仮面ライダーWの世界に迷い込んだ一人の青年。彼が歩む未来は何処にある?

一人称の練習として思いついたネタでやりました。
なので拙いところもあるとは思いますが、よろしかったらご覧下さい。


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一人称の練習として書きました。
一発ネタです。
作者は素人であり、さらに初めて一人称に挑戦したのでおかしいところもあると思います。

感想、批判、評価、批評、誤字脱字お待ちしております。
ではどうぞ。


一発ネタ 仮面ライダーW―イレギュラーライダー―

「あれ?」

 

ガレキの山にどこかの地下?ここはどこだ?

オレは大学帰りに新しく出た仮面ライダーのガチャガチャをやって、お目当てだった奴が一発で当たったことが嬉しくて……そのまま……どうしたっけ?

そのあとの記憶がない?え?誘拐?拉致?夢遊病?……最後のは違うか。

 

「誰かいませんかー!」

 

大声を出すけど誰も来ない。ちょっと……というか、かなり怖いんだけど。

拘束もされていないみたいだし、動いていれば誰か見つけてくれるかな?もし見つけてくれた人が誘拐犯だったらどうしよ?どうにかなるかな?

 

「携帯も圏外だし……」

 

しばらく歩いても何も変わらない。というか、さっき上の方でものすごい音がしたんだけど。大丈夫かな?

 

「ってうわっ!あぶね~。」

 

天井が抜けてガレキが降ってきた。土埃の後、足元に何かが転がっていた。好奇心で拾う。これって……

 

「ロストドライバー?」

 

仮面ライダーWで出てきた変身ベルトの一つ。なんでこんなところに……って、よく見ると随分メカメカしいというか、本物っぽいというか。おもちゃにはありえないほどの完成度だった。

仮面ライダーファンとしてぜひ着けてみたい。ということで着けてみた。

 

「かっこいいな。これでアレがあれば完璧なんだけどな。」

 

そこで思い付いた。ついさっきガチャガチャで当てたアレがあるかもしれない。色々と探してポケットの中に発見した。だけどおかしい。コレはあくまでガチャガチャの景品。おもちゃだ。それなのにコレはいかにも本物っぽくなっている。今腰に巻いているベルトみたいに。本物?まさかね。それにコレはファンサービスの産物とでも言うもので、コレの設定にそぐわない。

 

この疑問に首をかしげていると白いスーツのようなものを着た人が降ってきた。って。

 

「人?だ、大丈夫ですか?!」

 

駆け寄って見たが、起きる気配がない。息もしていない。

 

「死んで……る……?」

 

怖い。ここにいれば、自分も死ぬかもしれない。嫌だ。まだ死にたくない。

早く。逃げないと。一秒でも速くここから離れたい。

 

「うわあああ!」

 

場所も分からず走り出す。どこに行けばいいかも。ただ、それでも少しでも恐怖を拭いたかった。

すぐに出会った化け物のせいでそれもすぐに終わったが。

 

「あら?まだネズミが居たようね。」

 

現れた化け物。知っている。何回も画面の中で見た。でもなんでここにいる?

まさかここはあの仮面ライダーの世界とでも言うのか?そんな馬鹿な。

 

「まったく。こんなことになって、これから場所を移さなくてはならないのに。私の手を煩わせないで。」

 

どこからか黒い服の奴らがたくさん湧いてきた。怖い。画面で見るとそうでもない。この黒服たちは所詮やられ役だ。主人公達に蹴散らされるだけの存在。でも。それでも。なんの力もない俺にとっては怖かった。ダッシュで逃げる。後ろで追いかけてくる足音がする。死にたくないから全力で走る。ここまで長く全力で走ったことはない。

 

「っが!」

 

