもの 虫、巨乳(嫌いより苦手)
所属 二年Fクラス
部活 無所属
得意教科 数学、化学、物理
苦手教科 現代文、古典、英語

備考 吉井明久の双子の弟で吉井家の末っ子。
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