バカとテストと召喚獣~オレと兄さんとFクラス~   作:アカツキ

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激突!? 明久VS光正!?

 目の前の人物は薄ら笑みを浮かべてる。

 

「答えろ…………光正!」

 

 我が弟なら、なおさら止める理由が分からない。何故お前が僕の邪魔をする!

 

「悪いな兄さん。……ここを通す気はねぇ」

 

 こ、こいつ本気だ。本気で僕を止めにかかっている。というか、よく見たら天草さんもいるし……

 

「まさか……裏切り者は光正だったのか……!何故だ……何故裏切ったんだ!」

 

 男である光正が高橋女史を堂々と突破出来た理由……そんなの光正が本当は防衛側だったからという理由しか考えられない!まさか、僕らが足止めを喰らっていた隙に突破していたとは……!

 

「そうだね。オレは忠告に来た」

「忠告?」

「やめておけ。ここを通っても良いことは無い。あるのは絶望だけだ」

「違う!」

 

 この先にあるのが絶望だと?ふざけるな!

 

「この先にあるのは絶望なんかじゃない……僕の……いや、僕らの理想郷だっ!」

 

 そう。この先にあるのは僕らの理想郷。決して絶望なんかじゃない!

 

「……あれのどこが理想郷だよ……」

「確かに、光正は巨乳恐怖症で、女子風呂なんて天敵の集まりかもしれない……」

 

 こいつの症状は双子でなくても男なら誰でも同情したくなるだろう。女性のほとんどを恐怖してしまうなんて何を楽しみに生きているか分からない。

 

「それでも……それでも!光正!君も男なら理想郷の光景を夢見るはずだ!見たいと願うはずだ!行動するはずだ!違うかっ!」

「え?違うけど?」

 

 …………おかしい。ここで普通なら心を打たれて葛藤が起きるはずなのに……

 

「……ふっ。どうやら交渉決裂だね。仕方ない。実の弟を倒して僕は先に進む!」

「へぇ~やるってのかクソ兄貴」

 

 手をポキポキ鳴らす目の前の怪物。戦闘準備は整っているようだ。

 

「……光正。最後に言っておく……怪我する前に引け」

「それはこっちのセリフだ」

「忠告はしたよ……」

 

 僕と光正はお互いに対し攻撃態勢を整える。もう誰も止めるものはない。

 

「見せてあげるよ……兄の方が何枚も上手だってね」

「上等だ……行くぜ!」

 

 蹴りを放ってくる光正。それぐらい僕でも容易に予想でき躱す。そしてそのまま……

 

「天草さん!こいつこの合宿に来る途中で女子小学生をナンパしていたよ!」

「なっ……!きたねぇぞ!」

「へぇ~光正。そんなことしていたんだ~(ポキポキ)」

「落ち着いて紫乃!ストップ!ストーップ!」

 

 光正に迫る天草さん。

 え?この流れは僕と光正が殴り合って僕が僅差で勝つ流れじゃないのかって?甘いよ。この世界はバトル漫画じゃないんだ。殴り合う必要はどこにもない。

 

「……覚悟はいい?」

 

 よし、今のうちに先に進もう。決してここから先の展開に恐怖したわけでは無い!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……っと。もう兄さんは行ったな。紫乃演技はもういいぞ?」

 

 兄さんが鉄人の方へと行ったのを確認してから、オレは紫乃に声を掛ける。

 

「覚悟はいい?光正」

「ちょっと待て!少し前に説明したよな!?兄さんの虚言だって!」

 

 紫乃には説明したはずだ!オレを突破するために紫乃を怒らせるような嘘を兄さんが付くって。

 

「……むぅ。でも、凄くリアルな嘘ですよ?もしかしたら真実かもしれないじゃないですか!」

「待て待て!それだとオレがロリコンになってしまうだろうが!」

「え?違ったのですか?」

「違うわ!」

 

 何故そんな心外そうな顔ができるのだろうか?ねぇ、オレって紫乃の彼氏だよね?

 

「違いました。光正はドSの鬼畜彼氏でした」

「鬼畜までは行ってないだろ……」

「あんなにやめてって言っても無理矢理私を……」

「襲いに来たら襲われる覚悟くらい持っておけよ」

「……まぁ、光正が私を好きなことが伝わりましたが」

「うっせ。そろそろだ。切り替えていくぞ」

「分かってますよ」

 

 鉄人と兄さんの決闘場(という名の女子風呂脱衣所扉前)に向かうオレと紫乃。

 そして、

 

「もらったぁぁーーっ!」

「ぐぅ……っ!よ、吉井兄、貴様……」

 

 兄さんが無事に勝ち、鉄人が地に伏していた。

 

「やっと、やっと終わった……」

 

 そして出てくる第三者。兄さんはまだ気づいていない。

 

「待ってろよ、美波のペッタンコ……!」

 

 スタンガンを構え突撃する第三者。

 

「伏せろクソ兄貴!」

「……っ!」

 

 バシッ

 

 第三者のスタンガンを構えた方の腕を掴む。

 

「放して下さいこのブタ野郎!お姉様の操を守らないといけないのです!」

「清水さん!」

 