爆発に吹き飛ばされて、壁にぶつかった。ものすごく痛い。おまけにそこかしこ血だらけ。どうやら、あの化け物――タブー・ドーパント――の攻撃がすぐ後ろに当たったらしい。直撃でなくてよかった。直撃していたら本当に死んでいたかもしれない。血が足りないせいか、死にかけているせいか、すごく眠たい。こんな時に、アレを思いついたオレは少しおかしくなったのかもしれない。脳の処理限界を超えると人はおかしくなるってどこかで聞いたことがあるような、ないような。でも。死ぬのは……嫌だからなぁ。おかしくなってもそれは思う。まだやりたいことがたくさんある。初恋だってまだだし、結婚だってしたい。やり残したことがたくさんある。今、一番やりたいことは家に帰りたい。だから、立つ。何が何でも。さっき頭の中に妄想だと思ったこと。もしここがあの世界なら。もし今腰に着けている物が本物なら。そしてもし手の中にあるアレが本物になっていたなら。友達に話せば気が狂ったとでも思われそうだ。いや、普段のオレでも思うだろう。でも……今はこれが正しい事のように思えた。

 

『リュウキ!』

 

「何っ?!」

 

手の中のソレのボタンを押す。独特な音声が流れる。その場にいた全員が驚き、動きを止めた。驚いたのは、重傷で立った俺にか、それとも存在するはずのない手の中のコレにか。どちらでもいいが、運が良い。最も無防備になる時に動きを止めてくれたのだから。手の中のソレ――リュウキ・サバイブのガイアメモリ――をロストドライバーに挿す。そして言う、子供が、大人が、オレが憧れるヒーローたちの言うあのセリフを。

 

「変身」

 

行動と同時にロストドライバーに挿されたガイアメモリを横に倒す。自分が切り替わる感触と共に姿が変わった。赤の体に腕には龍召機甲ドラグバイザー。

 

「お前は……。」

 

「仮面ライダー……龍騎。」

 

体が軽い。さっきまでの怪我のせいでかなりダルイがそれを考慮してもさっきよりはマシに動ける自信が湧いてくる。

だから……逃げる。ただひたすら逃げる。唖然としている奴らを尻目に逃げる。奴らが追ってくるが、こっちは喧嘩もしたことがないモヤシである。勝てるはずがない。憧れの変身で少しテンションが上がったが、やはり戦うのは怖い。だから逃げる。脇目もふらずに。

 

 

 

 

 

「っふ。追い詰めてわよ?」

 

少しして追いつかれた。考えれば当たり前だった。こっちはここがどこかもわからない。つまり出口が分からない。同じところをグルグルと回って、先回りされた。間抜けとしか言い様がない。あれだけカッコつけておいてこれだ。穴があったら入りたい。

 

「これまでは準備運動だ。」

 

「どの口が言うか!」

 

強がってみたが真面目に限界。そろそろハリボテが取れそうです。戦うしかないのか?

と考えているうちに、黒服たちとの戦闘。あっちの攻撃は効かないが、数が多い。おまけにちょくちょく親玉が攻撃してくる。時には転んで、無様に避けて。を繰り返してかなりカッコ悪い。いや、死ぬよりはいいんだけど。喋る余裕もない。頭の悪い脳みそフル回転です。

 

……ドラグレッター呼んで強行突破すればいいんじゃね?

 

不意に浮かんだアイディア。善は急げでベルトからカードを取り出す。

……なかった。考えてみれば、当たり前だった。自分はガイアメモリを使って変身した。つまり本来の仮面ライダー龍騎ではなく、本来の仮面ライダー龍騎のベルトに付随するカードがない。

……これってただの役立たずだよね?牛肉のない牛丼だよね?泣きそうになったところで緊張の糸が途切れた。

その隙を相手が見逃す訳もなく……目の前を光が覆った。

 

 

 

 

 

 

「助かった……。」

 

よかった~。助かった。まさか咄嗟のバックで後ろにあった車のミラーからミラーワールドに行けるとは……。真面目に死ぬかと思った。というか、この世界にもミラーワールドあったのね。モンスターはいなさそうだけど……。何も生き物がいない世界って怖いというか、不気味だ。あまりここには居たくないな。さっさとこの建物から出て、ミラーワールドからも出るか。

……そういえば、龍騎サバイブのガイアメモリなのに龍騎に変身したな。やっぱりそう都合良くはないのかな~。できれば強いほうがいいんだけどな。カードも無いし、楽だし。

 

ああ、でもこれからどうしよ?ここが別世界、仮面ライダーWの世界だとすれば……どうやったら帰れるんだ……。それ以前に親も友達も戸籍もない世界でこれから生活できんのかな?……やっべどうしよ?とりあえずは……サバイバルからのスタートか。死ぬのは嫌だしね。

 



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