バカとテストと召喚獣~オレと兄さんとFクラス~   作:アカツキ

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停学期間中編
停学期間=平和


 学力強化合宿も終わり週明けの月曜日。

 今日から二年生の男子はオレ以外停学処分で一週間いない。つまり、二年生男子で学校に居るのはオレだけとなる。まぁ、だからと言って特に何もないけど。

 いつも通り紫乃と登校してきたオレはFクラスの教室に入る。

 

「二人ともおはよ~」

「おはようございます光正君」

「おはよう光正」

 

 これで三人。うん。今日もFクラスは全員出席だ。

 

「そのぉ……光正君」

「何かな? 姫路さん」

「合宿初日は覗き魔扱いしてごめんなさいっ」

「ウチからもごめんなさいっ」

 

 頭を下げる二人。ああ……そんなことあったね。

 

「頭を上げてよ二人とも。オレは気にしてないからさ。まぁ、兄さんたちは本当の覗き魔になっちゃったけど」

「でも……」

「この話はおしまい。でも、兄さんとかには謝っといてよ? あらゆる面で可哀想な目にあってたんだからさ」

 

 まぁ、本当に兄さんは今回はいろいろと被害を受けたんだ。……自業自得なとこもあるけど。

 

「でも、光正。言っちゃ悪いけどアンタは休むと思ってたわ。絶好のサボり週間じゃない」

「そんな! 真面目なオレがサボるわけないじゃないか!」

「嘘ですね。本当はサボりたかったのですがサボれなかったのでしょう? 違いますか?」

 

 す、鋭いよ姫路さん。あぁ、そうだよ! サボりたかったけど……紫乃が家まで乗り込んで来たら学校行くしか無くなるじゃないか! 

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 ガラッ

 

「では、HRを始める。全員いるな?」

 

 鉄人が入ってきてHRを始める。

 

「連絡事項だ。吉井光正」

「何でしょう?」

 

 フルネームで呼ばれているなんて。もしかして、特別措置で休暇が貰えるのか? ワクワク。

 

「お前は今日から一週間AクラスでHR及び授業を受けろ」

「何でオレだけ!? 姫路さんもAクラスで充分付いていけると思いますが!」

「……これを見ろ」

 

 えーっと何々? 

 

 

【借用書】

 

 二年Fクラスの吉井光正を二年生男子の停学期間中、二年Aクラスが借りるものとする。

 

 二年Aクラス代表 霧島翔子 印

 

 二年Fクラス代表 坂本雄二 印

 

 二年Aクラス担任 高橋洋子 印

 

 二年Fクラス担任 西村宗一 印

 

 

 デジャブ!? 清涼祭の時に近いヤツを見た記憶があるぞ!? というかその時よりも承認した人増えてねぇか!? 

 

「まぁ、お前ならAクラスでも問題なく付いていけるだろう。高橋先生もそこは認めている」

「……はぁ」

「というわけで、荷物をまとめてAクラスへ行ってこい。ちなみに時間割りはAクラスのに合わせているからな」

「ちょっと待て! そんなの聞いてねぇぞ! オレ初日から忘れ物のオンパレードじゃねぇか!」

「知るか」

「アンタそれでも教師か!」

「ほら、行ってこい。AクラスのHRが終わるぞ?」

「畜生! オレに選択肢は無いのか!」

 

 もういい! こうなれば教科書がないのでという理由で今日は全部爆睡だ! 睡眠時間だ! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、今日から一週間。Aクラスで学ぶ吉井君から自己紹介をしてもらいます」

「今更必要ですかぁっ!?」

「えぇ。今回は一週間といつもより長いですので是非」

「……はぁ。えぇー二年Fクラスの吉井光正です。オレの知らないところでこんな状況になっていました。多分Fクラス以外ではAクラスと一番交流があるので、知らない人はいないと思います。一週間よろしくお願いします」

「では、席とかもろもろは……天草さんにお任せして。ああ、吉井君もAクラスの設備を自由に使っていいですからね。それでは皆さん今日も一日頑張りましょう」

 

 ちょっと待って先生! 任せる人選を間違えてないですか!? 

