バカとテストと召喚獣~オレと兄さんとFクラス~   作:アカツキ

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GREEN GREENS様
羽田 茂様
神崎2様
よっし〜様

ありがとうございます。



雄二&霧島さん結婚大作戦! ③

 あれから一旦スタッフルームに行き、そのまま厨房へ。まぁ、ランチの仕込みだ。

 というか、何でプロに混ざって一介の男子高校生が仕込みをしているのだろうか?よく認められたなぁと自分でも感心している。

 そして今、監視カメラの映像から雄二と霧島さんの様子を見ている……が。

 

「……何故こうなった?」

 

 お化け屋敷にあの後二人が向かったのはまだ分かる。だが何故……

 

「どうしたら、釘バットを持った霧島さんが雄二を追いかける状態になるんだ……?」

 

 意味不明だ。理解に苦しむよ。

 

「あ、光正。仕込みは終わり?」

「お疲れ様~」

 

 すると、兄さんと紫乃が部屋に入ってくる。

 

「そっちもお疲れ」

「頭撫でて~」

「はいはい」

 

 どうやら、紫乃はお疲れのようだ。仕方ない。ご褒美としてやってあげよう。

 

「ところで、兄さん。何でこの二人がお化け屋敷でリアル鬼ごっこをやっているか知ってる?」

「お、狙い通りに行ったんだね」

「ん?狙い通りに?それってどういうこと?」

 

 コイツまさか、この作戦に乗じて日頃の恨みを晴らそうとしているんじゃないだろうな。

 

「あぁーうん。秀吉に雄二の声真似をさせてね。【姫路の方が翔子より好みだな。胸も大きいし】って、言ってもらったんだ」

 

 なるほど、秀吉の声真似ともなれば機械を通した時、その人の声だと勘違いしても不思議ではない。というか、そんなことを雄二の声で言ったら霧島さん怒るに決まってるじゃん。

 

「ふーん。で?釘バットはどこから?」

「お化け屋敷の仕掛け」

「なるほど。で?目的は?」

「えっと、危機的状況に陥った男女は強い絆で結ばれるって言うでしょ?それを参考にかな」

 

 うん。分かった。やっぱり兄さんは兄さんだ。

 

「はぁ……このままだと向こうの溝が深まりそうな気がするけど……」

「何か言った?」

「なんでも。ところでそのボイスレコーダー何?」

「あーこれ?さっきの秀吉の声真似の雄二用と実験用が入ってる」

 

 実験用?あぁーそれって、本人の声に聞こえるか実験でもしたのかな?でも、秀吉だから大丈夫だと思うけど……

 

「実験用の方も聞いてみたい?」

「どちらでも」

 

 まぁ、秀吉の事だから実験用とはいえ、本人の声にしか聞こえないだろう。

 そう考えていると、兄さんがボイスレコーダーを弄り、スタートさせる。

 

 ピッ

 

 

『島田さんの方が紫乃より好みだね。胸も大きいし』

 

 

 アハハ~面白いセリフだ。しかも、オレの声だし。アハハ……

 

「コ・ウ・セ・イ?」

「テメェクソ兄貴!なんて文章を流しやがる!」

「ふ、二人共ごゆっくり~」

 

 兄さん逃亡。この密室に残ったのはオレと紫乃。ただし、紫乃は今ちょっと……いや、かなり怖い。まるで現在進行形で追いかけている霧島さんのようだ。

 

「さっきの文章について聞かせてくれるかな?(ニッコリ)」

「さっきまでの会話聞いていたよね!?あれは、秀吉の声真似だって!」

「………………本当に?」

「そうだって!そもそも、オレは巨乳恐怖症なんだ。胸が大きい方が好みとかありえないだろ?」

「そっか……うん。そうだね」

 

 よかった……どうやら誤解は解けたみたい。

 

「……ってあれ?私ってもしかして島田さんより胸ないの?」

「さぁ、仕事だ仕事。張り切っていこー」

「待って光正!せめて私の方が……私の方が胸大きいって言って!」

 

 いや、無理だからね。感覚で分かっても、実際どちらが大きいかわかんないし。

 向こうがパット入れていたら分かんないし……まぁ、プールとか行けば分かるんじゃない?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《皆様、本日は如月ハイランドのプレオープンイベントにご参加頂き、誠にありがとうございます!》

 

 まず、会場にマイクを使って声を響かせる。このイベントの司会はオレだ。存分に楽しませてもらおう。

 

