バカとテストと召喚獣~オレと兄さんとFクラス~ 作:アカツキ
この強化合宿全体についてのまとめを書きなさい。
姫路瑞希のまとめ
『他のクラスの人と勉強することで良い刺激が得られました。伸び悩んでいた科目についての学習方法や使い易い参考書についても教えて貰うことができたので、今後は更に頑張っていきたいと思います。夜はいつものように騒ぎがありましたが、これはこれで私たちの学校らしいと思います。ある人たちから内緒で素敵な写真も貰えて大満足です!』
教師のコメント
姫路さんは全体的にそつなくこなしている様子だったので伸び悩んでいる科目があったということには驚きました。本来なら先生が気付くべきなので申し訳ないです。ですが、無事に解決できそうなので何よりです。やはり姫路さんにはAクラスで学習する方が良い影響がありそうですね。次回の振り分け試験では是非とも頑張ってください。それと、バカ騒ぎについては悪影響を受けないよう気をつけて下さい。
天草紫乃のまとめ
『普段とは違う環境での勉強や、レベルの高い仲間たちとの勉強はとても私にとってよい刺激となったと思う。この合宿中に私は成長することが出来た。今ではそう思っています。でも、この合宿全体を通して光正との交流が予想以上に少なかったのが心残りです。ですが、彼に勝てていない部分が多く見つかったので今後、彼に一方的にやられないように精進したいです!』
教師のコメント
天草さんにとって、この合宿が有意義なものになったようで良かったです。この成長を今後の生活で生かせると先生たちも嬉しく感じます。恋人である弟の方の吉井君とこれからも勉強を教え合ったりして、高めていけると尚良いと思いますよ。何事にも努力は大切です。誰かに負けたくないという強い意志を持ち、努力をすればその努力は報われると先生は思いますよ。
島田美波のまとめ
『三日目の夜のことが忘れられない。ウチはどうしたいいんだろう。こんなことは誰にも相談できないし、アイツとはあれ以来話ができてないし……。瑞希の気持ちを知ってるのに、これって裏切りになっちゃうのかな……?けど。ウチのは去年からの気持ちだから、こっちの方が先で……。ああもう!どうしていいのかわかんない!』
教師のコメント
一体何があったのでしょうか? 友達にも相談できないというのは尋常ではありませんね。良かったら先生に話してみて下さい。一応あなた方よりも長く生きているので少しは力になれるはずです。ただ、気持ちと書いてあるということは恋愛の話でしょうか?
それなら先生から言えることは一つです。自分が後から思い出して後悔することのないように行動するのが一番です。色々と悩んで立派な大人になるのが学生の仕事ですよ。
吉井明久の日誌
『あまりに多くのトラブルがあって驚いた。初日はいきなり意識を失って宿泊所に運ばれたので記憶がない。その後は覗き犯の疑いをかけられて、自分に対する周りの見る目について悩まされた。勉強についても、女子風呂を覗く為に頑張ろうと思ったけれども今のやり方でいいか不安が残るし、色々と考えさせられる強化合宿になったと思う。』
教師のコメント
そうですか。
吉井光正のまとめ
『特に書く気は無い』
教師のコメント
何か書きましょう。
四日目の朝。オレたちは食堂で朝食を摂っていた。
「ふぁ……あふ……」
「さすがに眠いぞこら……」
「スピー……はっ」
もっともオレたち三人は睡魔と戦っているが。(ただし、オレは半分負けている)