 そう、第三者というのは清水美春のことだ。というか、このスタンガンって雄二が持ってる奴と同じじゃねぇか。確かコレは触れたら服の上からでも一撃で感電する。

 

「昨夜からお姉様の元気がないのも、美春に振り向いてくれないのも全て貴方のせいです!死んで美春に詫びて下さい!」

「だとよ兄さん」

「えぇー……」

「言うことを聞かなければ、この写真を公表します!」

「え?写真って――うわっ!僕の恥ずかしい写真」

 

 お、これって、思い切り脅迫の証拠じゃねぇか。これで裏付けも出来た。さすがに、この写真を見せられたらバカの兄さんでも清水さんが脅迫犯ってことが――

 

「――まさか、清水さんは僕のことが好き、だとか?」

 

 ――分かっていなかったようだ。

 

「阿保か。コレ(清水さん)が脅迫犯なんだよ」

「えぇっ!?……清水さんってもしかして、お尻に火傷の跡があったりする?」

 

 最初にそこ聞く?

 

「な、なんでそれを知ってるんですか!?さては盗撮や覗きをやっていますね!?」

「……お前が言うなよ」

「とにかく大人しくして下さい。この写真をバラ撒きま――」

 

 バチィッ

 

「――し、痺れますっっ!」

 

 うるせぇ。黙ってろ。

 

「兄さん。排除完了したよ」

「ご苦労。ところで光正。何で生きてるの?死んだはずじゃなかったの?」

「死んでねぇよ。それより、オレと紫乃は戻るぞ」

「折角だから光正も見ていけばいいのに」

「行くかよバーカ。オレの目的は達成した。もう充分だ。それに――」

「それに?」

「さっきから震えが止まらないんだ」

「お、お気の毒様です」

 

 ああ。また胸がある人に触れ過ぎた。

 

「ほら、行きますよ光正」

 

 ズルズルズル

 

 その後雄二たち男子一同とすれ違いそれから程なくして……

 

割に合わねぇーーーーっっ!!

 

 こんな声が聞こえたがオレには関係ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜風が気持ちいいなぁ……

 オレは今外に出て、三日目の朝と同じ場所に座っている。何故かって聞かれると今は部屋にいたくないからだ。紫乃と風呂に入って上がったオレを待ち受けていたのは、死んだように呪詛を唱える兄さん、雄二、ムッツリーニの姿だった。まだ、比較的無事だった秀吉に話を聞くとどうやら、乗り込んでいった時に目に入ったのは、ババア(学園長)の裸だったらしい。

 ……オレの計画では女子たちに頼んで防衛に回らない人は部屋に残って騒動が解決するまで自習してくれと頼み、無人の女子風呂を覗かせて出オチ感を味わってもらおうとしたのに……まさか、学園長がいるとは想定外もいいところだ。こりゃ、トラウマレベルだろう。

 

「やはり、ここにいたんですね」

「紫乃か……念のため聞いておくけどどうしてここが?」

「ふふっ。光正あるところに私ありです」

「もう何も言えねぇな」

 

 もうこれ以上気にしたら負けだと思う。それにしても、

 

「月が綺麗ですね」

 

 思わず声に出してしまうほど、今日の月は綺麗だった。場所がいいからなのか?

 

「死んでもいいわ」

 

 すると、紫乃が頬を若干だが紅く染めて、何か繋がってないような返答をしてきた。どうしたんだろう?

 

「えーっと、紫乃…………頭大丈夫?急に死んでもいいとか言い始めて」

「なっ!?ま、まさか、光正そういう意味で使ったんじゃないんですか!?」

「そういう意味?いや、普通に月が綺麗だなぁ~っと。って、いたいいたい。どうしたの?」

「もぉ~私ばっか恥ずかしい想いをしたじゃないですか(ポカポカ)」

 

 恥ずかしい思い?いまいちピンとこないけど……

 

「だから、どういう意味なの?」

「ふ~んだ。教えて上げないも~ん」

「拗ねた紫乃も可愛いね」

「うるしゃい」

「あ、噛んだ」

「……っ!//(ボカボカ)」

「あはは、そういう紫乃も可愛いよ(なでなで)」

「ぷいっ」

 

 こりゃ、本格的に拗ねたか?

 

「なぁ紫乃。オレはこの合宿参加してよかった。お前もそう思うだろ?」

「……うん。勉強も出来たし、光正との愛も深められたし」

 

 後者は完全にこの合宿の目的から外れている気がする……が。

 

「愛してるよ紫乃」

 

 オレも同感だ。今までよりもなお紫乃の事が知れた気がする。

 

「……私も。んっ……」

 

 月光が照らす中、二人の影が幾度となく重なり合うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⦅ 処分通知 ⦆

 

 

二年Fクラス 吉井光正

上記の者を除く文月学園第二学年全男子生徒総勢148名

この者たち全員を一週間の停学処分とする

 

 

文月学園学園長 藤堂カヲル

 

 

 

 

 

 

 

ついムラッときてやった。

今は心の底から後悔している。

 

~とある生徒の反省文より抜粋~

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