…完璧なデッキだ   作:ワックス

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日常回を見たくなったので書きました



藤木君への誕生日プレゼント前編

 放課後、特にやることもないので帰ろうとすると校門に島くんが隠れながら何かを見ていた。

 

「何見てるの?」

 

「うわ!って財前か、驚かすなよ!」

 

 まるで、昨日のテレビで見た万引きをとがめられた学生のように大きく体を跳ねさせ反応する。……そこまで驚くことかしら。

 

「あそこにいるのは……藤木君?」

 

「ああ、今度あいつ誕生日らしくてな。何かカードをプレゼントしてやろうかと」

 

 誕生日……何で知ってるのかしら。まぁいいか。それより

 

「……プレゼントにカード?」

 

「おうよ。あいつ、デュエルの腕は正直悪くないと思うんだよ。だけどなー、使ってるカードがどういうわけか弱……古……いや、なんというか」

 

「言いたいことはわかるわ」

 

 正直、彼のカードは彼の腕にたいして力不足だ。

 

「あまりデュエルもしてないみたいだけどさ、正直腐らせるには惜しいと思うんだよなー。何か新しいカードをプレゼントしたらもっとデュエルをするようになるんじゃないかって」

 

「それでプレゼント……それなら、別にストーカーする必要はないんじゃ」

 

「誰だって使うカードにはデュエリストの性格が出るだろ?アイツに合ったカードを選んでやろうと思ってな」

 

 藤木君の性格か……。デュエルしてから少し仲良くなった気がするけど、そういえば私、藤木君のことあまり知らないな……。

 

「……私も着いていって良いかしら?」

 

「別に構わないぜ。あ、道を曲がったぞ、見失う!」

 

 私は島くんと一緒に藤木君を着けていったーー

 

 

 

 XXXX

 

 

 

 ここは……

 

「ホットドックの屋台……?」

 

「カフェナギっていう屋台だな。俺は何度か見たことあるけど……」

 

 藤木君は屋台のなかで、お客さんにホットドックとサイダーを渡していた。

 暫く離れたところで観察していると、ガサッというレジ袋の音がして……

 

「……お客さんかな?」

 

「うおっ!」

 

「きゃっ!」

 

 何か冷たいものが首に……!

 

「ああ、ゴメン思ったより冷たくなってたみたいだ」

 

 振り替えると、ドローンがホバリングしており、その横には知らない男性が立っていた。思わず身構える。

 

「あ、普段のホットドック屋の人だ!」

 

 島くんが指を指しながら言う。

 

「やあ、遊作のお友達……だったよね。どうやら遊作から隠れながら観察してるみたいだったから話しかけてみたんだけど……」

 

「いえ、あの」

 

「俺たち、今度の藤木君の誕生日プレゼントを考えてて……」

 

 島くんは私たちの目的を説明してくれた。物怖じをしないと言うかなんというか……。

 

「遊作の好きなもの、か……正直俺もあまり遊作のことは知らないんだ」

 

「え、そうなんですか?」

 

 名前を呼び捨てしたり仲も良いみたいだし、てっきり親戚かなんかでお手伝いしてるのかと……。

 

「ちょっとワケアリでな……。遊作は色々あって、今はあまりデュエルをしようとしないんだ。俺は……できれば、君たちには遊作にデュエルへの情熱に火を付けて欲しいと思ってるんだ」

 

「火を……ですか?」

 

「……遊作はあまり感情を出さないけど、デュエルが好きだと言う気持ちを持っている。俺はもっと遊作には学生らしく、何か友達との思い出をもって欲しいと思っているんだ」

 

 ……彼の話す言葉から、藤木君のことを思いやっているのが伝わってくる。

 

「藤木にデュエルの面白さってやつを伝えて見せますよ!」

 

 今だけは島くんの楽観さが頼もしい。

 

「じゃあ俺はそろそろ屋台に戻るけど、食べていくかい?」

 

「いや、藤木にバレると不味いので……」

 

「じゃあ、これだけでも持っていってよ」

 

 冷たいサイダーが入ったカップが乗った、デュエルディスク型のドローンが私たちの前に来た。

 

「おお、凄いですね」

 

「……何でデュエルディスク型何だろ」

 

 私たちはサイダーをもらって、その場を後にした。

 

 

 xxxx

 

 

 プレゼントを選ぶためにカードショップへやって来た。すると、見知った顔が一人。

 

「やあ、財前君と島君か」

 

 デュエル部の部長がカードを見るのをやめて、こちらへ目を向ける。

 

「ねえ、島くん。部長にも手伝ってもらわない?」

 

「……それもそうだな。部長、お願いしたいことがあるんですけど……」

 

 再び島くんが説明をする。

 

「ふむ、プレゼントか……前にクラッキングドラゴンについて話し合ったときに、彼のデッキを見たことがあったから力になれると思うよ」

 

「流石部長!」

 

「確か彼のデッキは……このデッキだね」

 

 端末を動かして画面を見せる。これは……

 

「ハーフデッキ光。無料で配られている初心者向けのデッキだね」

 

 無料で配られているデッキ……?

 

「アイツ、実はカードを全然持ってないのか?デュエルディスクも旧型だし……。前に独り暮らしだって言ってたから家の方針って訳じゃ無いだろうけど……」

 

 カードを持っていない……ディスクは旧型、アルバイトとワケアリ……そして独り暮らし。もしかして……

 

「この話は辞めようか。あまり詮索するのは良くないしね」

 

「そうですね」

 

「うーん、どんなカードが良いかなー」

 

「そうだね、やはり汎用性の高いエクシーズやリンクモンスターが良いと思うよ」

 

 その後私たちは彼のデッキに合ったカードについて話し合った。

 

 

 

 




新しいカードってワクワクしますよね

ハーフデッキの中身は変わらないですが……ハーフデッキて戦うっていう設定が崩れるのでたぶんこの1話だけ

もっと学校生活っぽいのを書きたかったけど私じゃあこれが限界
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