眠いのも当然だ。昨夜は鉄人に朝まで教育について熱く(拳で)語られていたのだから。兄さんと雄二は三日連続で辛いがオレも合宿で初めて鉄人に捕まって語られたのでキツい。
「お主ら、災難じゃったのう……」
災難といえば災難だ。おそらく、兄さんがあそこでオレを狩りださなければこうはならなかった。
「災難と言えば災難だったかも――ふわぁぁああ~~」
「スピー…………はっ」
「光正。食べるか寝るかどっちかにふわぁぁああ~~」
ダメだ。全然頭が働かない。
「弱ったのぅ。お主らがそんな様子では、今夜はとても……」
「別に全く寝てないわけじゃないから。気合さえ入れば目が覚めると思うけど──ふわあ~~」
「スピー………………はっ」
ダメだ。一口食べるごとに意識を持っていかれる。
「俺もダメだ……。全然気合が入ら──ふおぉぉおっ!?」
「ど、どうしたの雄二!?」
「……ついに……頭が……おかしく……なった……?(カクッ)」
眠そうにしていた雄二が、何かを見た瞬間。一気に覚醒した。
「…………効果は抜群」
「あ、ムッツリーニ。おはよう」
「遅……かっ……たね……(カクッカクッ)」
兄さんの後ろの出入り口からムッツリーニがやってきた。手に何かを持っているみたいだけど。
「ムッツリーニ。今しがた雄二に見せたのは何じゃ?えらく興奮しておるように見えるのじゃが?」
「…………魔法の写真」
ムッツリーニにしては珍しく、誇らしげに胸を張っていた。
「どれ、ワシらにもその写真を見せてくれんかの?」
「…………(スッ)」
手にしている写真をオレたちに手渡してくる。
「魔法の写真だって?何を言っているんだか。僕らももう高校生なんだし、たかだか写真程度で気合なんか入るわけがふおぉぉおっ!」
「ほぅ。これはまた……」
「ひぃぃいいいいっ!?な、なんて凶器を見せるんだぁぁあああ!」
オレは咄嗟に席を離れ、即雄二の後ろに回り、頭を抱え隠れる。
「……おい明久。光正はどうしたんだ?」
「あーうん。光正の巨乳恐怖症ってね写真とか画像でも発動しちゃうんだ。正確には動画でもだけど。しかも何度見ても慣れないって言う太刀の悪いヤツ。まぁ、その分あまり胸の露出さえなければ直接会うよりは平気らしいんだけど……それでもこんな感じかな」
(((何か可哀想な奴だなぁ……)))
ムッツリーニが見せてきた写真の一枚目は、昨夜撮影した姫路さんと秀吉さんの浴衣姿だった。
そんな写真をオレに見せるなぁぁああっ!
「そんなことより僕、生きていて良かった……!」
だいたい何でこいつら平気なんだよ。そもそも女子風呂なんて突撃したら死亡確定だろうが。
「明久。二枚目は何が写っておるのじゃ?」
「えっと……」
兄さんは渡された写真を捲る。
すると次は浴衣姿で迫る霧島さんの姿とハーフパンツ姿の島田さんのツーショットが出てきたらしい。うん。見なくて正解なヤツだ。
「す、凄いっ!これも凄いよムッツリーニ!今僕はキミを心から尊敬している!」
「確かに凄いのう……。うまく明久と雄二が写らんような角度で撮ってあるし、もはやプロの業じゃな」
ムッツリーニって、普通のカメラマンをやればいいと思う。
「して、三枚目は?」
「あ、うん。三枚目は──」
兄さんは更に写真を捲る。すると、そこに写っていたのは……
「…………綺麗に撮れたので印刷してみた」
「放して秀吉!このバカの頭をカチ割ってやるんだ!」
「落ち着くのじゃ明久!よく撮れているではないか!」
「雄二。兄さんが暴れるほどのモノが映っていたの?」
「ん?セーラー服姿の明久だな」
あ、コレは平気だわ。ところで、いつ撮ったんだ?
