IS×仮面ライダー 仮面ライダー炎竜   作:柏葉大樹

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第1部 仮面ライダー炎竜
プロローグ


 俺、柏葉大樹は転生者だ。

 うん、いきなりこんなこと言って何コイツと思うだろう。中二病患者って思われても仕方ないが前世の記憶がある。

 前世はどこにでもいるような大学生で、いわゆるマニアの部類に入る人間だった。特に仮面ライダーとか特撮ものにどっぷりと漬かりきっていた。そんな俺がある日、二次創作でよくある神様転生に遭遇した。その時のジジイもとい神様曰く

 

 「こっちのミスで死なせてしまいました。その代わりにインフィニットストラトスの世界に転生させることが決まったから。君に拒否権は無いからねえ。」(神)

 

 だそうだ。

 そんなこんなで色々と抗議をするも赤ん坊から人生をやり直すことになった、あの女尊男卑のハーレム小説の世界で。小説はある程度、読んでいたから知識はあった。本音は彼女いない歴の特撮マニアがあのほぼ女子高でやっていけるかよおおおおおおおお(# ゚Д゚)。

 赤ん坊から小学校はただひたすら原作と介入しないことを望んで生きてきた、それも叶うはずが無かったが。

 結果は主人公、織斑一夏とヒロイン1号、篠ノ之箒と友達になった。

 その後は原作の通りだった。白騎士事件が起こり、箒は転校。入れ替わりで鈴こと凰鈴音と友達になり、中学で五反田弾と出会った。

 まあ、楽しい分には楽しかったよ。一夏も良い奴だったし、箒と鈴とも男友達のレベルで仲が良かったし、弾の家にはよく遊びにいったり、飯を食いに行ったりした。それ以外は一夏に告白した女子のケアだったり、ケアだったり、ケアだったり、あいつの女子関係のトラブルの解決で忙しかった。

 そんなこんなで一夏がIS、インフィニットストラトスを動かした。その時の俺は既に志望校の受験を終えていた。もう、願った願った、適正が出るな出るなと。だが、ここまで来たらテンプレ通りに世の中は進むのだ。当然だが志望校への進学をあきらめることになった。

 IS学園に入学が決まった時は気持ちを入れ替えて頑張ることにした。一夏がヒロインズを落としていく中で俺は勉強、訓練、一夏たちの騒動の火消しに奔走した。一夏たちの騒動を納めていく中でストレスで胃がやられたが、まあ、学園で一夏ほどではなかったがそれなりのポジションにいるようになった。その一方で俺は両親から仮面ライダー鎧武に出てきた戦極ドライバーとオリジナルのロックシードを渡された。

 それからというものの仮面ライダーとして女性権利団体や遺伝子操作で誕生した生物兵器となっているインベスと戦っていた。

 仮面ライダーとして戦っていることは一夏たちには伝えなかった。その時は特別、伝える必要はないと考えていたからだ。

 ああ、前置きが長くなったな。今、俺は辺り一面がボロボロとなったIS学園にいる。今の時代は原作から見ると5年後になる。

 今の俺は両目がえぐられ、腹には大きな穴が空いている。つまりは、さっさと処置をしないと死ぬ。こんな状況になったのは、

 

 「大樹!返事をしてくれ!」(一夏)

 

 一夏の声がする。どうやら、俺を探しに来たらしい。まあ、5年前にひどい別れ方をしたからなあ。あんだけ見たくないと思っていたのにいざ見れなくなったらやっぱり悲しいわ。

 

 「柏葉!返事をしろ!」(箒)

 

 箒まで来てんのか。一夏の面倒を頼むって言ったからな。

 

 「どこだ!大樹!」(千冬)

 

 千冬姉ちゃんまで。ああ、なんで、こんな時に限って、皆いるんだよ。一人で死ぬ覚悟が出来てたのに。

 

 「大樹!!」(マドカ)

 

 、、、、、、、、、、。ああ、スコールたちなんだろうな。みんながここにいるのは。でもなあ、これはなあ、いくらなんでもなあ。

 

 「なんで、来てるんだよ、マドカ。」(大樹)

 「ああ、大樹!」(マドカ)

 

 目が見えないけれど俺の手をマドカが握っている。

 

 「千冬姉さん!大樹が!」(マドカ)

 

 千冬姉ちゃんを呼んだ後、マドカはずっと俺を呼んでいた。俺の手を握りしめながら、腹の傷を抑えて。足音から千冬姉ちゃん、一夏、箒が俺のところへ来るのが分かった。

 

 「大樹!大丈夫か!」(一夏)

 

 一夏が俺に呼び掛けた。

 

 「大丈夫なわけないだろ、、、。現在進行形で死にかけてるよ。」(大樹)

 「すぐに姉さんの所へ行けば。」(箒)

 

 箒が言った。

 

 「箒、、、無駄だよ。束姉ちゃん、死んだから。そもそも、あの人、俺をタダで助けることなんてしないだろ。」(大樹)

 「大樹!」(マドカ)

 

 マドカが泣きながら呼ぶ。

 

 「ごめんな、マドカ。約束、守らないで。待たせてごめんな。」(大樹)

 「大樹、あいつは。ユウゴは。」(千冬)

 「千冬姉ちゃん、死んだよ。」(大樹)

 「そうか。」(千冬)

 「死にたくないなあ。こんだけのことが起きて、それなのになあ。」(大樹)

 

 気づけば、俺も泣いていた。死ぬのが怖いのではなく、皆と一緒にいられなくなった、ただそれだけが悲しくて、悔しくて、怖くて。

 

 「まだ、一緒にいてえよ。」(大樹)

 

 でも、そんな望みも叶うことは無いのは分かっている。

 

 「未練たらたらだけど、皆、幸せにな。」(大樹)

 

 それでも、悲しいまま終わるのは絶対に嫌だから

 「俺、一緒にいれて、良かった。」(大樹)

 

 マドカが声を挙げて泣いている。一夏も泣いている。あの箒も感情を抑えきれないみたいだった。千冬姉ちゃんも聞こえないけどきっと。

 どうやら、限界らしい。もしも、来世があるのなら、また、皆と、、、、、、、、、、、、、、。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20XX年 柏葉大樹 死去 享年20歳

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 柏葉大樹はISの世界を駆け抜けた。その果てがこのような結末である。だが、彼は死の間際、3度目の生を願った。駆け抜けた世界でできた愛する人たちに出会いたいと願った。この物語は終末を迎えるはずだったがこれより真の物語の幕が上がる

 

 

 

 

IS×仮面ライダー 仮面ライダー炎竜 プロローグ完

 

 

 

 

 

 

 


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