バカとテストと召喚獣~オレと兄さんとFクラス~   作:アカツキ

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四回戦に向け

「たっだいまー」

「ただいま戻りました」

 

 この声は姫路さんと島田さんか。どうやら戻ってきたみたいだな。

 

「丁度良かったよ。二人とも疲れているところ悪いけど、ホールに回ってくれる?」

 

 二人が大会に向かった後、兄さんとチャイナドレスに着替えた秀吉と葉月ちゃんは校舎内を歩き回って宣伝をしていた。最初は効果が薄いように思われたけど、徐々に増えてきて、少し前辺りからだいぶ席が埋まり始めた。今のところ順調といったところだ。

 

「良かった。段々持ち直してきたのね」

「良かったです」

 

 女性客も徐々に増えてきたことから味についての噂も流れ始めているのだろう。もちろんいい意味でだが。というか、段々とチャイナ以外の目的のお客さんも増えてきている。こりゃあ、腕によりをかけて作らないとな。

 

「それじゃ二人ともウェイトレスをやってくれる?」

「はいっ」

「オッケー」

 

 さて、ウェイトレス二人も帰還してきたことだし、飲茶をもっと入れなければ……?

 

「ムッツリーニ。茶葉がもう僅かなんだけど」

「…………ストックが空き教室に置いてある」

「あ、そういえばそうだったね。でも、茶葉の為に離れるわけにもいかないしな……」

 

 とか言っている間に茶葉が切れてしまった。

 

「至急取りに行かせないとな」

「次のオーダー……って?二人してどうしたの?」

 

 すると、オーダーを取ってきたのか島田さんがやってきてオレたちに声をかけてくる。

 

「あぁ、島田さんか丁度いいや」

「…………明久に茶葉を取りに行くよう伝えてほしい。至急だ」

「そんなのアンタたちが伝えれば……って、手が離せそうにないわね。分かったわ」

 

 島田さんはそのまま、兄さんの元に行く。そして、伝言を受け取った兄さんがそのまま教室から外へ出ていく。茶葉を取りに行ったのであろう。

 

「おい。餡子も足りないぞ」

「……遅いよ……まぁいいや。他にも補充が必要なものはない?」

「…………今のところオーケー」

「分かった。雄二ぃー」

「ん?何か用か?」

「悪いけど兄さんを追いかけて餡子も持ってきてと伝えて」

「了解だ。すぐに行く」

 

 こういう時に行動してくれる代表は有能だ。ただの偉そうな置きものでは無いな。

 

「さぁ、調理担当のみんな!どんどん作っていくぞ!」

『おう!』

 

 この数分後、兄さんと雄二が頼んでおいたモノを持ってきてくれたが、何かがあったらしく雄二が思案顔になっていた。まぁ、今はそんな事より料理料理~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで二時間が経過した。

 

「明久、光正。そろそろ四回戦の時間だろ?」

「え?もうそんな時間なの?」

「マジで?」

 

 現在の時刻は午後二時過ぎだった。時間が経つのは早いなぁ。

 

「あれ?アキたちもそろそろなの?」

「そうなんですか?実はわたしたちもそろそろ出番なんですよ~」

 

 なるほど。つまり次の対戦カードはオレと兄さんペア対島田さんと姫路さんペアという事か。

 

「お兄ちゃん、葉月を置いてどこかに行っちゃうの?」

 

 葉月ちゃんが兄さんのズボンの裾を握っていた。

 

「チビッ子。バカなお兄ちゃんは今から大切な用事なんだ。だからおとなしく待っていないとダメだ」

 

 雄二が葉月ちゃんの頭を撫でる。意外と子供の扱いに慣れてるようにみえる。

 

「……もしかしなくとも、雄二ってロリコン?」

「ダメでしょ光正。雄二はロリコンじゃなくて霧島さん一筋なんだから」

「お前ら後で覚えとけよ……!」

 

 さすがの雄二でも葉月ちゃんの前では暴力沙汰を起こせないらしい。まぁ、後の報復が怖いけど……

 

「う~。でも……」

 

 不満げに頬膨らませる葉月ちゃん。

 

「その代わり、良い子にしていたら――」

 

 そんな彼女に雄二は小さく微笑んで。

 

「バカなお兄ちゃんがオトナのデートを教えてくれるからな?」

 

 爆弾を投下した。しかも威力が核兵器レベルのである。

 

「葉月お手伝いしてくるですっ!」

 

 葉月ちゃんはそう言い残し物凄い勢いで厨房に消えていった。

 

「ち、違うんだよ葉月ちゃん!僕には君が期待するような財力はないんだ!ねぇ、聞いてる!?」

 

 というか、オトナのデートって、何するんだろう?大人がデートすれば、大人のデートになるのかな?あ、でも葉月ちゃんは小学生か。

 

「というか、財力がないと言うけど、仕送りの9割ぐらいを趣味に使うから……だろ?」

 

 要するに自業自得だ。

 

「アキ、ちょっと校舎裏まで来て?」

 

 恐ろしい島田さんの声。捕まったら処刑は免れないだろう。

 

「美波ちゃん、ちょっと待ってください」

 

 そこに姫路さんの仲裁が入る。

 

「次の対戦相手は吉井君たちのようですから。召喚獣でお仕置きした方が遠慮なくできますよ?」

 

 そして、笑顔のまま死刑宣告。うーん。本当に彼女はFクラスに染まってきているみたいだな。

 

「ちょっと待った!僕の召喚獣はフィードバックつきなんだよ!?姫路さんの召喚獣に攻撃されたら僕自身も酷い目に――」

「フン、望むところだ」

「雄二!お願いだから勝手に僕の生命をを左右しないで!」

「上等よ。早く会場に向かいましょうか。アキがどんな声で啼くか楽しみだわ」

「いいだろう。そこまで言うなら、明久にどこまで大きな悲鳴をあげさせられるか、じっくりと見せてもらおうか」

 

 そして兄さんの味方はいなくなった。え?オレはって?

 

「そうだ!光正なら僕の味方だよね?」

「却下」

「却下!?敵になるとも味方になるとも言わず却下!?返答がおかしいよね!?」

 

 え?味方になるわけないじゃん。何言ってるの?

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