《なんと、本日ですが、この会場に結婚を前提としてお付き合いを始めようとしている高校生のカップルがいらっしゃっているのです!》

 

 言うと、雄二の飲んでいた水が鼻から少し逆流した。アハハ、見てて面白いな。

 

《そこで、当如月グループとしてはそんなお二人を応援する為の催しを企画させて頂きました!題して、【如月ハイランドウェディング体験】プレゼントクイズ~!》

 

 出入り口を閉鎖する重々しい音が聞こえる。さすが兄さん。雄二はこう言ったイベントに関して、すぐに逃げ出すから退路を絶たせなければいけないって、言ってたからな。案の定、雄二は逃げ出せなかった事に悔しそうな顔をしていた。さすがお見通しだね。

 

《本企画の内容は至ってシンプルです。こちらの出題するクイズに答えて頂き、見事五問正解すると、最高級のウェディングプランを体験して頂けると言う物です!もちろん、ご本人様の希望によってはそのまま入籍ということでも問題ありません!》

 

 そこは大問題だろうが気にしない気にしない~。

 

《それでは、坂本雄二さん&翔子さん!前方のステージへとお進み下さい!》

 

 オレが二人を名指しし、席を示すと、レストランにいる観客が一斉に雄二たちへと目を向ける。さぁ、もうこれで逃げられないよ。

 

『……ウェディング体験……頑張る……!』

『落ち着け翔子。そう言った物はだな、きちんと双方の合意の下に痛だだだだっ!耳が千切れるっ!行く!行くから放してくれっ!』

 

 霧島さんに耳を引っ張られながら壇上へと無理矢理上がらせていく雄二。

 スタッフが二人を誘導し、解答者席へと案内する。

 

《それでは【如月ハイランドウェディング体験】プレゼントクイズを始めます!》

 

 二人が席に着いたのを見たので、クイズを始めると宣言する。

 解答方式は至ってシンプル。雄二と霧島さんの間に大きなボタンが一つセットされているのでそれを押して口頭で解答してもらう。

 えーっと、兄さんから渡された問題は……え?大丈夫かこれ?

 

《では、第一問!》

 

 ボタンに手を伸ばし、間違える気満々な雄二の姿が見える。でも、ごめんな、雄二――

 

《坂本雄二さんと翔子さんの結婚記念日はいつでしょうかっ?》

 

 ――オレには、この問題の意味が分からない。

 

 ──ピンポーン!

 

 雄二とオレが呆然としている中、霧島さんがボタンを押した。おっと、いけない。

 

《はいっ!翔子さん!では答えをどうぞっ!》

 

 取り敢えずオレが霧島さんを名指しすると、

 

「……毎日が記念日」

「やめてくれ翔子!恥ずかしさのあまり死んでしまいそうだ!」

 

 雄二の言うとおり、聞いているこっちまで恥ずかくなる答えだった。まぁ、正解にするけど。

 

《お見事!正解です!》

 

 雄二は正解と言ったオレを睨む。

 いや、ごめんね雄二。兄さんから、どんな奇抜な解答でも正解にしろって言われているんだ。オレも無理があると思うけど……まぁ、出来レースだからいいよね?

 一応、雄二には観客に見えない角度でサムズアップして答えておこう。

 

《第二問!お二人の結婚式はどちらで挙げられるのでしょうかっ?》

 

 うん。やっぱり、オレが問題の答えが分からない。適当に教会辺りでいいのか? 

 

 ──ピンポーン!

 

 今度は雄二が素早くボタンを押し、マイクに口を寄せる。というか問題がクイズじゃなくて質問になっている気がするんだが。

 

《はいっ!坂本さん!答えをどうぞっ!》

「鯖の味噌煮!」

 

 コイツは頭がおかしいのか?まぁいいや。

 

《正解です!》

「なにぃっ!?」

 

 そりゃ驚くよねぇ~場所を聞かれたはずなのに鯖の味噌煮が正解だもん。 

 

《お二人の挙式は当園にある如月グランドホテル・鳳凰の間、別名【鯖の味噌煮】で行われる予定です!》

「待ていっ!絶対その別名はこの場で命名しただろ!強引にも程があるぞ!」

 

 当たり前だ。強引で何が悪い。(もう自棄になっている)

 

《第三問!お二人の出会いはどこでしょうかっ?》

 

 とりあえず、雄二の言葉を無視して第三問に入る。今回は明確な答えがあるので雄二が素早くボタンを押そうとする。だが……。

 

「……させない」

 

 ブスッ

 

「ふおぉぉぉっ!?目が、目がぁっ!」

 

 霧島さんが雄二に目潰しをしたので、押す事が叶わなかった。

 

 ──ピンポーン!