 

「……歓迎する。吉井弟」

「そうね。貴方なら心配なさそうだわ」

「紫乃の彼氏くんは気になってたんだよね~」

「あはは、一週間よろしく。霧島さん、木下さん、工藤さん」

「ふふっ。光正。これから一週間よろしくね」

「出たな諸悪の根源!」

「なっ! 諸悪の根源って何ですか! 私はこのチャンスを生かそうとしただけです!」

「この計画犯め! 折角オレがサボり決め込んでたら家に乗り込むし、Fクラスのあの設備ではなくこんなAクラスの設備を自由に使えるなんて……」

「使えるなんて?」

「……ありがとうございます」

「素直でよろしい(なでなで)」

 

 畜生。確かにFクラスの設備に比べたらAクラスの設備を自由に使えるなんて贅沢すぎる。

 そして撫でるな! まるで子供扱いされてるみたいじゃないか! ……まぁ、嬉しいから困るけど。

 

「アハハ、こういうところ見ると本当にあの吉井君の弟ダネ」

「まぁ、勉強はできるみたいだから、双子でも違うみたいだけど」

「……優子と同じ。気が合うと思う」

 

 そしてそこ。オレについて話してるんじゃない。

 

「……そういえば、吉井弟」

「何? 霧島さん」

「……一限現代文だけど教科書はある?」

「あ……」

「あらら? 光正ったらぁ~忘れ物ですかぁ~? 情けないですねぇ~」

「あーじゃあ、オレ体調悪くなったから保健室行ってくるわ」

「ま、待ってください光正! しっかり渡してあげますから! 冗談が過ぎましたから!」

 

 そう言って渡される現代国語の教科書。

 

「あれ? 紫乃。オレに渡すと紫乃が勉強できないんじゃ……?」

「私は自分の分ありますよ?」

「え……? じゃあ、これは?」

「光正のですよ?」

 

 思考停止。たっぷり十秒経って……

 

「何時の間に盗られたぁっ!?」

「ほら、朝迎えに行った時ですよ。今日必要なもの全て私が持ってきてあげたのです!」

「紫乃……」

「えっへん! 褒めてくれてもいいですよ?」

 

 無い胸をはる紫乃。うん。

 

「お前が借用書なんて作らなければこんなことになってないんだけどなぁ!」

「いひゃいです。ひょひょほつねらにゃいでくだしゃい」

 

 あ、柔らか~い。じゃなかったら今は怒らないと! 

 

「……紫乃。楽しそう」

「そうね。やっぱり光正君のおかげかしら」

「あんな紫乃普段は見れないもんね~」

 

 そこの三人静かにするんだ。

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 サッ

 

 ガラッ

 

「吉井君。席に着いてください。授業は始まりましたよ」

「え? でもオレ以外の人も……!?」

 

 よく見ると先ほどまで皆友達と話していたりしていたのに授業の準備を整えて席に着いてるだと!? 早業か! というか真面目か! ……なるほど。これが本来のAクラスか。いつものFクラスのバカなノリで完全に忘れていた。

 

「あれ、オレの席って……」

「ここ」

 

 そう言ってポンポンと自分の太腿を叩く紫乃。……冗談だよな? 

 

「吉井君。早く席につきなさい」

「いやいや、おかしいでしょ!?」

 

 色々と大丈夫なのか!? 

 

「……冗談。本当はこっち」

 

 そう言ってすぐ左隣を指差す。……こんな場所に椅子と机あったっけ……? まぁいいや。

 

「えぇーでは、授業を始めます。テキストP……」

 

 あ~何だか朝から疲れて睡魔が……

 

「…………っ!?」

「どうしました? 吉井君」

「い、いえ何でもありません」

「そうですか。えぇーではここを……」

 

 紫乃が何食わぬ顔で右腕を抓ってきた。もしや、寝るなということか! 意地でも起き、受けさせようというのか! オレにとって地獄の現代国語を……! というか、よく睡魔に負けようとしていたのが分かったな! ……クッ。我が彼女ながら恐ろしい。いいだろう受けてやるよ! 授業ぐらい余裕で乗り切ってやるよ!

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