バカとテストと召喚獣~オレと兄さんとFクラス~ 作:アカツキ
単発ネタではありません。
今日は金曜日。明日からは休みなのだがまぁ、明日はいろいろあって学校に来ることになっている。まぁ、学校に来る原因になったのは主に僕と雄二だったりするが。
「明久。明日は寝坊するなよ?」
「ははは。誰に物言ってるのさ」
今は昼休み。いつものメンバー(光正を除く)で昼食を囲んでいる。まぁ、僕は昼食という名のソルトウォーターだけどね。
「当然。光正に起こしてもらうに決まってるじゃないか」
「自分で起きる考えはないんじゃな……」
「…………明久らしい」
僕が寝坊しずに起きようと頑張るより、寝坊しなさそうな人に起こしてもらう方が確実だ。まぁ、僕も頑張って起きようとは試みるけどさ。
「失礼します」
そんな他愛もない話をしている中、Fクラスに律儀に入ってきたのはAクラスの天草さんだ。
「……あれ?ここにもいない?」
誰かを探しているご様子。といってもFクラスまでやってきてわざわざ天草さんが探す相手なんて一人しかいないだろう。
「お、天草じゃないか。どうしたんだ?」
「あ、坂本君。それに他の皆さんも……。あの、光正見てないですか?トイレ行って来るっていってから行方不明なの」
一応補足しておくと光正と天草さんはほとんど毎日のように昼休み一緒に過ごしている。僕らの昼食メンバーに光正が入ってないのはそのためだ。まぁ、これは始業式二日目あたりからずっとなのでいい加減慣れているが。
え?女子と二人きりで昼休みを過ごすことに関して妬ましくないのかって?僕らは……まぁ、姫路さんと美波と秀吉がいるからまだ抑えられているけど残りの皆は一時期毎日のように襲撃に行ったんだ。その時の結果は……彼らの名誉の為に伏せておくけど。今は、もう諦めたらしい。昼休みはだけどね。
「悪いがこっちには戻ってきてないぞ?」
「可笑しいな。光正の行動パターンからして、ここにいないとなると何処にいるんだろう?」
さすがに光正と相思相愛の天草さんでも常に光正の居場所が分かるわけでは無いみたいだ。
「明久。一応双子だろ?お前なら光正の行きそうな場所が分かるんじゃねぇのか?」
「そんな天草さんでも無理だったんでしょ?僕にはお手上げだよ」
天草さんに無理だったことを僕ができるわけない。
「うーん。どこ行ったんだろう?」
僕らも一緒に考えてみるが、あまりヤツが何処にいるのかイメージが湧かない……うーん。
ピンポンパンポーン
すると、急に放送がかかる。先生の呼び出しかな?
《さぁ今日も始まりました文月学園放送部によるお昼の放送。パーソナリティを務めさせていただきますは二年Cクラス新野すみれです》
……何これ?
「雄二。何これ?」
「ん?明久知らないのか?一週間に一回ぐらいやっている放送部のお昼の放送だぞ」
「あまり聞いたことないんだけど……」
「お主らは昼休み騒がしいからのう」
「…………(コクコク)」
「そうかな?」
まぁ、確かに異端審問会が暴れたり、僕を雑用に使おうと狙う教師から逃げたりしてゆっくり過ごせるほうが珍しいけどさ。
「そうよ。毎日のように騒いで……」
「賑やかでいいじゃないですか」
あれを賑やかで済ませてはいけない。
《さぁ、お昼の放送。今月のお題はずばり『学年一のバカップル特集』です。先週は一年生の方をゲストにお招きしましたが今回のゲストは二年生です》
おっと。光正が何処にいるか分かったぞ。天草さん以外のメンバーも分かった様子だ。
《では、ゲストの二年Fクラス、吉井光正さんです》
((((予想通りだ……))))
「えぇっ!?光正が何で放送部のところに!?」
え?自覚なかったの?
《二年Fクラス所属吉井光正です。本日はよろしくお願いします》
あの光正が真面目に返している……だと?まぁ、そりゃそうか。
「ちょっと待って!私光正が放送に出るなんて聞いてないですよ!?」
《あの~吉井くん。大丈夫ですか?勝手に無断で強制連行してきておいてアレですがそこまで震えなくとも……》
《この震えは別なのでお気になさらず》
あ、強制連行されたから天草さんも知らなかったのか。
「……ムッツリーニ。新野って胸があるのか?」
「…………目測C~Dカップと推定される」
「なるほど。良くも悪くもいつも通りってことだね」
「あやつも大変じゃのう」
光正。死なずに帰ってきてね。
《ところで新野さん。オレがここに呼ばれた理由って?》
《はい。二年生バカップル筆頭の彼氏さんにお越しいただきました》
《バカップル筆頭?誰と誰が?》
《吉井光正さんと天草紫乃さんのカップルです》
((((お前も自覚なかったんかい……))))
《そんなの誰が言ってたのさ》
《二年生253名にアンケートを取ったところ見事一位に輝きました。ちなみに二位は坂本雄二さんと霧島翔子さんのカップルです》
「待て待て待てぃ!俺と翔子はカップルじゃねぇぞ!?」
「……そう。私たちは夫婦なの」
「どわぁ!?翔子!?急に現れるな……って、夫婦でもねぇよ!」
急に現れた霧島さん。僕も彼女の気配に気づかなかったので驚いたが……
「あれ?僕、アンケートに答えた記憶ないよ?」
「ああ。俺もねぇぞ」
「…………(コクコク)」
ふむ。雄二とムッツリーニもアンケートに答えた記憶が無いとなるとアレはやらせかな?