 

《はい、翔子さん!解答をどうぞ!》

「……小学校」

 

 あ、やっと、嘘偽り騙し胡麻化し強引な解答でなく普通の正解が出た。よかったよかった。

 

《正解です!お二人は小学校の頃からの長い付き合いで今日の結婚にまで至るという、なんとも仲睦まじい幼馴染なのです!》

 

 オレはすぐに解説を加える。まぁ、雄二が目を突かれたのに仲睦まじいとは無理がある気もするが……そんな事はどうでもいい。

 

《では、第四問参ります!》

 

 ──ピンポーン!

 

 オレが問題文が読み上げてようとしている最中に雄二がボタンを押してきた!?

 あの野郎問題を無視しやがった!そっちがその気なら……!

 

「──わかり」

《正解です!それでは最終問題です!》

 

 雄二の回答を無視して正解と答える。フハハ!問題を無視した仕返しだ!

 

『ちょっとおかしくな~い?アタシらも結婚する予定なのに、どうしてそんなコーコーセーだけがトクベツ扱いなワケ~?』

 

 いきなり不愉快な口調で言う女性の声が聞こえた。ん?どこかで聞き覚えがあるぞ?

オレを含めたその場の全員が声の主を探る。すると、女性の他にも男性が呼ばれてもいないのにステージのすぐ近くにまで歩み寄ってくる。

 確かあの二人って、ゲート前の時に現れたチンピラカップルだったっけ?正直、面倒事は勘弁してほしいんだけど。

 

『あの、お客様。イベントの最中ですので、どうか──』

『あぁっ!?ゴタゴダとうるせーんだよ!オレたちゃオキャクサマだぞコルァ!』

 

 あーあ。また勝手な事を言ってるよ。どうしたら、そんな上から物を見ることが出来るんだろう?

 

『アタシらもウェディング体験ってヤツ、やってみたいんだけど~?』

『で、ですが──』

『ゴチャゴチャ抜かすなってんだコルァ!オレたちもクイズに参加してやるって言ってんだボケがっ!』

『うんうんっ!じゃあ、こうしよーよ!アタシらがあの二人に問題出すから、答えられたらあの二人の勝ち、間違えたらアタシらの勝ちってコトで!』

『そ、そんな──』

 

 慌てるスタッフを無視し、チンピラカップルがズカズカと壇上に上がる。そして設置してあるマイクの一つをひったくる。

 うーん。コレはちょっと不味いかな。此処で邪魔されたら計画が台無しになってしまう。

 

『じゃあ、問題だ』

 

 雄二のことだ。どんな簡単な問題でも間違えるつもりだろう。頼むからマシな問題を――

 

『ヨーロッパの首都はどこだか答えろっ!』

 

「…………」

 

 ――――はぁ?

 

『オラ、答えろよ。わかんねぇのか?』

 

 ……うん。確かにその問題は分からないと言えば分からない。そもそもヨーロッパは国というカテゴリーに属していないから、首都を答えろなんて無理な話だ。うん。不可能である。

 うん。飽きた。コイツ等どうでもいいから、さっさと進めよう。

 

《……坂本雄二さん、翔子さん。おめでとうございます。【如月ハイランドウェディング体験】をプレゼントいたします》

 

 オレがそう言うと、チンピラ共がすぐにコッチを見て睨んでくる。うわぁーその程度じゃ怖くねぇんだけど。

 

『おい待てよ!こいつら答えられなかっただろ!?オレたちの勝ちじゃねぇかコルァ!』

 

 はいはい。吠えれば解決するのは、人間じゃないですよ。解決すると思ったら大間違いです。

 

『マジありえなくない!?この司会バカなんじゃないの!?』

 

 ピキッ

 

 ふざけてるのか?こんな頭が飾りで脳みそくんが旅立ったもぬけの殻に?脳内が暴力を使えば解決すると思い込んでいる奴に?バカだと言われているだと……?

 チンピラカップルが騒いでいる中、ステージに幕が下りてくる。ふむ。丁度いい。

 

「おい、アンタら……」

『何だその眼は!文句でもあんのかああん!』

「…………次はねぇぞ」 

 

 睨みと共に一言言い残す。

 しかしまぁ兄さん以上のバカがいるなんて驚いたよ。世界は広いもんだ。

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