バカとテストと召喚獣~オレと兄さんとFクラス~   作:アカツキ

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バカ+プール=? ②

 そして週明け。朝のHRが始まるまでの時間。オレたちはいつものメンバーで卓袱台を囲んでいた。

 

「ってなことがあって、おかげで散々な週末だったよ」

「そうじゃったのかそれは災難じゃったのう……」

 

 二人によると、雄二が先週末にオレたちの家に泊まりに来ていた時に、どういうわけか、二人で買ってきたコーラやゼリーをぶちまけるような喧嘩になり、たまたま家のガスが使えなかったせいで水しか出ずシャワーを浴びれなかったので、学校のプールに忍び込んで鉄人に見つかったらしい。

 

「ったく、おまけに二人は散らかした後で片付けなかったからな。家に帰った時に何事かと思ったぞ?というか、後処理ぐらいしていけよ」

 

 家に帰るとリビングにコーヒーやコーラをぶちまけたと思わしき跡やところてんが散らかっていたんだ。片付けぐらいしとけよな……。

 

「ん。お主は一緒にいたのではないのか?」

「いいや?紫乃の家に泊まりに行っていた」

 

 まぁ、お陰でオレは巻き込まれずに助かったけど。

 

「オマケに今週末はプールの罰掃除だよ。はぁ……」

「…………重労働」

 

 隣でムッツリーニがそう呟いた。でも、実際その通りだと思う。

 

「だよね。あんなに広いところを掃除なんて、考えただけでも気が滅入るよ」

「褒美というほどじゃないが、『掃除をするならプールを自由に使ってもいい』と鉄人に言われたぞ」

「え?そうなの?」

「ああ。だから秀吉とムッツリーニも来ないか?」

 

 ん?オレは?

 

「ちょっと待て。オレにお誘いは?」

「何言ってんだ光正?お前は強制参加に決まってるだろ?」

 

 ……あれおかしいな?何でオレの意見って毎回聞かれないんだろう?

 

「ただし、光正とムッツリーニには掃除を手伝ってもらうけどな」

「………」

 

 オレもですか。というか、ムッツリーニが頷こうとしていたのに雄二の言葉を聞いて動きを止めたぞ。まぁ、さっきムッツリーニ自身が言ったように、プール掃除は重労働だからな。労働したくねぇ……。

 

「ちなみに、姫路と島田にも声をかけるつもりだ」

「………ブラシと洗剤を用意しておけ」

 

 即答だった。どうせ二人の水着を見たいのだろう。

 

「うむ、そうじゃな。貸切のプールなぞ、こんな時でなければなかなか体験できんじゃろうし、相伴させてもらおうかの。無論、ワシも掃除を手伝おう」

「え?結構大変だと思うけど、いいの?」

「うむ。お安い御用じゃ」

 

 秀吉は自ら進んで掃除をすると言い快諾していた。

 

「おい。オレもプール掃除強制なのか?」

「当たり前なことを光正は何言ってるの?」

 

 いつかこいつらに仕返ししてやる……!

 

「んじゃ、あとは向こうの二人だな。おーい、姫路、島田ー」

 

 よく通る声で雄二が二人を呼ぶ。

 

「どうしたの坂本?何か用?」

「呼びましたか、坂本君?」

 

 すると、呼ばれた二人はすぐにやってきた。

 

「二人とも今週末は暇か?学校のプールを貸切で使えるんだが、良かったらどうだ?」

「「え?」」

 

 プールという単語で二人が一瞬ビクンと反応する。

 

「ん?二人とも何か予定でもあるの?」

 

 一応オレが聞いてみる。さすがに雄二たちも強制はさせないだろう。ああでも、二人がいないとムッツリーニの来る可能性が減少するけど。

 

「い、いや、別に予定はないけど。その、どうしようかな……?プールっていうと、やっぱり水着だし……」

「そ、そうですよね。水着ですよね……。その、えっと……」

 

 島田さんは自らの胸部へ姫路さんは自らの腹部へ、それぞれ視線を送る。というか、プールに水着じゃなかったら何で泳ぐつもりだ?ダイビングスーツ的なヤツか?

 

「まぁ、お前らにはお前らの悩みがあるんだろうが……一つ言っておくと、秀吉は来るぞ。水着姿を明久に見せに、な」

 

 雄二はそう言うが、別に秀吉は兄さんに水着姿を見せにくるわけじゃない。つまり、これは二人を誘うための狂言だ。

 そんな雄二の言葉を受けて、島田さんと姫路さんは目つきを変えて秀吉に鋭い視線を送った。

 

「ひ、卑怯よ木下!自分は自信があるからって!」

「そ、そうですっ!木下君はズルいです!」

「???お主らは何を言っておるのじゃ?」

 

 二人に非難されて秀吉は困惑の表情を浮かべる。

 

「で、どうすんだ二人とも?」

「い、行くわ。その、イロイロと準備して……」

「そ、そうですね。準備は大事ですよね」

 

 複雑そうな顔をしながらも、参加を決意したようだ。というか、秀吉の性別が男って認識しているよね?

 

「そう言えば、いい加減水着を新調せねばならんのう。丁度良い機会じゃから買いに行ってくるかの」

 

 秀吉が顎に手を当てて呟く。

 

「う、ウチも新しいの買おうかな……?」

 

 秀吉につられたのか、島田さんも水着を新調するようだ。

 

「あれ?でも美波ちゃん。この前の水着の話をしていた時には『去年買ったばかりで今年は要らない』って……」

「み、瑞希!余計なこと言わないの!こ、今回買うのは……そう!勝負用だから別口なのよ!」

「島田。焦って更に墓穴を掘ってるぞ」

「少し静かにした方が身のためだよ?」

「……気のせいよ」

 

 というか、勝負用って言ったら兄さんは勘違いして競泳水着とか思ってるぞ?絶対に。

 

「あ、そうだ雄二に光正。霧島さんと天草さんにも声をかけておいてね」

「……言われなくてもそのつもりだ」

「もちろん声を掛けるよ」

 

 だって、後に知られようのものなら……うん。あれだね。

 

「うんうん。雄二も大人になったね。まぁ、光正が天草さんを誘うのは分かってたけど」

「いや、そういう問題じゃない」

 

 そう。特に雄二はそういう問題で済む話じゃない。

 

「???それじゃ、どういう問題さ」

「いいか、想像してみろ明久。俺の立場で、後々になってから翔子に知られるという状況を」

 

 ……あんまり想像したくねぇなぁ……。

 

「樹海の奥……いや、湖の底……」

「俺の死体の処理の方法まで想像する必要はないが、まぁそんなところだ」

 

 素直じゃない雄二でもそこまで来たら声をかけざるをえない。

 

「とにかく全員オッケーのようだな。んじゃ、土曜日の朝十時に校門前で待ち合わせだ。水着とタオルを忘れるなよ」

 

 そんな雄二の締めの台詞とほぼ同時に、鉄人がドアを開ける音が教室に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「紫乃。今週末空いてる?」

「光正からのお誘い!?も、もちろん空いてるけど……」

「プールに行かない?」

「プール?でもまだ時期が早いと思いますよ?」

「いやねぇ……

 

 ――――――事情説明中―――――――

 

 …………ということなんだ」

「なるほどです。……ということは水着を新調しないと」

「ん?どうして?」

「光正には関係……ある?」

「???でも紫乃なら何着ても似合うと思うよ?」

「光正……」

「ただ、胸が余りそうな奴はやめた方がふベガぁ!?」

「今言ってはいけないこといいましたね!ふーんだ。似合う水着にするもん!」

「ははは。期待してるよ」

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