「ん?ワシはしっかり答えたぞ?」
「はい。私も答えましたよ明久くん」
「一応、うちも答えたわ」
「あー私も翔子と坂本君って答えたっけ」
「……私は紫乃と吉井弟に一票」
対して女性陣はアンケートに答えたと言っている。ふむ、実に不可解な謎だ。
「謎は解けたな」
「へ?」
「あの253という数字は二年生総勢300人から丁度秀吉を除く俺たちFクラスの男子を引いた数に一致する」
な、なるほど……
「って何でさ!何で僕らだけ除外なのさ!」
「当たり前だろ?俺たちに聞いてみろ。……まともな回答が得られないのは明白だ」
くっ……否定できない……!
《ではでは、最初の質問に参りましょう》
《質問?ああ、答えればいいのね》
《ベタですが、ずばり『彼女の好きなところ』です》
……もし雄二が呼ばれていたらここで放送終了だったんじゃ……
《そうですね……彼女の全部が好きです》
「こ、光正……//」
それを聞いた天草さんは耳まで真っ赤にしている。……ッチ。
《なるほど。教科書通りの回答ありがとうございます。……具体的には?》
《そうですね。容姿はもちろんですが、やはり内面でしょうね。彼女はとても優しいですから》
まぁ、天草さんは光正に対し時々暴走しかけるけど、基本優しい人なのだ。
《さすがバカップルの片割れですね。聞いている側としてはブラックコーヒーが欲しい気分です》
僕らが欲しいのはブラックコーヒーじゃなくて、光正の粛正ですね。
《では反対に『彼女の嫌いなところ』もしくは『直してほしいところ』です》
《そうですね……》
「こ、光正……?」
不安そうに発せられる言葉を聞こうとする天草さん。あのバカのことだ。どうせ嫌いなところはないとか答えるのだろう。
《強いて言えば……》
「こここ光正?」
光正焦らすのはやめてあげて!天草さんがもの凄い不安になっているから!
《紫乃はもっと自由でいいと思いますよ。今も充分自由な気もしますが》
《自由ですか?》
《はい。少なくともオレに対してだったらいつどんな行動をしようと本気で怒ることはありませんから。ただ抵抗させていただく場合はありますけどね》
「光正……//」
どうしよう。僕の異端審問会という名の血が騒ぐ……!
《なるほど。ありがとうございました。正直爆ぜろと思える放送でした》
《いえいえ》
《では、最後に一言どうぞ》
《紫乃。愛してるぞ》
「私も愛してる……」
『『「「もう我慢できねぇっ!!!」」』』
「あの野郎ここまで全校放送でのろけるなんて……!」
『モテない俺たちに対する当てつけか!』
「…………万死に値する……!」
『我慢できねぇ!乗り込むぞっ!』
『『「「おうっ!!」」』』
僕らは
《まぁ、雄二みたく彼女である霧島さんと結婚式はまだあげてませんが》
「……いいことを言う」
「あげてねぇからな!あれは企業の策りゃ……はっ!殺気!」
「って明久にムッツリーニ!お前らはくっつけようとした側だろうがぁ!」
「「そんな事実は確認されてない!」」
「テメェらなぁっ!」
嫉妬の炎は今までよりもドス黒く大きく燃え上がっていた。
「覚えていやがれ光正!いつか絶対にこの借りを返してやる!」
『『『『Let's party!!』』』』
《以上。最後まで惚気全開、彼女さんへの愛全開のゲスト吉井光正さんでした~次回は三年生。こちらのバカップルぶりもなかなかですよ?》
《へぇ~誰が出るの?》
《おっとネタバレ禁止ですが、一言で言えば凹凸カップルですね》
《そうですか。では、また次回!お昼の放送で会いましょう!》
《それ私のセリフです!》
《See you and next time we look forward to》
《だから私のセリフをとらないでくださぁぁぁあああい!》
この放送によって光正たちのバカップルぶりは全校に知れ渡ることになった……。
そして、あまりの恥ずかしさと嬉しさに天草さんが倒れ保健室に運ばれたなんてこともあった。