「しかし驚いたぞムッツリーニ。まさかここまで凄い写真を撮るとは」
雄二がムッツリーニを労う。あまり女子に興味を示さない雄二ですらこの反応だから、
「これで増援も期待できるというわけじゃな」
「……これ、他の皆にも見せないとダメかな?」
兄さんは一枚目と二枚目の写真を大事に持って邪な事を考え始めていた。
「明久。俺たちの目的を忘れるな。大局を見誤る人間に成功はないぞ」
雄二が厳しい目をしながら兄さんに正論を告げる。
「う……。それはそうだけど……」
それでも未練がましそうに言う兄さん。
「ごめん。確かに間違えていた。この写真は目的の為の手段だし、そんな未練は断ち切る。後でムッツリーニに1グロスほど焼き増ししてもらうだけで我慢するよ」
「1グロスは多すぎだろ」
「未練タラタラじゃな」
「せめて1ダースにしとけよ」
オレたち三人の言葉に兄さんはそっぽを向いていた。
「よし。それじゃ早速──」
雄二がどこからかペンを取り出し、写真の裏に荒々しく何かを書き殴る。
『この写真を全男子に回すこと。女子及び教師に見つからないよう注意!尚、パクったヤツは坂本雄二の名の下に私刑を執行する』
なるほど。確かにそうやって警告しておかないと兄さんみたいに盗みそうな奴がいるからな。
「おい須川。コレを男子に順番に回してくれ」
近くで食事をしていた須川君に写真を渡す。須川君は疑問符を浮かべながらも受け取って、
「ふぉおおおおおお──っ!」
覚醒していた。
「ところで雄二。僕の写真はきちんと抜いておいてくれた?」
「安心しろ。あんなものを流したら士気がガタ落ちだからな。キッチリ抜いておいた」
「そっか。それはよかったよ」
まぁ、それを流すと兄さんの女装壁が文月学園の皆に広まってしまうからね。それは御免だ。
「うん?ムッツリーニ。お主、他にも写真を持っておったのか?」
秀吉が、ムッツリーニの手にあるもう一枚の写真に目を留めていた。
「どれどれ、何が写っておるのじゃ?」
「あ、僕にも見せてよ」
秀吉と兄さんがムッツリーニから受け取った写真を見る。
「放して秀吉!コイツの脳髄を引きずり出してやるんだ!」
「見ておらん!ワシは何も見ておらんから落ち着くのじゃ!」
そこに写っていたのは、セーラー服姿の兄さん(WITHパンチラ)だった……ねみぃ。
四日目のA・Fクラス合同の自習室は人が少なかった。Fクラスの49人が連日の覗き騒動で消耗した点数及び今夜に向けて点数補充をしているためだ。Aクラスの女子の何人かも同様にして点数補充に向かっている。そんな中私の愛する光正はと言うと……
「…………すぴー…………むにゃむにゃ」
私の膝を枕に眠っていた。というか、私が寝せてました。昨日の夜の騒動で光正が一緒に囮に向かった理由に私が夜這いを……コホン。襲いに行ったからだと思う。もし、私があの場に居なければ光正は動いてなかっただろう。そう言えば、昨夜はかなり反撃されたなぁ……でも私的には光正とイチャつけたので良かったです!本当はもう一段階先のステージに進みたいのですが……まぁ、さすがに合宿では不味いですよね。いろんな意味で。
「ふふっ。寝顔可愛いんだから」
そうなのです。前々から思っていたのですが、光正は普段は凛々しいというか、クールというかどっちかと言うとかっこいい系だと思うのです。ですが、眠っている時の顔は何だか可愛らしいです。こんなの反則です!こんなに可愛いから私が襲いたくなるのも致し方なしです!
「……ん……」
寝ている彼にキスをします。もちろん、彼の唇にですが。
あぁ、思えば清涼祭の時。寝ている彼に告白をしてキスまでしたのですが、実は彼が起きているということがありましたね。懐かしく感じます。
「でも、あそこで光正が起きていなかったら、まだこんな関係にはなれていなかったのですね」
そう思うと起きていてくれて良かった気もします。……欲を言えばもう少しムードが欲しかったですが。後、光正からして欲しかった気も……まぁ、いいでしょう。そこは、光正からのプロポーズに期待ですが…………この男に期待しても無駄な気が……。そんなことより今は、
「昨日の仕返しですよ光正。ふふっ」
「…………ふぁぁああ……おはよ~紫乃」
「おはようです。光正」
「……???紫乃。何か口の中と周りがべたつく気が……?」
「ふふっ。光正ったらヨダレが垂れてましたよ?拭いてあげましたけど」
「あ、ごめん。紫乃の服とかに付かなかった?」
「大丈夫ですよ。心配しなくても。…………だって大嘘ですから」
「???何か言った?」
「気のせいじゃないですか?」
「それもそっかぁ~」
「さて、勉強でもしましょうか?」
「そうだね~」